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* 人工知能学会第32回全国大会 [#gc9a698f]

このページはしましまが[[人工知能学会全国大会2018>人工知能学会全国大会#JSAI2018]]に参加してとったメモです.私の主観や勘違いが含まれていたり,私が全く分かってなかったりしていますので,その点を注意してご覧ください.誤りがあれば,指摘してください.

- ホームページ: http://ai-gakkai.or.jp/jsai2018/
- 日時:2017年6月5日(火)〜 6月8日(金)
- 会場:城山観光ホテル(鹿児島県鹿児島市)

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* 6月5日 (火) 1日目 [#yf38b6dc]

* [1A3-01] KS-10 AIに関わる安全保障技術をめぐる世界の潮流 [#g09a19f1]
- http://ai-elsi.org/archives/707

** 安全保障技術の国際的な動向について [#zcd29bf6]
拓殖大学国際学部教授・海外事情研究所副所長,佐藤丙午氏

- AIが将来何を実現できるかが不確実
-- 軍事行動の正確性と速度の向上
-- 現状はAIを使った現状の兵器の向上
- Targeting Circle:攻撃にいたるまでのプロセス(NATO では6段階)
-- この各段階で使われる情報収集手段や兵器の性能向上へのAI利用
-- 高速計算能力は攻撃能力を向上,弱いAIだけが考えられていて,ターミネータのような全く分からないものではない
- Project Maven:インテリジェンス分野の情報処理技術(Google社員が参加に意義を唱えた)
-- 議論はあったが,民間技術と軍事技術との情報処理技術の差はない
- 戦闘サイクルの迅速化
-- 防御戦闘における自動化(イスラエルのIron Dome,都市のミサイル防御)→ 自動化してないと対応でいず,すでに実用化されている
- 複雑な兵器システム
-- 大量ドローンの操縦,人間には無理,見方の反乱への対処
- AIの兵器利用の課題
-- 安全性:信頼性,変化への対応
-- 政治目的を達成するための戦争で,結果の不確実性はその目的を失敗させる可能性
- 民生技術は拡散すると,軍事にも利用される.中国の軍民融合.米軍の民間技術の取り込み.

** LAWSと国連の動向などについて [#u7c865b7]
外務省軍縮不拡散・科学部通常兵器室上席専門官,南健太郎氏

- LAWS(自律型致死兵器)
-- Human Rights Watch (HRW) の報告書に2012年に登場
- CCW(特定兵器使用禁止条約):LAWS の外交官による国際的枠組みに関する議論,技術的な実現性は考えられていない
-- 1978年に発行,地雷・ブービートラップ,焼夷兵器などのための枠組みに新たな議定書を追加
-- 人権と安全保障の両方にまたがる枠組み
- 論点
-- LAWSは国際人道法を遵守できないのではないか? ← 実在していないので想像で議論しており,噛み合っていない
-- 定義についても合意がとれないので,後回しにしている
-- 自動(閉じられた範囲で動作)と自律(オープン環境で動作)

* 6月6日 (水) 2日目 [#g77da108]

* [2P3] 機械学習-分類問題 [#j43f104c]

- [2P3-03] 公平ロジスティック回帰での確定的決定則の影響
〇神嶌 敏弘1、赤穂 昭太郎1、麻生 英樹1、佐久間 淳2,3 (1. 産業技術総合研究所、2. 筑波大学、3. 理化学研究所 革新知能統合研究センター

質問
- 決定則の影響で独立性が達成できなくなる理由の確認
-- 決定則の影響で分布が変わるから

* [2N4-01] KS-8 「AI人材」にいま求められていることと教育環境の理想と現実 [#ved673d8]

- http://www.jdla.org/news/detail/20180406001/
* 6月6日 (木) 3日目 [#zbf1e4f6]

* [3A0-01] 「人工知能は未来の経済をどう変えるか?」 [#x6c39818]
井上 智洋1 (1. 駒澤大学経済学部 准教授) 

