人工知能学会第30回全国大会†
このページはしましまが人工知能学会全国大会2016に参加してとったメモです.私の主観や勘違いが含まれていたり,私が全く分かってなかったりしていますので,その点を注意してご覧ください.誤りがあれば,指摘してください.
6月6日 (月) 1日目†
1C2-1 画像特徴量を利用したユーザプロファイルの拡張とローカルショップ推薦への応用†
井 源(筑波大学システム情報工学研究科)
延原 肇(筑波大学/システム情報工学研究科/知能機能システム専攻)
横石 圭介(株式会社サイバード)
大東 佑太(筑波大学システム情報工学科知能機能システム専攻)
- 利用者の過去の行動履歴中の画像とFBから得た近所の店舗の画像をマッチングして,似ている店を推薦
- 画像のマッチは SIFT + VoW
- CNN を使ってもあまり改善は見られなかった
1C2-2 深層学習を用いたファッションコーディネート因子の抽出†
堀 和紀(東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻)
坂原 誠(東京工業大学大学院総合理工学研究科)
岡田 将吾(東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻)
新田 克己(東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻)
- 自分の持っている服を入力すると,zozotown の画像を比較し,同じ系統の服を推薦する
- 今までは画像でトップスなどの分類を指定する必要があったが,そのあたりのアノテーションを教師情報としてCNNで自動分類できるように
1C2-3 後処理による独立性強化型推薦システム†
神嶌 敏弘(産業技術総合研究所)
赤穂 昭太郎(産業技術総合研究所)
質問
- 客観的に独立性がないことの検証は可能 → Yes
- 計算量などは → 線形変換だけなので計算量は定数だけ.問題はむしろデータが減ることによる精度面.
- S がバイナリ以外のときは → パラメータを S の線形関数とかに
- S が変わると再学習が必要 → Yes
1C2-4 Beyond Similarity: Serendipitous Music Recommenders†
Sopchoke Sirawit(大阪大学 情報科学研究科)
福井 健一(大阪大学 産業科学研究所)
沼尾 正行(大阪大学 産業科学研究所)
- 人気バイアスを避けて,多様性を確保する
- 一つ目のドメインで似ているものを見つけ,もう一つのドメインであまり関連していないものをピックアップしてくる
- 学習にはILPを使う
1C2-5 Incremental Factorization Machines for Item Recommendation in Data Streams†
北澤 拓也(Graduate School of Information Science and Technology, The University of Tokyo)
- 逐次的なFMを,SGDの更新を正フィードバックに限定することで実現
1L4-OS-09a オーガナイズドセッション「OS-9 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング (1)」†
1L4-OS-09a-1 (OS招待講演)クラウドソーシングが拓く新たな医学知†
荒牧 英治(奈良先端科学技術大学院大学)
- DIPEx-Japan:癌患者さんへのインタビューのアーカイブ
- 倫理申請:患者への説明内容 → 計画は変更できないのでデータ収集次に十分に詰めておく必要
- 大病院の協力があっても標本の大きさは100より少ない → クラウドソーシングを使った大規模データ収集
因果関係の抽出
- 患者が副作用を自然言語で説明
- アレルギーのリスク:「ピアスをしている」などの質問項目のと相関を知りたい
- 仮説に基づく検証が可能に
- オンラインだと回答を動的に変更できる
- 実験群・対照群を創り出す新たな質問項目を自動で作る
1L4-OS-09a-2 クラウドソーシングにおけるインセンティブ設計への多腕バンディットの適用†
伊藤 聡比古(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻)
松原 繁夫(京都大学)
- 金銭以外のインセンティブ:金額を上げても質が向上しない.他者を意識させて向上させる
- どんなインセンティブが有効かを探るためにバンディットを使う
- MTurkを使った実験:単語の方陣に埋もれている単語を見つけ出す
- インセンティブ候補:感謝の表明,信頼の表明,規範の意識付け,順位の表示など → 人によって有効なインセンティブは異なる
- シミュレーションでバンディットの有用性を検証 → 使えそうだ
1L4-OS-09a-3in1 クラウドソーシングによる重要ニュース選択†
高濱 隆輔(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻,JST ERATO 河原林巨大グラフプロジェクト)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
清水 伸幸(ヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN研究所)
藤田 澄男(ヤフー株式会社 Yahoo!JAPAN 研究所)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
- 重要ニュースをキュレータが選んでいるが大変 → クラウドソーシングで事前にフィルタリングしキュレータの負荷軽減
- 公共性(報道)と話題性(芸能記事など)の各カテゴリで多数決で掲載の可否を尋ねる
- 公共性型のニュースの方がワーカの意見が一致しやすく,話題性より掲載すべきと回答する割合が絶対的に高い
- 相対的にどちらを掲載すべきかを選ぶ → 正解率が高かった
- 相対評価の結果を予測するのに有用な特徴を選択させて,機械学習でフィルタリングできるように
1L4-OS-09a-4 経路選択のための予測市場システムの性能に情報の分布が与える影響†
別府 桂介(青山学院大学理工学部経営システム工学科)
野中 朋美(青山学院大学)
水山 元(青山学院大学)
- 予測市場をつかった経路選択:工事など状況の変化に対応できる
- 市場参加者が全ての道路について,同程度の知識があるわけではない → 知識の欠損・程度の差のパターンごとに有効性を検証実験 → うまく選択できているようだ
1L4-OS-09a-5in1 クラウドソーシングによるマルチラベル分類のためのRAkELを用いた品質管理法†
吉村 皐亮(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
- RAkEL:マルチラベルでは個別にラベルの有無を考えるのと,ラベル集合そのものを当てるのとがあるが,これらを組み合わせてラベル間の関連を保存しつつ効率的にラベルを求める方法
- 個々のラベル予測問題にクラウドソーシングを使った → スパムワーカへの耐性を調べた
1L4-OS-09a-6 CrowdR&D: クラウド協働評価のための参加型R&Dプロジェクト情報統合基盤†
神沼 英里(国立遺伝学研究所 生命情報研究センター)
望月 芳樹(理化学研究所 統合生命医科学センター)
藤澤 貴智(国立遺伝学研究所)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
藤山 秋佐夫(国立遺伝学研究所)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
中村 保一(国立遺伝学研究所)
1L5-OS-09b オーガナイズドセッション「OS-9 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング (2)」†
1L5-OS-09b-1 マイクロタスク型クラウドソーシングによるリバーシの試み†
佐々木 優(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)
平木 理恵(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
森嶋 厚行(筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
- チェスチャンピオンとクラウドによる対決
- 多数決で,相談あり,十分な投票時間があればチャンピオンと互角の勝負
- リバーシ:先読みを分担ではなく各自行う + 合法候補手の提示は有効
1L5-OS-09b-2in1 クラウドソーシングを用いたカタカナ文字列の変換について†
寺岡 照彦(ヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN研究所)
坪内 孝太(ヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN研究所)
- 金融システムは古くて,カード明細はカタカナで文字数制限 → 元は何だったのか?
