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* 第13回 情報論的学習理論ワークショップ (IBIS2010) [#o2ac...
COLOR(#00AA00){このページはしましまが [[IBIS2010>IBIS#IBI...
#contents
----
* 11/4 (木) [#bdd7257d]
* 企画セッション 1: データ生成過程の学習: 因果推論・特徴...
** 反実仮想モデルを用いた統計的因果推論について [#r9ddae4b]
星野崇宏 (名古屋大学 経済学研究科)
反実仮想モデルとRubinの因果モデル
- 無作為割り当てが無理なときに,他の共変量の影響を排除し...
- Rubinの因果モデル:条件1だったときの結果 y1 と条件2だっ...
- 実験群と対照群を準備.二つの群で違う対象や個人を観測し...
-- もし無作為割り当てなら,サンプル数が増えれば個体差の影...
-- 無作為でなかったり,共変量の影響があれば除去する必要
対策
- マッチング:もう一つの群で似ている人の共変量をコピーし...
- 反実仮想モデル:共変量 X が独立変数と目的変数の両方に影...
- Heckmanモデル:二つの群のどちらかを決めるモデルも線形モ...
- ノンパラメトリック回帰:バイアスがないが,共変量数が多...
傾向スコア:一方の群に割り当てられる確率
- X:共変量,Y:関心のある従属変数,Z:独立変数の割り当て...
- これらの同時分布を求めるのは難しい → p(Y) など関心のあ...
- 代表研究例:USの職業訓練の効果,アスピリンの有用性,抗...
注意点
- 割り当て変数より,結果変数に影響の強い共変量を採用する...
- 共変量と割り当て変数の因果関係には注意
** 構造方程式モデルによるデータ生成過程の学習, 特に非ガウ...
清水昌平 (大阪大学 産業科学研究所)
構造方程式モデル:データの生成過程のモデル
- 反実仮想 + 構造方程式モデル → 因果分析
-- ここでは構造方程式モデルを学習する方法を扱う
因果の向き
- x1 → x2 か x1 ← x2 か?:x1 と x2 をそれぞれを共変量と...
-- 回帰モデルの誤差がガウス分布だと無理だが,非ガウスならOK
問題設定
- 因果のグラフは有向非循環
- x = B x + e:xは変数,eは外的影響
-- B の非0・0のパターンが因果のグラフを表すことになる.B...
- 外的影響は独立=未観測交絡変数はない
推定原理
- causal Markov condition:ある変数を条件付けると,その祖...
-- 因果の向きを特定できない
- 外的影響の独立性:外的影響が独立であることを使う
LinGAMモデル
- 外的影響は非ガウスで独立
- DirectLinGAM:B が下三角になるようにする
-- Bの行が全部0=他の変数に依存しない外生変数を見つける
-- 見つけたらその効果を取り除き,次の外生変数を見つける手...
- 非線形の場合:線形モデルを非線形モデルにすると外的影響...
- ノンパラメトリック:外的影響の推定原理は使えない
質問
- いろいろ仮定置いてるけど,まぁとっかかりとしてはOKでは?
- 出てきたモデルを検定で棄却はできるけど,正しいことは原...
** 劣モジュラ性を用いたデータ生成過程の学習 [#p55be1b6]
河原吉伸 (大阪大学 産業科学研究所)
- 特徴選択:予測モデル獲得ならば計算効率とのバランスだが...
劣モジュラ性
- 離散構造での凸性
-- 集合関数:全体集合 V 2^V→実数の関数
集合関数 f,集合 S と T について f(S) + f(T) ≦ f(S∩T) + ...
等価な定義:S⊆T, i∈V\T,f(s + i) - f(S) ≧ f(T + i) - f(T)
-- 最小化が効率的にできる.凸関数への連続緩和
- Lovåsz拡張:実ベクトルの要素を大きい順に p1...pm と整列...
- 特徴選択:選択した特徴だけをつかった損失関数 → 集合関数
-- 2乗誤差などだったら,劣モジュラ性を持つ
- 劣モジュラ性の最小化は多項式時間で解けるが,最大化は難...
- ε近似アルゴリムも効率的
** スパース正則化学習の学習性能,特にスパース性と汎化誤差...
鈴木大慈 (東京大学 情報理工学系研究科)
マルチタスクカーネル学習 (MKL)
- カーネルを使った学習はカーネルの設計に性能は大きく依存
-- どんなカーネルを使い,どんな特徴量をカーネルに入れるか?