- 人工知能の副作用について論じることは,人工知能の促進を阻害するということではない
- 汎用AIと特化型AIを区別して考える必要
- 日本のWBAイニシアチブの主張 http://wba-initiative.org :脳の各器官をモジュールとしてそれらを結合して汎用AIを実現できる
- 全脳の実現:全脳アーキテクチャ(機能部品を統合して人間が作る),全脳エミュレーション(脳の構造をコピー)
- 雇用を奪わない程度の技術は革新的はいえない
- 雇用がなくなっても生活できるのは,理想的な生活ともいえる ⇔ 機械への服従と考える人もいる
- 技術的失業:技術の進展によって職業がなくなることを表す経済用語,ラッダイト運動など
-- ミクロ的に補完的であっても,マクロ的には代替的であることがある(小売りサイトとWebエンジニアが,小売店と店員の組み合わせを代替している)
- 労働塊の誤謬:技術が進展しても失業率は下がらない.技術的失業が転職により解消されるから
- 貧困をもたらす可能性:事務労働の大部分が低所得の肉体労働に移行するため
-- グレート・デカップリング:中間層が減少している,さらに低所得の職業も消える可能性
-- 中間層をいかにAIを利用できる頭脳労働に移行できるか
-- 職業が簡単に消えるとは考えていない:技術的に代替可能でも,導入されるとは限らない(セルフレジ・レストランのタッチパネル注文)
- 技術的失業のレベル:職業の消滅,業種の雇用の減少,国レベルの雇用の減少
- 実空間⇔情報空間,定型⇔不定型 の2軸で考える
-- 代替が容易な順番:実空間+定型→産業用ロボット,実空間+定型→IT,情報空間+不定型→AI,実空間+不定形:スマートマシン
-- 人手が足りないと言われているのは実空間 → 知的処理とロボットの両方の技術が必要
- 残る仕事の特徴 CMH:クリエイティビティ,マネージメント,ホスピタリティ
-- 人間の感性による仕事は残るだろう(エンターティメント性と新規性)
- 一般の所得は中間層が多いが,クリエイティブな職業は少数の高所得と多数の低所得になる
- ベーシックインカム:講演者の試算では現状でも7万は支給できる
-- 人工知能は,ベーシックインカムの導入によって,ユートピアをもたらす
- 機械化経済(講演者の定義)生産者が機械に投資されて生産活動を行う
-- この枠組みを早く作れるかどうかが重要な分岐点 → 最初に上昇できるのはアメリカ・中国が有力.日本は望み薄.

* [3H1-OS-25a] 人工知能と倫理(1) [#f2c65744]

** [3H1-OS-25a-01] 日米欧の地域特性に着目したAI倫理ガイドラインの比較 [#eca68104]
〇上村 恵子1、小里 明男1、志賀 孝広1、早川 敬一郎1 (1. (株)豊田中央研究所)

- 欧州:人の権利や責任
- 米国:AIの便益最大化,セーフガード
- 日本:普及促進,倫理基準による不安解消

** [3H1-OS-25a-02] 倫理的行動を促進するAIを社会で活用するための課題 [#sfac5f40]
〇福原 慶子1 (1. 名古屋大学)

- スピードバンプ:人間に倫理行動をおこさせる技術的手段の例
- 人間の価値観に偏りがあり,そのデータから学習するとAIもその影響を受ける

** [3H1-OS-25a-03] AI は AI 技術者を倫理的な設計に巻き込むことができるか? [#laea1c89]
〇関口 海良1、堀 浩一1,2 (1. 東京大学大学院工学系研究科、2. 理化学研究所革新知能統合研究センター)

- 推薦機能を備えた倫理項目の閲覧ソフト

** [3H1-OS-25a-04] AIを活用したサービスにおけるELSI的観点の新たなガイドライン項目の抽出デジタルヘルスを対象とした検討 [#t5a3148c]
〇福住 伸一1、神野 真理子1、稲垣 香澄1、安 浩子1、広明 敏彦1、前田 春香2、水上 拓哉2、佐倉 統2 (1. 日本電気株式会社、2. 東京大学)

- ヘルスケア分野を対象に,診断を受けさせるためのインセンティブ設計などのためのアンケート調査

** [3H1-OS-25a-05] IEEE「倫理的に調和した設計」を用いた議論の場とコミュニティの設計 [#z3ae15e6]
〇江間 有沙1、長倉 克枝2、工藤 郁子3 (1. 東京大学、2. 科学ライター、3. マカイラ株式会社)

- コリングリッジのジレンマ:技術は普及するまで十分に予測できないが,定着すると制御は困難である → 事前の議論が大事
- 議論のアジェンダはだれが決めるは難しい

* [3N2-01] KS-4 インセンティブ設計科学 [#i2f18f6d]

** オーガナイザ挨拶 [#o5b9fb44]
東藤大樹

- AIでのインセンティブ設計:個人情報提供など
- インセンティブを扱う学問:ゲーム理論,実験経済学(被験者実験による検証)