- クラウドソーシングでも難しい → かな漢字変換候補 と Web検索結果の提示
- Web検索+クラウド > かな漢字+クラウド > クラウド単体
1L5-OS-09b-3 クラウドソーシングにおける協調作業の実践と評価†
大谷 直樹(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
中山 愛(神戸大学農学部)
飯尾 英晃(京都大学経営管理大学院)
伊藤 聡比古(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻)
林 冬惠(京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻)
村上 陽平(京都大学学際融合教育研究推進センター)
田中 優子(株式会社クラウドワークス)
- 文書の平易化:専門性の高い文書を読みやすいように書き直す
- タスク:原文の分割 → 分割文書ごとの平易化 → 組合せて全体の文章に
- 単独ワーカが全体をやった方が読みやすい(文の入れ換えなども可能)
- 情報の正確さは複数ワーカの分担の方がよい
1L5-OS-09b-4in1 一対比較を用いたクラウドソーシングの成果物品質推定法†
砂長谷 健(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
- デザイン案など評価が難しい → 一対比較による評価を統合して評価
- 一対比較によるHITS:成果物がハブで,オーソリティが評価ワーカ
- 一対比較なので,単独のスコアの代わりに,未知の評価値の差を考えるが,方程式として解ける
- 今年でOSは4年目,平均10件ぐらいの発表,アカデミアがほとんどだが企業の発表もいつもある
6月7日 (火) 2日目†
2A2 基調講演:人工知能とゲーム理論†
横尾 真 氏(九州大学大学院システム情報科学研究院 主幹教授)
ゲーム理論
- マルチエージェントシステム:複数の自律的主体の相互作用に注目 → エージェント間の合意形成をゲーム理論で扱う
- フォンノイマン と モルゲンシュタイン:社会現象を戦略や利得で記述した数理的なゲームとして扱う
- 数学ではあるが応用数学なのでそれほど抽象的ではない
- ゲーム理論によるエージェントの分析:中央集権的ではない,全体の効用はない,エージェントは博愛的ではない
- プレイヤは合理的な戦略に従い,一貫性のある選好・効用を最大化 → 人間では当てはまらないこともある仮定だが,エージェントとしては妥当
- ゲーム理論は言語のようなもので,経済と計算機の分野の相互理解にとって重要
- AI分野は共通の価値規準ごとに細分化していて,その規準を理解している必要
- ゲーム理論 AAmASで30%,AAAI2016=9% ぐらいのシェア
- シングルエージェントとゲーム理論:学習においてサンプルデータの一部を操作,最適化問題で決定変数の一部が他者の行動によって決まる
- 伝統的にはミクロ経済学:経済活動を説明するための理論 → 工学観点からは新しいマーケットを設計するための理論
- マーケットデザイン:経済学の知見を利用して現実の経済制度の修正・設計を行う,,シャプレイなどが始める,ネット広告などが代表
- 分野のコミュニティに入るには → ワークショップに参加して,質疑にも積極的に参加しよう
入札
- よくある入札:最も高額をつけた人が落札し,その金額を払う → 他者の入札額を事前に知ることが利益になる
- Vickrey入札:最高値の入札者が,2番目に高い入札額を払う
- 自分の払う医師のある最大額を入札することが最適な戦略になる
- 形式的に 正直に入札したときの効用 ≧ 他の値を入札したときの効用 が成立
- 全員が自発的に正直に行動し,社会的に望ましい結果=社会的余剰の総和
- 実際には分かりにくいところがありあまり使われなかった → 検索連動型広告
- 検索連動型広告
- 検索キーワードに対して入札額を設定,入札額の高い順に広告を閲覧者に提示 → 関心のある閲覧者に絞った広告が可能,クリックした(実際に利益があった)ときにのみ広告料を払えばよい
- 広告料の設定
- 初期は広告主自身の入札額を支払う → ダミーの検索を行って入札額を変化させる行為が蔓延
- k 番目のスロットを得た k+1 番目の入札額を支払うようにすると価格が安定
- 教訓:人間の取引では表面化しなかった問題も,エージェント間の取引では問題を生じることがあり,Vickrey入札のような合理的なメカニズムが必要
- Vickrey-Clarke-Groes (VCG) メカニズム
- 迷惑料:自分が参加しなかった場合の社会的余剰 - 自分が参加した場合の自分以外の社会的余剰
- 落札者はこの迷惑料を支払う
- 迷惑料・支払量は操作できる? → ダミー参加者を追加すれば迷惑料の第2項を大きくして自分の支払額を小さくできる
- VCGで架空名義操作を考えた人はいなくて,これがこの分野を研究するきっかけになった → 分野の新規参入組のビギナーズラックだった
両方向マッチング
- 安定結婚問題
- 相手の選択の嗜好順位の逆転が,ペアの交換で解消しうる不安定な状態がないペア作り
- deferred acceptanceメカニズム(Gale & Shapley)
- 女性が第一希望の男性にプロポーズ → 男性はプロポーズされた中から一番の人を選び婚約中に → 相手がいない女性は次に希望する男性にプロポーズ → 男性は現在婚約者がいてもプロポーズされた女性の中から最上位の女性と婚約 → 相手がいない女性がいなくなったら終了
- 女性にとって正直に申告することが最良の戦略
- もし選好の状態はかわりうるのでは?(一人だけプロポーズしてきてくれたら選好は変わるのでは?)