- MKL:複数のカーネルの凸結合を一つのカーネルのように扱う...
-- 2乗の正則化だと,個々のカーネルの一様重みでの重ね合わ...
- L1 と L2 の中間を考えよう
-- elasticnet:L1 と L2 の二つの正則化項を付ける.正則化...
-- Lpノルム:p を 1 と 2 の中間に設定する
-- 汎化誤差的には,この中間的なのが,実験的によい
elasticnetで中間的なスパースが良い理由
- 双対をとると,0の付近で0で,その先が2乗で増加するような...
-- 降下法で効率的な計算ができる
- 回帰問題で2乗の損失を考え,汎化誤差について解析
- 既存研究:普通の特徴選択 Op(d log(M) / n) d:真の非0特徴...
-- MKLでは,これにちょっと加算項がついた形式の上界が示せる
* 特別招待講演: Approximate inference for partly observab...
Manfred Opper (Department of Computer Science, TU Berlin)
部分観測連続時間マルコフ過程の例
- stochastic lotka volterra model:捕食・被捕食関係にある...
-- 増加・減少の割合が2種類の動物の数に比例して決まるモデル
-- 例:被捕食者は,α 被捕食者数 の割合で 1 増え,β 捕食者...
- 遺伝子の転写・タンパク質合成による mRNA や タンパク質数...
-- mRNA数が1増える割合は α(1 - αc Θ(タンパク質数 - θc) など
- motion in doubpe-well potential (ポテンシャルの底が二つ...
-- dX=f(x) dt + σ^2 dW
マルコフ過程
- 連続時間:X(X{t+dt)∈A|X{0:t})=X(X{t+dt)∈A|X_t)
- ジャンプ過程:Δt時間後にyに遷移する確率が,普通の遷移確...
- diffusion近似:dX = X f(Xt) Δt + D^{1/2}(Xt) dW
-- f は drift,D はdiffution行列,dWはウィナー過程
モンテカルロ,厳密と線形ノイズ近似
- 離散近似してMCMCする → Δt が小さいと局所解にはまりやすい
- 離散マルコフ同様のforward-backwardという方法も
* 11/5 (金) [#nf797198]
* 企画セッション 2: 多端子情報理論の最新事情 [#j2b7813e]
** 多端子情報源符号化の現状と課題 [#jd7d27f8]
葛岡成晃 (和歌山大学 システム工学部)
多端子情報理論
- 同じ対象を観測した複数の入力からまとめて対象を復号化す...
Slepian & Wolf 符号化問題
- 入力 X, Y,Φ1 と Φ2 で符号化,R1 と R2として伝送し,ψで...
- 同時分布 P_XY に従う (X,Y) の無限長の確率過程を考える
- XX^n → MM{1,n} を符号器,複合器 M{1,n}×M{2,n} → X, Y
- 誤り確率 e_n:X, Y と ^X, ^Y が一致しない確率
- 符号語の地域の大きさ (1/n) log|MM{k,n}|=r{k,n} を符号...
- (R1, R2)が達成可能 ⇔ n→∞で,それぞれの符号化率がR1とR2...
- 達成可能な範囲がここまでできる=順定理(内界),これよ...
-- これらの範囲をエントロピーのような計算可能な量で表す....
SW符号化の達成可能領域
R1≧H(X|Y)
R2≧H(Y|X)
R1 + R2 ≧ H(X,Y)
- 個別だと,R1≧H(X) R2≧H(Y) の領域だけ → 多端子にすると達...
- H(Y) と H(X|Y) の交点は,復号器だけがYを完全に知ってい...
一般の多端子情報理論
- 符号器への入力も複数,符号器の数も任意,復号器への入力...
解決された問題
- Csiszár & Körner 1980 の定理:SW問題を多数の変数に拡張...
-- k番目の符号器はk番目の信号を復号し,k番目の信号と繋が...