** マッチング・マーケットデザイン [#d8c42527]
安田洋祐(大阪大学)

マーケットデザイン
- Avin E. Roth と Lloyd S. Shapley が提唱
- ゲーム理論で得られた知見をいかして,現実の市場や制度を修正・設計する新しい分野
-- 実験・シミュレーションでの検証,実際への実装(オークション,マッチング)

安定マッチング
- グループ間で人の対応付ける,ここでは two-side マッチングの設定(一対一,一対多,多対多)
- 安定なマッチング:どんな個人が逸脱しても,状況は改善しない → どの問題にも解が存在し,パレート効率的
- 自分がマッチングされる可能性のある相手のうち,最も良い相手とマッチングされる
- Gale-Shapleyアルゴリズム
-- 男性が自身の好みの順位を提出
-- 自身の最上位の女性を選択,女性側は自分の好みに一番近い男性を残してキープ,すでにより好みの男性がいればリジェクト
-- リジェクトされた男性は,リストの次の女性を選択
-- これを反復
-- 問題点:男性側には嘘をつくインセンティブがないが,女性にはありうる.
-- 拡張:同順位を許す,受け入れ拒否を許す,一対多への拡張

** 行動メカニズム・デザイン [#kf92d568]
川越敏司(はこだて未来大学)

メカニズム・デザイン,マーケット・デザイン,遂行理論
- アダム・スミス:自由市場は,私利に基づいても,ルールを適切に設計すれば,社会に利益になる
- フリードリヒ・ハイエク:生産配分をする計算が不可能だ,市場による分散処理により解決
- レオン・ハーヴィッツ:インセンティブ設計の提案と,不可能性の存在

インセンティブ設計
- 嘘をつく戦略的な行動が,結果的に不利になるような制度設計
- VCGメカニズム:成功例
- 行動メカニズム・デザイン:実験室内での被験者実験や,コンピュータエージェントによるシミュレーションでの検証

** ビットコイン・暗号通貨・ブロックチェーン技術とインセンティブ設計 [#u9c785fc]
田中圭介(東京工業大学)

- ビットコイン:Satoshi Nakmoto (2008)
-- 信頼できる第三者なしに実現可能な暗号通貨,非中央集権的
-- 基礎となる技術はブロックチェーン(分散型台帳)
- ブロックチェーン
-- 参加者がある種の計算 (Proof-of-Work) を行い続けることで台帳を共有する
--- 同じ台帳を全員で計算し続けるイメージ
- チェーンを1ブロック伸ばす手続き
-- 手に入れたトランザクションを組み込んでブロックの中身を作る
-- Proof-of-Work(マイニング)に成功すると,台帳に組み込む権利を得る
-- 十分に広い
- Proof-of-Work
-- 前のブロックと追加ブロックにある数(ナンス)にハッシュを通して,上位が0が続くといったような条件を満たすと成功,成功するナンスを探している
-- 世界中で10分に一度ぐらいしか成功しない
-- Proof-of-Work を推進するために暗号通貨で支払いをしてインセンティブをもたせている
- インセンティブ設計の問題
-- 現状は報酬は徐々に低下するようになっている.もし,減少しないと多くの通貨価値が減少
-- 法定通貨とのペッグ制
-- Proof of Work 以外によるブロックの更新,Proof of Stakes (所有量による権利の獲得)

* 6月7日 (金) 4日目 [#j76db0ea]

* [4N1-01] KS-1 機械学習工学とは − 機械学習システムを創り上げるための工学的課題 − [#m5ebf4df]

- https://sites.google.com/view/sig-mlse/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E4%BA%88%E5%AE%9A/jsai2018