- 真実を知りたい場合には,それがまずいものでも受け入れる覚悟が必要
- 多対一マッチング:研究室配属
- ボストン方式:学生は第n希望までを申告,成績順に上位から優先的に研究室に配属,全部の定員が埋まるまで学生の次の希望に配属を反復
- 自分より成績が上位の学生の動向を読み合うことになる → DAアルゴリズムにしたら読みあいが複雑で破綻するので正直に申告するだろう
- 最低保障付きにすることがDAではできないと知る → 困ったので自分で作った
- 安定性の制約をはずすアルゴリズムを開拓できたのは新規参入組ならではだった
ミクロ経済学 と 人工知能のコラボレーション
- ゲーム理論という「言葉」がなければ意思疎通できなかった
- 気質の違い:経済学では,数学的な部分に関心があり解の存在に興味,組合せ爆発で実際に計算できなくてもOK
- マーケットデザインでは実現可能性が困る
- AIはもともと「なんでも屋」さんなので,いろいろな分野に参画できる
2L3-OS-26a オーガナイズドセッション「OS-26 知の身体性 (1)」†
趣旨説明
2L3-OS-26a-1 (OS招待講演)脳卒中経験とマイケル・ポランニーの暗黙知・身体理論†
大和 雅之(東京女子医科大学先端生命医科学研究所,東京女子医科大学先端生命医科学研究所,東京女子医科大学先端生命医科学研究所,東京女子医科大学先端生命医科学研究所,東京女子医科大学先端生命医科学研究所,東京女子医科大学先端生命医科学研究所)
- 暗黙知:経営学でも知られているが,ここでは認知の根幹にある概念と位置づける
- マイケル・ポランニー:20世紀初頭,物理化学,化学反応の遷移状態理論
- どうやって科学的な発想ができるのか → 暗黙知に基づく哲学
- 「精神は身体の意味である」
- 文字という記号と意味は元々関係ないが,それを関係づけて認知する from-to relation
- 車で狭いところを通るとき肩をすぼめることがある → 精神と体は不可分と考える(思考とは別に,身体が動作しているから??)
- vs 心身二元論:精神が体を制御するという考え
- 脳の損傷に伴う他の部位での代替できる → 単純な機能の局所性では説明できない
- 中央制御型のようなではなく,ブルックスのサブサンプションのような分散処理型の方がプランニーの考えに近いと考える
2L3-OS-26a-2 身体相互行為における参与の多重性†
坂井田 瑠衣(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科,日本学術振興会)
諏訪 正樹(慶應義塾大学環境情報学部)
- 社会的相互行為の身体性:お互いに身体を観測できることが重要(観察可能性)
- 社会的相互行為の多重性:同一人物が同時に複数の役割をになう場合
- 話し手は著者,発表者,内容の責任者といった役割 ← この役割は話し手単独ではなく,聞き手の対応によっても選択されている
- 聞き手にも参与して聞いている人と,横にいて傍聴している人などがいる
- 傍聴者に言及することで,その傍聴者が参与者に変わること → 身体がそこにないと生じない事例である
- 社会的相互行為を多重性によって記述する
2L3-OS-26a-3 重力変化への過渡応答に対する知と生態応答の対比†
長谷川 克也(宇宙航空研究開発機構)
跡見 綾(東京農工大学 工学府 応用化学専攻)
跡見 友章(帝京科学大学医療科学部理学療法学科)
田中 和哉(帝京科学大学医療科学部理学療法学科)
清水 美穂(東京農工大学工学部材料健康科学講座)
跡見 順子(東京農工大学工学部材料健康科学講座)
- 生物は重力に影響されるが,地上の数パーセントの差には反応しない → 無重力だとそうはいかない
- 重力変化における過渡応答:滑ったときなどとして経験されており危機対応する
- ネコ・ネズミは落下に対する防御応答で手を広げる → 赤ん坊を高い高いしたときも同じ反応をする
- 成人はどこかに捕まるなど別の防御応答をする.
- 生命危機に人間は知で対応 → 原始的な防御対応を知が抑えるかを今後は調べたい
2L3-OS-26a-4 身体運動イメージに関する共感覚的音象徴†
篠原 和子(東京農工大学・工学研究院)
田中 秀幸(東京農工大学・工学研究院)
山内 直人(国士舘大学・体育学部・武道学科)
- スポーツで「ガッとかけろ」などオノマトペを利用した微妙な感覚を伝達
- 音象徴 (sound symbolism):オノマトペなど音の影響.ガンダムは強そうだが,カンタムは弱そう.