- ヘルパーがあると問題は未解決
- 歪みを許すと2対1の場合でも一般には未解決
-- ガウス情報源で,平均2乗誤差歪みという特殊な場合は解決
** 圧縮センシングの理論とその展開 [#q880985d]
和田山正 (名古屋工業大学 工学研究科)
圧縮センシング
- スパース信号の再現理論
- センシング行列:p×mの F --- センサ・復元器とも知っている
- S-スパースベクトル m次ベクトル e --- 非0要素がS個以内
- 圧縮系列 s=F e --- センサが計算,
- e → センサー → s → 復号器 → ^e
-- 普通は解が一意に定まらない不良設定だが,スパース性を使...
- s の長さ p と S のトレードオフを考える
O(S log(m/S))<p
を満たすなら,L1復元法で e=^e(完全再現)が可能
- L1復元法
min ‖d‖1 s.t. F d=s の d を ^e として得る
-- スパース解が求まり,また,線形計画法で解け,大域解が得...
完全再現条件の証明の成り立ち
- RIP: restricted isometry propserty
センシング行列にたいして決まるRIP定数 δS
-- δ{2S}≦√2 - 1 ならL1符号化で解ける
-- RIP定数の計算は難しいのでその辺の工夫
- 小さなδSをもつセンシング行列が望ましい
RIP:制約等長性
- F の任意の列をT個集めた行列 F_T について F_T c の2乗ノ...
-- このときの最小のδがRIP定数
-- いろいろな行列にたついて固有値を求める必要があるのでRI...
-- → ランダム行列の上界を利用してRIP定数の上界を計算
圧縮センシングの研究状況
- 復元アルゴリズムの改良,確定的センシング行列の構成法,...
- 復元法
-- Lp復元法:p を 1未満にしてもっと疎に,局所解の問題
-- matching pursuit:良いものをみつけて,残差を引いていく
-- 射影勾配型 GraDes:最急降下法型
- 独立じゃない複数の情報源があるとき
-- センサーも複数あり,復号器で複数の信号を復号するとき再...
- チュートリアル: 田中利幸「圧縮センシングの数理」~
http://w2.gakkai-web.net/gakkai/ieice/vol4no1pdf/vol4no1_...
- 論文集: http://dsp.rice.edu/
** 補助情報を用いた情報源符号化 [#f5bfc746]
松嶋敏泰 (早稲田大学 基幹理工学部)
統計的学習理論と情報理論
- 統計理論:データ小い,評価細かい → 存在定理 ⇒ アルゴリ...
- 情報理論:データ多い,評価細かい
- 学習理論:データ多い,評価粗い
補助情報をもちいた場合
- S&W の多端子で,Y は真の値が分かる場合
- 一つ前までの,x と y に加え,yt を観測したとき,xt を予...
- エントロピーへの収束のレートも気にするので,ベイズ符号...
- 補助情報がない:ブロック符号化と逐次符号化の符号長が一...
-- 補助情報があるときの議論もされている
事前分布への工夫
- context tree モデル:マルコフは符号パターンとは無関係に...
** 情報理論的セキュリティと秘密増幅定理 [#k7d27612]
松本隆太郎 (東京工業大学 理工学研究科)
- 情報理論的セキュリティ
-- 計算困難さに依存せずに,秘密情報と敵の所持する情報との...
-- Alice が S を X に変えて,Bob はYを受信して Sを復号.X...
-- I(S;Z)=0 ⇔ S と Z が統計的に独立 = 安全
two-universalハッシュ関数族
- FF:写像 S1→S2 の集合
- S1から異なる x1 と x2をえらんだとき,Pr[F(x1)=F(x2)]≦1...
- 線形関数の族全体 (?)
秘密増幅定理
- FFからランダムにFを選ぶ このとき,F(X) と Z の間の相互...
I(F(X); Z| F)|SS|^ρ [ E[P{X|Z}(X|Z)^ρ] ] / ρ
- S を送りたいときには,F(x)=S となるようなFから一様ラン...
-- I(X;Y) - I(X;Z) ぐらいの情報が秘密に送れる.通信路を劣...
* 企画セッション 3: 理論統計学の風景から [#o90748dd]
** ロバスト推測の基礎とダイバージェンス型メソッドへの発展...
藤澤洋徳(統計数理研究所)
- ロバスト統計・推定:一つだけおおきく外れた値があった場...
- 中央値:平均の代わり.一番汎用的にロバスト統計で用いら...
- MADN:標準偏差の代わり
重み付きスコアに基づいたロバスト推定
- 外れ値の典型的な性質は,その生起確率が低い
- 密度推定値で,各サンプルを加重して推定すれば,生起確率...