- 機械学習工学:機械学習を用いた製品をどう作っていくかを工学的に研究する

**「ソフトウェア工学は機械学習の夢を見るか 〜 ソフトウェア工学の振り返りとアーキテクト的観点からの問題提起」 [#q6dbb6db]
榊原彰(日本マイクロソフト)

- ソフトウェア工学:どう作るか,リスクをどうヘッジするか
-- プログラム・モデリング:オブジェクト指向とか
-- アーキテクチャ:単体のコンピュータではなく,サーバやセンサーを含めて扱うには
-- 部品化・再利用:何度も現れては消えている
-- 要求獲得・定義:要求工学,そもそもしたいことを引き出す
-- 定量化・測定・評価・見積もり技術:工数などの評価
-- プロセス:アジャイルやウォーターフォール,デプロイはどうする,データの扱い
-- プロジェクトマネジメント:需要はあるが発表は少ない
- 分析・設計手法の隆盛
-- 分析手法:機能中心(職人芸)→構造化(+データ中心)→オブジェクト指向(コンポーネント指向・サービス指向)
-- プラットフォーム:メインフレーム→ クライアントサーバ→Web(クライアントサーバだがブラウザを使う点が異なる),モバイル(各個人が強力な演算装置を所持する衝撃),クラウド(モビリティを向上)
- Webの進化はモバイルデバイスの進化により再加速 http://evolutionofweb.appspot.com
-- Javascriptのパフォーマンスは1990年代の100倍
- 開発規模と負荷:MSの調査結果
-- 規模の拡大とともに負荷は向上.規模拡大とともに,最低限のシステム作成の負荷に対し,欠陥除去活動は2倍以上の負荷になり,個人差は小さくなる
-- ただ能力のある個人は大規模でもキーになる部分に配置すると効果がある
- 開発における手戻りコスト
-- 中間のプログラミング段階が一番おおきい
-- 上流工程でできればコストは小さい → 過度なモデル変換依存:model-driven architecture,計算・プラットフォーム独立モデルとプラットフォーム依存モデルに分けて設計し,最後にモデルをコードにする
--- 独立性のあるモデルのは至難の業,制約や挙動を記述するのがプログラムを書くより複雑になり破綻
- アーキテクチャの記述:viewpoint が重要
-- 抽象→具体への変換,関心事の分離
- 要求工学:機能要求,非機能要求,将来要求
-- 外部環境:システムやビジネス環境なども考慮しつつ,ソフトウエアの要求仕様を決める
-- メンテナンス性と実行速度など要求項目(NFR)にはトレードオフの関係がある
- IT開発ライフサイクル
-- Vモデル:上流から下流へ作成し,下流から上流に向けてテストを行う
- 構築手法の選択はリスクヘッジ
-- アプリケーション開発プロジェクトの成功率は28%
-- リスクヘッジ法:プロトタイプ,モデル駆動(自動車などでは使われている)
- 構築手法:ウォーターフォールとアジャイル → 場合によって使い分けするのが多い
- システム開発への要求の変遷
-- QCD(品質,コスト,締切)
-- agility 素早い対応
-- dynamics 実時間対応
- 定量化・測定・評価・見積もり技術
-- アジャイルでは計測はあきらめて,特定のfeatureを期間内に作成する
- 機械学習を使ったコンポーネントをどう組み込むか
-- システム全体については既存の方法どおり
-- データ設計については,今までより重要に
-- 機械学習が適用されるコンポーネントに関するテストプロセスの確立は急務
-- 要求仕様の獲得をどうする
- 機械学習を使った場合の結果の修正:性別に基づくバイアスなどの変更
-- トライアル・アンド・エラーが必要

** ソフトウェア工学屋さんの立場から [#ne64d396]
石川 冬樹 NII

- AIの品質検証の話はソフトウエア工学でも増えている
- 機械学習を用いた場合,変更の影響はどれくらい出るかの質問は増えている
- ソフトウエア工学:複数人で作る,タスクとは要件を満たすこと,エンバグ,後で他人がいじれる,製造物責任の観点
- 機械学習工学の必要性:機械学習はソフトウェアの振る舞いを帰納的に訓練データから得る
-- テストは,入力と出力を検証するという手段が利用できない
-- 同値クラスの扱い:同じデータとみなしてよい範囲
-- カバレッジ:簡単に100%にできるが,それが達成できても意味はない
- 機械学習の工学的扱いについてはほとんど研究がない.ICML2017でやっと1本でてきた.

** データサイエンス系の立場 [#r1613994]
山田 IBM

- データ活用についてコンサルティングの経験
- データとアルゴリズムはn対mの問題 → データもアルゴリズム互いに結合が強くて,簡単な問題に分割しにくい
- 野良AI:メンテされていないAIソフト,互いに一貫性のない反応をする

** 機械学習系 [#sfb06b27]
丸山 PFN

- 見積もりは機械学習ではやってみないとどうしてもできない
- 機械学習の本質的限界:確率的にしか保証できない
- あってはならない解をどう排除するのか? → ポリシーモジュール,事前に処理する
- Alpha GO:ツリーの探索で非合法手は探索しないので,ルールは守れる

** 機械学習系 [#zad8854b]
太田 ブレインパット

- データの管理をどうすべきか
- アクセスが0になっている → 障害だった → このデータを学習するとまずい,キャンペーンの効果など効果の関係が分かっていれば除外できる
-- 有名人によるツイートの効果などは含めていいのか?異常検出などで自動でできるか?