- ソシュールの言語の概念とは対立 ← 音声・音素がそれ自体で意味を持つ
- 研究が2000年以降増加
- スポーツで使われるオノマトペ
- 音声の表象と運動の表象の対応があるが,これを結び付けているメカニズムを明らかにしたい
- スポーツコーチへのインタビュー
- 語頭の子音:有声阻害音 bdgz は運動を大きく,無性阻害音では小さく → 既存の言語学の知見と一致
- 既存の研究
- Sapir 1929:大きな机と小さな机 と mil / mal だとほとんど小さい方をmilとする → 静止画で選択肢を示して,対立的に見せている
- 架空の語彙体系を作るときに,手の動作を表す単語を作ってください などと要求する
- 形,大きさ,速さなどに音素の種類の対応に関する既存仮説の検証
- 鋭く手を動かす画像と,丸く動かす画像それぞれに名前を付ける → 形状は既存どおり,大きさはmix,速さもmix
- 音象徴が身体運動を媒介として理解されているのではと,我々は仮説を立てている
2L3-OS-26a-5 身体バランスの不安定性における自己認知的側面から身体性の神経基盤を考える†
跡見 友章(帝京科学大学医療科学部理学療法学科,首都大学東京大学院人間健康科学研究科フロンティアヘルスサイエンス系脳機能解析科学専攻)
則内 まどか(首都大学東京大学院人間健康科学研究科フロンティアヘルスサイエンス学域脳機能解析科学分野)
大場 健太郎(東北大学東北メディカル・メガバンク機構地域医療支援部門脳画像解析医学分野)
跡見 順子(東京農工大学工学府材料健康科学講座,セルツーボディダイナミクス・ラボ)
菊池 吉晃(首都大学東京大学院人間健康科学研究科フロンティアヘルスサイエンス学域脳機能解析科学専攻)
- 「自己」とは:autobiographical(自伝的), core, proto(感覚情報) の階層で説明
- 不安定な人を制御するには?
- 人は,狭い面積に高く積み上げた物理的に不安定なもの
- 感覚を入力とし,脊髄・脳で制御し,筋肉制御などの出力
- 感覚と身体的行動の対応付け
- 不安定なバランスボード,自分が体験した動画と,他者が体験した動画を見る
- 反応を部位の差を調べた → 自分のものを見ると有意に違うところがあるが,他者は特異的な反応はない
- 自分の画像に反応した部位:島皮質,前提感覚関連領域,前前頭前野
- core-proto の自己は,これらの部位の連携と関連付けて説明できるのでは?
- 脳卒中などで,自分の手を自分の手と認知できなくなる事例
2L3-OS-26a-6 Mental time of participants during conversations supported by coimagination method with expedition†
Khoo Er Sin(千葉大学大学院工学研究科人工システム科学専攻)
大武 美保子(千葉大学)
- coimagination:お互いに質問しあって,答え合うような状況
- expedition:新たな体験 → エピソード記憶を使うのでは?
- 心理的時間の分類:動詞や時間と関連する名詞によって過去,現在,未来に分類
- Takasus集合住宅:居住者と訪問者の混在グループ
- 同じ文でも心理的にどの時間帯に分類するのかは,訪問者・居住者で違う
2J4-OS-08a オーガナイズドセッション「OS-8 コミック工学とAI (1)」†
趣旨説明
- コミック工学:メディア横断型(言語:セリフ,画像:絵・効果線,音:オノマトペ)の処理技術をコミックの処理に活かす
- 画像処理,HCI,言語処理,DB 技術を統合利用
- 2013年からHCGシンポで3年,今年はAI学会全国大会で開催
- International Comic Computing:ACIS2016のスペシャルセッション,タイ・クラビ
- ICPR2016のスペシャルセッション,メキシコ・カンクン
2J4-OS-08a-1 (OS招待講演)マンガとディジタル技術からAIへ†
木野 陽(フリー)
- 漫画家,筑波大学で都市計画を学ぶ,代表作:飛ぶ東京 ホームカミング で新人賞(さすが,プレゼン資料にイラストいっぱい)
- マンガ作りのしくみと現状
- 企画 → ネーム → 作画 → 編集・校正 → 印刷・製本 → 販売・宣伝
- 作家・作品によって得意な技術は違うので,表現は異なる
- 個人的には背景が丁寧で,構図や質感を重視,吹き出し内の言葉は音がおおい
「銀河鉄道の夜」のコミカライズの例
- 企画
- 時代背景がわからない,主人公の少年は名前以外は記述がない,手に入る銀河鉄道の夜関連作品は全部読んだ
- 資料検索,マンガは「調べもの」でできている → 作品内では一貫するように資料を選択
- ネーム
- ラフスケッチ → ネーム(初稿)→ 編集者と相談して修正 → ネーム(最終稿)
- 作画
- 紙,ペン,トレス台で書く → スキャンして仕上げ(最近はリモートでアシスタントさんに頼める)
- マンガは多くのパーツの集合体:グラデーション,柄トーン,テキスト吹き出し,べタ → レイヤーに分ける(数10〜100 レイヤー)
- 素直に読めるように配置,2ページごとの区切りを利用する → 文字の方向を使って視線を誘導するなど
- 吹き出しは楕円ではなく,四角にちょっとちかい
- 吹き出しをコマからはみ出すかどうかで印象を変える
- 作者の技術に依存している → コンピュータのアシストはまだまだ
- コンピュータが効いているところ
- 3D モデルで構図をいろいろ検討できる(パラメータで制御するのはちょとと難しい)
- UNDO 機能はとても有用
- 書き上がったら:原稿をサーバにアップロード,自身のSNSなどでアナウンス
- 紙とコンピュータ環境を何度も行き来している
- マンガの特性:制作の規模が小さくてもいいぐらいコストが安い → 表現方法としてもっと普及して欲しい
人工知能で漫画は書けるか?