一般のモデル f(x;θ) のとき
- <モデル>^β × <重みスコア> - <不偏にするための補正項>
-- 対数をとって,負にしたのがβダイバージェンス
- 重みの総和を1にする補正をしたのがγダイバージェンス
混合モデルでの方法
- 目的分布と外れ値を出す汚染分布の混合分布からデータが出...
-- 汚染分布は目的分布の裾にあるとする仮定
-- EMとは別のアルゴリズムで推定する
** マルコフ基底と分割表解析への応用について [#v2ab0a2e]
原尚幸(東京大学 技術経営戦略学)
2元分割表のマルコフ基底と正確検定
- 2元分割表:x{+i} でi列和,x{i+}でi行和
- p_ij=p{i+} p{+j} の仮説を検定する → Pearson のχ2乗統計...
- ファイバー:十分統計量を共有する分割表の集合 → 正確分布...
- move:表の引き算で得られる
- マルコフ基底:move で,moveが非負の要素を保ちながら(?)...
-- マルコフ基底上のパス使ってたどることで,MCMCによりファ...
** 無限次元マルチンゲール中心極限定理の使用法 [#n2931d96]
西山陽一(統計数理研究所)
- 中心極限定理の iid→マルチゲール,有限次元→無限次元 への...
* 11/6 (土) [#q13a7f0d]
* 企画セッション 4: 量子情報理論の最先端 [#vde7eb50]
** 量子誤り訂正符号の基礎と量子秘密分散 [#jd774c58]
小川 朋宏 (電気通信大学 情報システム学研究科)
量子力学
- 確率法則:測定結果は系の状態と測定に依存して確率的にの...
- 系の状態変化:測定結果にいぞんして状態変化→測定順序で結...
- 内積が分かるHilbert空間を使う.行列による表現を利用
|ψ> ケットベクトル=縦ベクトル
<φ| ブラベクトルの共役横ベクトル
- 量子状態:長さが1のベクトル √{<ψ|ψ>}=1
- m個の測定結果の表現 E={E1...Em}=行列のあつまり
E*i=Ei, Ei Ej=δij (?) Σ^m Ei=I
- 測定:直交する単位ベクトルの量子力学的重ね合わせを指定.
- 振幅:αi=√<ψ|Ei|ψ> → 振幅の2乗は確率になる
- 密度行列:古典的確率も含んだ量子状態を記述
Σj qj |φj><φj|
-- これだけあれば,系の確率的な振る舞いが記述できる
-- 違うベクトルのアンサンブルに対しても,密度行列が同じに...
まだまだ続く…メモしきれない
** 量子暗号の基礎とその実用化に向けて [#zae88b1e]
鶴丸 豊広 (三菱電機)
- 現代暗号:現状の計算機やアルゴリズムでは解けないことが...
- 量子暗号:どんなに計算機が進歩しても解読できないが,速...
-- ここでは量子鍵配送で,BB84方式について
-- 量子暗号装置:Id Quantique社のClavris^2, MagiQ Technol...
- 量子計算とは違って,量子暗号はもう実用化実験まできてる
- 量子暗号の無条件安全性:光子に情報を載せて通信する.盗...
- 通信路ノイズには敏感→通信距離と安全性にトレードオフがある
- 量子:波と粒子の性質 → 一番制御しやすい光子を使う
- 偏向の縦と横で0と1で表す基底と.それとは斜め45度傾いた...
- 乱数を送信するが,お互いに基底はランダム選ぶ.あとで,...
- もし盗聴されると 1/2 の確率でしか乱数が合わないので,盗...
- 光パルスの到達確率が 1/1000 で,10万分の1で光が来てなく...
-- 起こったノイズは全て盗聴されたと悲観的に考える.
-- ノイズがある程度以下であれば,盗聴者に情報が漏洩する確...
量子誤り訂正符号を使った仮想的プロトコル
- Bell状態(EPR状態,最大もつれ合い状態)
|Ψ>=1/√2 [|0>A |0>B + |1>A |1>B]
- Alice と Bob で共有できれば,純粋状態なので盗聴が検出可...