** パネル [#vaf64818]

- 性能評価の基準をはっきりさせてから,それを達成するように取り組む
- 統計の IID 仮定は難しい
- モデルの適用をシステム化する
- 壁:データがない,精度が上がらない,ROIが予測できない,現場に受け入れてもらえない(超えられない壁)
- 学習モデルを更新する部分と,しない部分を事前に分ける

* [4I2-01] 「ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング」 [#tcf81472]
馬場 雪乃1 (1. 京都大学大学院 情報学研究科) 

- スライド: http://yukinobaba.jp/JSAI-2018-human-computation.pdf

- ヒューマン・コンピュテーション:人間と人工知能を組み合わせて一方だけでは解けない問題を解く(人間と機械とどちらが主体になるかで大きく2種類)
-- reCAPCHA:OCRで複数システムで結果が一致しないときに,人間に問い合わせる
-- 視覚障害者援助:モバイルカメラで撮った画像を使った質問(コーンの入った缶はどれか尋ねる)に人間が答える
-- FoldIt:タンパク質の構造予測,エネルギーポテンシャルの低い立体構造を見つけだすのをゲーミフィケーションした.
- クラウドソーシング:多数の人間に依頼する仕組み,インターネットを通じて依頼
-- タスクテンプレート:タスクをしてもらう画面の設計 → タスクを発行
-- タスク一覧に掲載 → 作業者が作業開始
-- 作業完了 → 依頼者は,作業結果を確認し,承認・非承認を決定
- 人間からどうやって正しい答えを引き出すか? 必ず誤りは生じる.能力の多様性.
-- reCAPCHAでの例:正解かどうかを,人間・ボットの判断の認証につかい真剣に答えさせる.既知の問題を答えさせて信用できるかを測る.複数人に依頼して,一致を見る.
- 集団を使った問題解決:AI主役(並列問い合わせ,直列問い合わせ),人間主役(専門家発見,協調支援)
- AIが中心になる問題で,人間に並列に問い合わせる場合
-- 複数人に問い合わせて,回答を統合することで,高精度な回答を得る
-- 各作業者を特徴,タスクを事例として正解を予測する問題として定式化
-- David & Skene:回答者の能力を潜在変数として扱い,EMアルゴリズムで推定
-- Whitehill+:回答者の能力に加えて,問題の難易度も考慮
-- 回答の他に,回答への確信度も尋ねる.確信度の確信度を予測して重み付けして正解にする.
-- 一対比較の回答から,全順序を求める
-- 選択ではない場合:CRPを使う方法
- AIが中心になる問題で,人間に直列に問い合わせる場合
-- 前の人の結果を使って問題を解かせることができる
-- Soylent:校正をする,問題の場所の検出,問題の修正,修正の検証
-- 最初は自力で答えてもらってから,他人と意見が違ったら他人の結果を提示して再考させる
-- TurKontrol:修正の必要性をPOMDPによって判定させる
-- 評価者の能力を考慮にいれて,成果物の品質を予測する
-- 成果物評価の一対比較
- 人間が中心になる問題で,専門家を見つける
-- 専門性がないと解けない,正解が既知の問題を解かせる
-- 個人属性情報を利用
-- 専門家だけが使う検索クエリを手がかりにして,専門家を探す.検索連動型広告にタスクを埋め込む.
-- テストが用意できないとき,専門家しか分からない問題では多数決は適用不能 → 専門家同士では回答が一致しやすいことを利用し,極大一致する集団を専門家と見なす
-- DARPA Network Challenge:他人からの推薦に基づく,問題を解決できそうな人のチェインを作る.このとき,問題を解決した人だけでなく,よい人を推薦した人にもインセンティブを与える.
-- タスクを解決できそうな人に順次依頼する.過去の履歴に基づいて解決できそうかを判断
- 人間が中心になる問題で,協調支援
-- 言語による協調ではスケールしないので,他の方法を探る
-- Turkomatic:ある集団が,問題を細かく分割し,十分に単純な問題にする.これらの問題をまた別の集団が解く
-- 回答者をランダムに動かしつつ,各回答ごとに逐次的に解を変更できる
-- 集団かあらアイデアを集めて,報奨金を出す
-- 遺伝的アルゴリズムの選択を,人間の投票で決める
-- アイデアを見せ合うことで発想を喚起・可視化.一対比較でどちらに似ているかなどを判断させる

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