- デジタル技術で品質を下げずにコスト減
- マンガ制作ソフト:素材集(スクリーントーン,オブジェクト,コマ割り)
-- コマ割りが直感的に作れないか?キャラごとにトーンなどをデフォルトで貼ってくれたり
- 過去研究管理,原稿と資料の関係管理,素材DB,画像解像度のアップコンバート
- 読む支援:マンガの内容検索
- マンガを書ける人工知能があったら,いっしょに仕事をしたい
2J4-OS-08a-2 日本語学習支援を目的とした漫画の台詞の難度の判定†
西原 陽子(立命館大学情報理工学部)
SHAN Junjie(立命館大学大学院情報理工学研究科)
山西 良典(立命館大学情報理工学部メディア情報学科)
福本 淳一(立命館大学情報理工学部メディア情報学科)
- 日本語を学ぶ海外の人に推薦するマンガを選ぶ
- アニメで日本語を知る人は多い → 声優さんの発話は訓練されて明瞭
- マンガも生活習慣と一緒に記述されている
- 家に入るときに「こんにちは」と言いながら入る←コマの状況が,言葉ではなく絵として理解できる必要
- 日本語能力試験 http://www.jlpt.jp ,L1 難 〜 L4 易
- Manga 109 で提供されているマンガのテキストデータ(ラブひな,はるかリフレイン,ベルモンド)と能力試験の読解文
- マンガの吹き出しの難度評価 → 単語・表現を L1〜4 の分類に割り当てて,能力試験の問題と比較
- カタカナ語の難度が規定されていない → 難度判定のときに障害となる
- 質問:日本語をマンガで学んだ経験からすると,オノマトペなどが辞書に載っていない問題
- (赤ちゃんおんぶで発表)
2J4-OS-08a-3 コマの持つ属性を用いたマンガのシーン自動抽出†
久行 智恵(筑波大学情報学群情報メディア創成学類)
三原 鉄也(筑波大学図書館情報メディア研究科)
永森 光晴(筑波大学図書館情報メディア系)
杉本 重雄(筑波大学図書館情報メディア系)
- マンガのシーンの自動抽出:検索などに利用
- シーンの区切りの特徴として見つけたもの:ページの1コマ目,細長いコマ,背景描写しかない
- コマの座標値,コマ数などの特徴量から,SVM でシーン転換を予測
- 正解の区切りが難しい:著者と読者で比べて,著者の方が多く,誰もが一致する区切りは少ない → 数コマの前後を許した複数人のアノテーションの集約
- アノテーションの量を減らしたい → 同一シリーズ・同一著者ならシーンの区切り目は安定しているので,これらを対象とした
- 結果:偽正が多い
- http://crowd4u.org/ja/projects でアノテーションを手伝って下さいとのこと
2J4-OS-08a-4 レビューに基づくコミック探索システムの評価†
朴 炳宣(関西大学/総合情報学部総合情報学科)
山下 諒(関西大学大学院総合情報学研究科)
松下 光範(関西大学総合情報学部総合情報学科)
- 課題:タグなどのアノテーションの一致で検索するだけで,内容で検索できない
- レビュー文にトピックモデルを適用して求めたトピックを閲覧できるインターフェース
- トピックモデルの超パラメータを検索にとっての主観的有用性に基づいて設定した
2L5-1in2 ES-SVMの解空間の解析†
川端 大貴(東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)
市川 寛子(東京理科大学理工学部教養)
永田 賢二(東京大学 大学院新領域創成科学研究科,JSTさきがけ研究員)
永福 智志(富山大学 医学薬学研究部)
田村 了以(富山大学 医学薬学研究部)
岡田 真人(東京大学新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)
- lassoによる近似解ではなく,全探索による評価を行った → lasso精度の評価
- 近似アルゴリズムによって,選択される特徴の集合が大きく違ってしまう
- ES-SVM:全ての特徴の組合せについてSVMを実行
- 全探索すると最適解になる組合せは幾つもあるが,そのうちlassoはどの解を選んでいるのか?
- 問題によって最適解の分布はことなり,クラスタ構造がある
- lassoは最適解はそのピーク近くにない場合がありうる
2L5-2in2 潜在空間上での人の動作識別に基づくロボットの動作生成への取り組み†
大山 まりほ(お茶の水女子大学理学部情報科学科)
小林 一郎(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科理学専攻情報科学コース)
- 人の動作の系列をkinectで取得 → 潜在変数GPで次元削減
- 射影した空間の発生率を最大化するようにGPの超パラメータを学習することを定数回繰り返す
- 収束判定ができないので,多層パーセプトロンと組み合わせて収束判定ができるように
- さらにマルチタスク学習的に共有する部分空間を考えるモデルの改良
- 獲得したモデルで実際にロボットを動作させた
8 2L5-3 ILPを用いた人狼ゲームにおける被襲撃・処刑者の傾向分析†
西崎 絵麻(日本大学文理学部)
尾崎 知伸(日本大学文理学部情報科学科)
- 人狼ゲーム:不完全情報ゲーム,チームが情報を隠した人と人狼に分かれて行う.毎日処刑する人を決め除外し,その後人狼チームは誰かを襲う.人狼が全て処刑されると人間の勝ち,人狼の数が人間と同数以上に人狼の勝ち,その他,騎士や占い師などの職業がある.
- 誰を処刑するかの相談の行動を分析
- 行動ログには欠損があり,また集合で表される属性があり命題論理で記述しにくい → ILPを適用
- 人狼チームの身内切りなどの行為があった
2L5-4 クラスタリングを用いたクラシファイアシステムの改良†
林田 智弘(広島大学大学院工学研究院)
西崎 一郎(広島大学大学院工学研究院)
関崎 真也(広島大学大学院工学研究院)
- クラシファイアシステム:if-thenルールの集合体
- 行動に対して環境から状態と報酬を受け取る枠組み.強化学習の元になった.
- 迷路問題:POMDPのベンチマーク,周囲が壁かどうかが知らされ,ゴールをめざす.