- Calderbank-Shor-Steane符号 (CSS符号)
-- ビット誤りに加えて,位相誤りも補正する
-- C1⊂C1を満たし,C1,C⊥2 がよい符号
-- ビット・位相の誤りを検出するシンドロームというのを計算
-- シンドロームを基に,ビット・位相の誤りを訂正する
-- 訂正でビット数などは減るが,Bell状態が回復でき,秘密鍵...
-- 理想的には訂正でエントロピー分だけ減るが,実際にその何...
- Alice 乱数をランダムな基底で送信,Bobはランダムな基底で...
- 誤り訂正符号 C1 によるビット誤り訂正 → 訂正鍵
- 得られたC1と同値類のC2を作る → この組を古典CSS符号
Tokyo QKD network
- 量子暗号の実証実験
- 数100k bit,距離はファイバーを使えば数10キロ,ファイバ...
- NEC, 三菱,NTT,東芝欧州,Id Quantique(スイス), Allvien...
- 各社の量子暗号装置を連結して実証.複数のノードをまたい...
- テレビ会議を実施
- 中継にも量子中継というのはあるが,まだ実用的にはむり
- http://www.uqcc2010.org/
** 量子ネットワーク符号 [#d097e3ee]
西村 治道 (大阪府立大学 理学系研究科)
ネットワーク符号 (Ahlswede-Cai-Li-Yeung 2000)
- 主に1対1通信理論と,ネットワーク上の配送問題の融合分野
- バタフライネットワークでの液体フロー:液体だと同じ経路...
-- 情報では,共有が必要な経路ではXORなどをして利用できる
ネットワーク符号問題
- 有向非循環グラフ,各辺の容量,k種類の(commodity)を,そ...
-- multicast問題:ソースの情報を全てのシンクが必要
-- k-ペア通信問題(multiple unicast):k個の一対一通信.2対...
古典でできたら,量子では?
- 量子では情報はコピーできない.XORに対応する演算は?
-- コピーできないのでmulticast は扱わない.
- バタフライでも両方とも量子ではダメ
-- エンタングルメントや古典通信路を補助的リソースとして使う
-- 古典通信で可解なネットワーク符号問題は,古典通信路が使...
* 企画セッション 5: 計量経済と機械学習 [#u09db33b]
** Sequential Estimation of Structural Models with a Fixe...
下津克己(一橋大学 経済学研究科)
- 独占と完全競争の中間ぐらいが現在の市場 → 不完全競争
-- 企業間の戦略的相互作用:価格決定などは相手の反応を予測...
-- 経済学:市場の動きを調べる
- 構造的経済理論:パラメータを明示的に盛り込んだモデル
ゲーム理論的な話し
- 利得行列:両方とも参入 (1,1),両方とも不参入 (0,0),一...
- Nash均衡:相手の行動を知ったとき,お互いに自分の行動を...
- 均衡は一意には決まらない
私的情報があるときの場合
- 利得行列:両方参入(ε1-θ,ε2-θ),両方不参入 (0,0),一方...
- 主観的確率=信念(belief)を考える.参入確率 Pi とし,自...
-- ベイズ完全均衡 (Bayesian perfect Equibalium):両方とも...
- 参入確率の推定値から,θが計算できる.
- 実験行動経済学:実際モデルどおりに人は行動するか?→場合...
-- 公共財などの例では,大きくモデルからはずれる.
構造推定モデル:動的離散ゲーム
- 参入後の利潤 Π:他の参入状態,市場の状態,1期前の参入の...
-- 費用パラメータ θ を求める
- 状態遷移をマルコフ過程とすると,全体はマルコフ決定過程...
- 現在の信念から,次の信念への写像の不動点からBPEが求まる
不動点の求め方
- nested fixed point:いろいろなθで,不動点を求め,その不...
- constraint optimization approach:不動点の条件を拘束条...
- nested pseudo likelihood (NPL):Pの初期値と,θを交互に...
- 実際のデータを扱っているような経済研学者は:扱いやすく...
** Model Averaging without Non-negative Constraints [#l9c...
奥井亮 (京都大学 経済研究所)
モデル平均法 (model averaging)
- 計量経済学の中では機械学習に近い
-- 無限個の説明変数がある回帰
yi=μi + ei
μi=Σ{j=1}^∞ θj x_ji
ei|xi〜N[0,σ^2]
- 無限次元のモデル考えるのは難しいので,m種類の変数を選ん...
