ある対象を中心にした,半径がそれぞれ \(r\) と \(ar\ (0 < a < 1)\) の \(d\) 次元超球 \(S_1\) と \(S_2\) があるとする. \(S_1\) の体積 \(V\) に対する,二つの超球の体積の差 \(\delta V\) の比は \(\delta V/V=1-a^d\) となる.ここで,対象が均一分布しているとすると空間中に存在する対象数は体積に比例する.また,\(\delta V/V\) は \(d\) の増加にともない 1 に近づくことから,\(d\) が大きな場合は \(S_1\) 中の対象は,ほとんど二つの超球の隙間に存在することになる.よって,ある点から見たとき,次元数の増加にともない,他の点はその点から遠ざかり,また同じような距離に存在するようになる.この現象は均一分布以外でもみられる.
-- しましま