- 局所的には環境は全く同じだが,ゴールを目指す行動は違う場合がある
- ACSM:内部状態を備えることで,同じ環境で違う行動ができるようになる → 無駄に内部状態が増えすぎて計算量的な問題
- スペクトラルクラスタリングにより内部変数をまとめることで効率化
2L5-5in2 制約付き系列ラベリングの高速解法†
竹内 文登(北海道大学大学院情報科学研究科)
西野 正彬(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
安田 宜仁(北海道大学大学院情報科学研究科)
湊 真一(北海道大学 大学院 情報科学研究科)
- 系列ラベリング問題:自然言語処理,音声認識,遺伝子分析など,系列中の各要素に適切なラベルを付与
- ラベル付けに対して制約があると解くのが大変
- 制約付きの最長経路を求める問題に変換
- 辺の制約が同じもので,辺の長さが最長のもののみを記憶してゆく
6月8日 (水) 3日目†
特別講演:グランドチャレンジの彼方へ†
北野 宏明(ソニーコンピューターサイエンス研究所 代表取締役社長、所長)
Think Extreme
RoboCup
- 2050年までに,完全自立型ヒューマノイドロボットのチームで,FIFAワールドカップのチャンピオンチームに勝利する
- Apollo計画
- 月に行くだけでなく,宇宙における国益,月における科学調査,人の月における活動などの
- いきなり月にいくだけでなく,ステップを踏んでいる
- ビジョン,到達できる理論,手段としてのサターン5,運営環境
- RoboCupの出口戦略から必要な技術ファクターを抽出
- 出口:ITS, 救助 などのロボット ← 必要な技術:自律エージェント,実時間世界認識・行動など ← 観点:チェスとの比較で,動的環境,実時間,分散管理
- 必要となる技術ファクターを含むタスク設定で,関心を持ってもらえるものとしてサッカーを選んだ
- 次期の設定
- 最初は21世紀後半 → 正月にTV番組で立花さんと対談したら50年までにすることにされてしまった
- 第1回 RoboCup (1997)
- コート狭い,壁がないとボールがどこかにすぐにいってしまう,照明固定,認識しやすいように色をはっきり
- 非常に環境変化に弱い,動かないマシンもいっぱいある → ひどい状態だけど,グランドチャレンジの最初はこんなもの
- 2014年
- 壁もないし,転がるだけでなく,浮いたパスがだせる
- 人間がラジコンでコントロールするとボールに触れない
- 継続することが重要
- KIVAシステム:スモール部門で5連勝したコーネル大の人が作った倉庫管理のロボット会社 → 今はAmazon傘下
- RoboCupの成果が他分野に広まった事例
- 中央制御じゃなくて分散自律制御
ERATO北野共生システムプロジェクト
- システムバイオロジーとロボット
- ZMP など7社の設立に関連
- PepperのアルデバランもRoboCup と関連
- ZMP:Pino 秋葉原で買える部品で作れて,設計図は公開
- 一応歩ける程度のレベルだったが,オープンにしたことで,いろいろ
- 宇多田ヒカルのPVにpinoが出たときの逸話.再来週までに大きいのを作れとかいわれた
- 想定していなかった自律走行車などに技術が使われるようになった
- RoboCup Rescue:RoboCup の災害救助版
- 2001年のテロのときに実際に投入,福島第1でも関連ロボットを投入
- Cup の冠にルイビトンをつけてもらうときの逸話
- 「旅」がテーマになってないとスポンサーになれないと言われたら,適当に人類の旅であるとかふっかけてみた
途上国での問題
- 電力事情の調査を兼ねた,ワールドカップの野外TV設置
- 太陽電池とLED電灯の設置
- OIST の職員宿舎での,グリッドを組んで,各家屋の電力を分散処理で安定供給
知能は進化の副産物:生命を理解しなければ知能の本質は理解できない
- 細胞の老化現象:細胞の分裂には限界がある
- 既存理論では,観測される事象を説明できない
- いろいろな仮説の組み合わせで何が生じるかを絞りたい
- 細胞のシミュレータを作って,有力な仮説の組合せを選ぶことができた
- 仮説は実験でも一部は確認され,他も確認されつつある
- 問題設定から臨床治験にはいるまで20年かかるが,仮説をつくったりするソフトや,実験を自動化するロボットが必要
- GARUDA:プロセスの各段階を繋ぐための規格
- グランドチャレンジ:ノーベル賞級の発見をできる人工知能を作る
- 科学発見のプロセスは進化してない.カンや思いつきに依存したまま → もっとプロセスの合理化が必要
- 論文をフォローしきれない → 多くの知識をまとめるのにAI技術を用いないのは不合理
- 課題
- バイオ論文をコンピュータに解釈するには,多くの背景知識が必要
- 逆の結果が出ている論文があるが,一方を間違いとしてよいか,特殊な条件での発見か?