-- 打ち切った残りの変数に関連した項の和が近似誤差
-- 変数選択は情報量規準を使う
変数の重み付け
- パラメータの事後確率を使う,情報量規準の大きさを使う
- ここでは平均2乗誤差の最小化
** ノンパラメトリック操作変数推定における変数選択規準 [#w...
末石直也 (京都大学 経済学研究科)
内生性:E[xi ei]≠0 ノイズと説明変数に相関があるとき
- 内生性が生じる原因:-- 無視したり,観測されない変数(om...
操作変数
- 説明変数 xi とは相関があるが,誤差項 ei とはそうかんが...
- 2段階最小二乗法
yi=xi^T β + ei
xi=Γ^T zi + ui
vi=ei + ui^T β とすると,vi と zi の相関はなくせる
- 教育期間 には相関があるが,個人の能力には相関のない値と...
この2段階最小二乗法をノンパラで
- 無限個の操作変数が必要になってしまう
* 企画セッション 6: 理論生物学と学習・統計との新たな接点 ...
** 成長する上皮組織の力学過程 [#re3545d5]
石原秀至 (東京大学 総合文化研究科) 代理の杉村さん
- 形態形成過程:胚が発生するとき,細胞の上皮のMyosin収縮...
-- 侵襲的だと,張力の大きさは測れる → 力を推定する方法を...
-- ハエの羽について,そのパターン形成過程について
張力の推定
- 細胞の頂点の位置のデータから,細胞の圧力・張力を推定する
- モデル
<力のバランス> + μ <理想状態を示す正則化項>
- 侵襲的な方法で,予測の正しさを検証 → なかなか良い
ショウジョウバエの羽の応力
- 羽の長い方を横と呼ぶ
- さなぎの状態でも,横向きに大きなテンションがかかってい...
-- 侵襲的な検証や,Myosin の分布も推定を支持
- 最大応力方向は横方向と応力のバランスを調べる
-- 横方向に引っ張ると,その方向にMyosinが濃縮される → 細...
- 成長にともなって,六角形の安定した形の細胞が増える
- 張力の偏りが多いほど,六角の細胞が多い → 張力がより安定...
- ところが,横に引っ張ると六角の細胞は増えるが,縦だと増...
- 六角形が増えるのは,異方的な張力がかかると,六角形の向...
** 1分子計測データに対するパラメータ推定 [#x5c27a63]
宮崎牧人 (京都大学 理学研究科)
1分子実験
- 固定した蛋白質に大きなプローブを結合させて,それを観測...
-- プローブは,解像度が良くて,操作も可能
-- 観測したプローブから,蛋白の動きやパラメータを推定する...
- 二つの軌道が一致する事後確率を推定するアプローチ
-- パス経路積分:物理での,軌道が一致する確率を扱う手法
-- 対象とプローブを繋ぐリンカを幾つか変えてデータをとる
** 統計モデルによる計算論的認知科学 [#o3f6b8d5]
佐藤好幸 (電気通信大学 情報システム学研究科)
- 人の知覚がベイズ推定でよく推定できることが最近分かって...
-- 脳はあるがままを知覚している訳ではない:錯覚など
-- フィルターがかかっているように見える場合は,それを補正...
-- でっぱり・ひっこみのパターン:光が上から当たってるとい...
時間順序判断タスク
- 音と光を出す.どっちが先にでたかどうかを被験者に答えて...
- psychometric function:どっちが先か,その時間差と,音が...
- 真の時間差にノイズが加わって知覚されるとモデル化
適応現象
- 人間は周りの環境に合わせて,知覚や運動を追随させている
- 同じ時間差の刺激を繰り返し提示すると,時間差がなくなっ...
-- psychometric関数の移動に相当=lag adaptation
- 触覚刺激で,左右の腕のどっちが先か?という問題だと,逆...
-- 知覚のベイズモデルで説明してみよう
モデル
- 入力 x,入力タイムラグ μp, P(x - μp)〜N(0,σp^2)
- 観測値 y,タイムラグ μl P(y - x - μl)〜N(0, σl^2)
- 入力と出力の時間間隔:ηpとηl
-- このモデルの時間的な遷移を考える
- 次の量の符号が,従来・BC適応のどちらに適応を決める
[ηl^2 / σl^2] - [ηp^2 / σp^2]
終了行:
* 第13回 情報論的学習理論ワークショップ (IBIS2010) [#o2ac...