- 間違いなくコミュニケーションをとるためには工夫が必要 → 知識の表象に自然言語を使っている制限
- 人間の認知バイアス:分野によって語彙の意味するところは異なる
- Asking Right Questons:リソースに制限がある場合には重要なこと
- リソースの制限がなくなれば,この制限はなくなり,より科学を発展させることができる
- 人工知能:知識を生み出す道具
3H3-OS-17a オーガナイズドセッション「OS-17 WEB上の非言語表現・行動に関する研究分野創立に向けて (1)」†
趣旨説明
- 顔文字などを抽出したり意味解釈したりという研究は多数
- 顔文字の抽出,分析,推薦が既存であるが生成や辞書作成
3H3-OS-17a-1 言語解析のための大規模顔文字辞書†
奥村 紀之(明石工業高等専門学校電気情報工学科)
- 日本のコミュニケーションはハイコンテクスト → コンテキストを読み誤るとまずい → 顔文字はコンテキストの記述の役割を果たしていると考えている
- 顔文字:米 500,日本 7万,unicodeを利用 数万
- 部分に分解して体系化しないと意味を扱えない(例:# は怒りと関係)
- 原型を定義して,その発展としていろいろな顔文字を定義する
- 原型:目の情報は必須,その他いろいろなルールベース
3H3-OS-17a-2 ユーザの顔文字選択のプロセスからみた顔文字推薦手法の検討†
卜部 有記(フリー)
ジェプカ ラファウ(北海道大学大学院情報科学研究科)
荒木 健治(北海道大学大学院情報科学研究科)
- 顔文字の利用の困難:入力は複雑,推薦も多すぎる
- 感情語DBに基づく感情推定のマッチの度合いを,過去の使用頻度によるランキングのタイブレイクに用いる
3H3-OS-17a-3 性別推定を利用した親しみやすいツイートへの言い換え†
著者 武田 直人(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)
佐藤 朋美(筑波大学情報学群知識情報・図書館学類)
関 洋平(筑波大学 図書館情報メディア系)
- 広告ツイートで対象とする利用者にとって親しみやすいツイートに変換
- 変換はルールベース:対応コーパスから対応関係をみて生成
- ターゲットの個人属性であるかは,コーパスからSVMで識別器を構成して,この識別器で言い換えの効果を検証
3H3-OS-17a-4 Twitterにおける顔文字を用いた感情分析の検討†
風間 一洋(和歌山大学システム工学部)
水木 栄(株式会社ホットリンク 開発本部)
榊 剛史(株式会社 ホットリンク,東京大学 工学系研究科)
- 顔文字領域抽出:Unicodeカテゴリなどの情報を用いたルールベースのアノテーションなし
- コーパスからの学習では既存の文字しか扱えない → 表層的・意味的に類似しているものを選ぶ事例ベース推論
- 表層的類似度:顔文字と顔文字を分解した文字のnグラム頻度行列をNMFで低次元射影してその空間で類似度を測る
- 意味的類似度:word2vecによるベクトルによる意味表現での類似度
3E4-1 神経パルス信号と高次可塑性を用いた深層学習システムの構築†
小西 創(神戸大学大学院 システム情報学研究科 計算科学専攻)
松原 崇(神戸大学 大学院システム情報学研究科 計算科学専攻)
上原 邦昭(神戸大学 大学院システム情報学研究科)
- スパイキングネット:ハード実装が容易 → 学習アルゴリズムの研究はすすんでいない
- RBM をの発火がスパイク状になっていて,スパイクに応じて更新される
- スパイクの順序の入れ換えが学習結果に依存してしまう → 正負のスパイクの順序が入れ替わっても重みが対称に学習されるように工夫
3E4-2in2 LSTM, GRU の動作性能評価†
浅川 伸一(東京女子大学情報処理センター)
- GRU:内部状態が一つのネット,内部状態の更新と,内部状態の伝達の二つのゲート
- LSTMの元入力,再帰入力,内部状態からのピープホールからの入力を並列に入力するが,垂直に並べてみた → あまり性能は向上しなかった
3E4-3 An Online Self-constructive Locally Updated Normalized Gaussian Network with Localized Splitting†
バックフース ヤナ(北海道大学大学院情報科学研究科情報理工学専攻)
瀧川 一学(北海道大学情報科学研究科情報理工学専攻)
今井 英幸(北海道大学情報科学研究科情報理工学専攻)
工藤 峰一(北海道大学情報科学研究科情報理工学専攻)
杉本 雅則(北海道大学大学院情報科学研究科情報理工学専攻)
- RBF ににた Normalized Gaussian Net (NGnet):低次元射影とガウス分布密度関数をかけて和をとる,正規化が入る部分が違う
- 新たなノードを動的に生成する規準を,局所的に判定することで性能を向上
金田 祐也(会津大学)
趙 強福(会津大学)
- エージェントを運用するために ← 小型の学習アルゴリズム DBM を開発
- DBMの学習をオンラインにする
- DBM:SVMのような高度なアルゴリズムの判定結果を訓練データとして多層パーセプトロンのような軽量モデルを学習
- オンライン更新をするときに,ガイドデータとよぶ類似教示信号も同時に利用
3E4-5 ディープラーニングに基づくドローン飛行エリアの推定†
浜中 雅俊(京都大学)
塩見 英樹(データ未来研究センター)
小田 雄一(データ未来研究センター)
- ドローンの問題
- 良く落ちる,ペイロードが小さい → 飛行機並みのドローンを作りたい
- 電池も小さい,船と同じで右方優先でその間待機 → ドローンのハイウェイ構想:効率的に地域を網羅できる経路群
- ビルの谷間や山岳地帯でGPSで現在地の把握ができない → レーザーレンジセンサーで地上を計測し,地図とのマッチングをとる
- 今回は3番目の問題:100次元分のレンジセンサーデータと地図とのマッチングは大変 → DBN を用いて対応する
- マッチングが領域の付近だと誤分類が多いので,重複マージンをとることで改善
6月9日 (木) 4日目†
4J1-1 好みの時間的変化を考慮した推薦に関する研究†
犬塚 健太(明治大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻)
高木 友博(明治大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻)
- 利用者の好みの変遷を利用した推薦
- 行列分解とカルマンフィルタの組合せ
4J1-2 食料品小売業の購買傾向に基づく商品推薦指標の提案と評価†
園田 隆志(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
佐藤 政寛(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
出雲 英剛(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
- 繰り返し購入が起きる食料品小売業などでは,従来の新規性指標は有効ではない
- 最も買われるアイテムは1年間に平均25個買われる(平均購入数をアイテムの愛好性)
- 定常的に買われる ⇔ 不定期に買われる と 人気アイテム ⇔ ニッチアイテム の2軸を考えたとき,不定期+人気 アイテムから推薦すべき
- こうしたアイテムのチラシをまいて1週間後に若干の増加が見られた
4J1-3 人気に対して中立な推薦のための類似度関数の評価†
石岡 卓也(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)
- [Salganik+ 06] 人気ランキングの影響を音楽サイトで実験
- アイテムベースの推薦でどの類似度を用いたときに人気バイアスがキャンセルされやすいか
4J1-4 商品間の代替性を考慮した推薦手法の提案†
出雲 英剛(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
佐藤 政寛(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
園田 隆志(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
- 商品購入に影響を与える要因に嗜好,値下げ度,商品の代替性を考える
- 商品の代替性:ビールと日本酒のように代わりのものになっているかどうか → 代わりのものがあるときは,対象商品を買う可能性が下がる
- 以上の過程のもと連立方程式を解くと代替商品へのなりやすさを計算できる
- 価格のみから予測した購入率に比べて,代替度を考慮するとより正確に購入率の予測ができた
- 嗜好度と値下げ応答の個人化が課題
- 代替性の高いものを限られたスペースで推薦してしまわないようにという動機
4J1-5 利用者の評価基準に合致した文章推薦システムの構築†
秦野 智博(千葉大学人文社会科学研究科総合文化研究専攻)
- 他人にレビューなどは本当に内容を反映してるかどうかは保証されない → 個人化したレビュー文を提示する
- 作品から特徴を抽出し,利用者が入力した要望に応じてレビュー文を生成
- ネタばれの度合いやジャンルなどの要因を考慮したテンプレートを使う
招待講演:†
馬場 功淳(株式会社コロプラ 代表取締役社長)
コロプラ (colopl) 会社紹介
- 博士課程は画像系
- 在学中に学資がなかったのでiアプリ制作のバイトをしていて,中退してこちらの道に → GREEに入社 → 2003年「コロニーな生活」を個人で運営
- 2008に一人で独立,2015年100%子会社を設立,従業員1000人を超えた,売上850億
- スマホの開発体制としては協力,数値解析を活用,効果的なプロモーション
- VRを最近は手がけている(すでに100億規模の投資,VRがあたれば儲かるポジションを確保)
インタビュー
- 博士を休学したとき研究室に置いていたホームページのサーバを自宅に持ってきた → 「コロニーな生活」を作ったきっかけ
- コロニーな生活:Ⅰゲーム,移動がゲーム内通貨がたまって,いろいろできる
- 開発や改良はユーザのと対話
- 企業の理由:別の仕事があって,自分でも事業をすると寝る時間がなくなった
質問
- 人工知能:人工知能にも知識ベースや機械学習などいろいろなものがあり,自社としてのターゲットがはっきりできない状態.Googleほどの規模がないので,投資に対してリターンは見合わない
- AR:自分が生きてる間に画像認識で人間レベルの視覚は実現できないことがネックと考えている.
- エンジニア社長の利点:技術面でだまされない.マーケティングなどそれぞれの専門から社長になっている人がいるが,それぞれの専門にはその専門でかなわない.
Closing Remarks†
松原仁(学会会長)
- 700件の発表,去年1200人参加→今年1500人
- 11/11日に30周年記念
- 2017年は5月の末に名古屋で
- 来年ブームはどうなってるか分かりませんが着実に研究
4H4-1 Grouped Bayesian Network: より細かな独立性を考慮した確率モデリング†
石畠 正和(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
岩田 具治(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
- Grouped Bayesian Network:普通のBNより細かな独立性を表現可能
- ノードの間に辺を作る代わりにノードのグループに辺を作る
- Context-Specific independence (CSI):X1 が特定の値 v をとるとき X2 と X3 は条件付き独立だが,v 以外では独立ではない
- BN の条件付き確率表 (CPT):普通の条件付き確率ではX1が同じ値をとるときは全部確率が同じだが,CSIの表の値は変数の値に依存するようになる
- CSIの一般化:CPTのどのセルのパラメータを共有するかどうかを任意にする
- partial exchangablity (PE):条件付きの部分ではなく,独立になる変数の方で CPTのパラメータを共有
- 共有する変数をグループ化して,共通のCPTを使う → Grouped BN
4H4-2in2 Gaussian-Bernoulli RBMにおける最尤学習を効率化する直交制約†
唐木田 亮(東京大学新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)
岡田 真人(東京大学新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)
甘利 俊一(理研BSI)
- 観測=ガウス,隠れ=ベルヌーイのRBM
- 層の間の重み行列 W が D A のように低ランク近似できるときに,勾配が解析的に計算できて
4H4-3 ベイジアンネットワーク学習手法PBIL-RSのGPUによる高速化†
森 隆史(和歌山大学大学院 システム工学研究科 システム工学専攻)
山中 優馬(和歌山大学大学院 システム工学研究科 システム工学専攻)
藤木 生聖(和歌山大学大学院 システム工学研究科 システム工学専攻)
吉廣 卓哉(和歌山大学 システム工学部 情報通信システム学科)
- Population-Based Incremental Learning (PBIL):逐次的な学習で,モデルのスコアを計算し,徐々にBNの構造の候補を絞り込んでいく → スコア計算をGPUで高速化
- GPUのコアレスアクセス:主メモリで連続した領域を読み込むと効率的 → 活用できるように工夫
- カウンタの大きさが共有メモリに収まるかどうかで場合分けして議論
4H4-4in1 マルコフ確率場モデルを用いたベイズ画像解析に対する平均操作の影響†
坂本 浩隆(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻)
中西(大野) 義典(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系,日本学術振興会特別研究員)
岡田 真人(東京大学新領域創成科学研究科複雑理工学専攻)
- ノイズに対して画像を修復するには,元画像の性質を取り込んだフィルタを用いると有用
- 天体観測,合金の結晶構造,生体の組織 → 拡散方程式の0次近似は線形関数
- 方程式のパラメータはMRFの超パラメータと対応がある
- 観測回数を増やして集約すると高精度の画像が得られる
- 超パラメータが決まっているときは,画像修復は平均画像にしてから修復した方が有利
- 超パラメータの推定も行うときは個々に修復してから平均画像にする
4H4-5 決定的サンプリング法 Herded Gibbs の連続分布への拡張†
山下 洋史(東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻)
鈴木 秀幸(大阪大学大学院情報科学研究科情報数理学専攻)
- herding:特徴量の期待値が一定になるようにサンプリングする方法 → 重みの管理が必要
- herded Gibbsサンプリング:各変数を条件付き確率からサンプリングするとにheardingをする → 重みの数が増えて困った
- discritized herded Gibbsサンプリング:重みの数をうまく減らす方法
- さらに改良したという発表だったがついていけなかった