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* 11/4 (木) [#bdd7257d]
* 企画セッション 1: データ生成過程の学習: 因果推論・特徴...
** 反実仮想モデルを用いた統計的因果推論について [#r9ddae4b]
星野崇宏 (名古屋大学 経済学研究科)
反実仮想モデルとRubinの因果モデル
- 無作為割り当てが無理なときに,他の共変量の影響を排除し...
- Rubinの因果モデル:条件1だったときの結果 y1 と条件2だっ...
- 実験群と対照群を準備.二つの群で違う対象や個人を観測し...
-- もし無作為割り当てなら,サンプル数が増えれば個体差の影...
-- 無作為でなかったり,共変量の影響があれば除去する必要
対策
- マッチング:もう一つの群で似ている人の共変量をコピーし...
- 反実仮想モデル:共変量 X が独立変数と目的変数の両方に影...
- Heckmanモデル:二つの群のどちらかを決めるモデルも線形モ...
- ノンパラメトリック回帰:バイアスがないが,共変量数が多...
傾向スコア:一方の群に割り当てられる確率
- X:共変量,Y:関心のある従属変数,Z:独立変数の割り当て...
- これらの同時分布を求めるのは難しい → p(Y) など関心のあ...
- 代表研究例:USの職業訓練の効果,アスピリンの有用性,抗...
注意点
- 割り当て変数より,結果変数に影響の強い共変量を採用する...
- 共変量と割り当て変数の因果関係には注意
** 構造方程式モデルによるデータ生成過程の学習, 特に非ガウ...
清水昌平 (大阪大学 産業科学研究所)
構造方程式モデル:データの生成過程のモデル
- 反実仮想 + 構造方程式モデル → 因果分析
-- ここでは構造方程式モデルを学習する方法を扱う
因果の向き
- x1 → x2 か x1 ← x2 か?:x1 と x2 をそれぞれを共変量と...
-- 回帰モデルの誤差がガウス分布だと無理だが,非ガウスならOK
問題設定
- 因果のグラフは有向非循環
- x = B x + e:xは変数,eは外的影響
-- B の非0・0のパターンが因果のグラフを表すことになる.B...
- 外的影響は独立=未観測交絡変数はない
推定原理
- causal Markov condition:ある変数を条件付けると,その祖...
-- 因果の向きを特定できない
- 外的影響の独立性:外的影響が独立であることを使う
LinGAMモデル
- 外的影響は非ガウスで独立
- DirectLinGAM:B が下三角になるようにする
-- Bの行が全部0=他の変数に依存しない外生変数を見つける
-- 見つけたらその効果を取り除き,次の外生変数を見つける手...
- 非線形の場合:線形モデルを非線形モデルにすると外的影響...
- ノンパラメトリック:外的影響の推定原理は使えない
質問
- いろいろ仮定置いてるけど,まぁとっかかりとしてはOKでは?
- 出てきたモデルを検定で棄却はできるけど,正しいことは原...
** 劣モジュラ性を用いたデータ生成過程の学習 [#p55be1b6]
河原吉伸 (大阪大学 産業科学研究所)
- 特徴選択:予測モデル獲得ならば計算効率とのバランスだが...
劣モジュラ性
- 離散構造での凸性
-- 集合関数:全体集合 V 2^V→実数の関数
集合関数 f,集合 S と T について f(S) + f(T) ≦ f(S∩T) + ...
等価な定義:S⊆T, i∈V\T,f(s + i) - f(S) ≧ f(T + i) - f(T)
-- 最小化が効率的にできる.凸関数への連続緩和
- Lovåsz拡張:実ベクトルの要素を大きい順に p1...pm と整列...
- 特徴選択:選択した特徴だけをつかった損失関数 → 集合関数
-- 2乗誤差などだったら,劣モジュラ性を持つ
- 劣モジュラ性の最小化は多項式時間で解けるが,最大化は難...
- ε近似アルゴリムも効率的
** スパース正則化学習の学習性能,特にスパース性と汎化誤差...
鈴木大慈 (東京大学 情報理工学系研究科)
マルチタスクカーネル学習 (MKL)
- カーネルを使った学習はカーネルの設計に性能は大きく依存
-- どんなカーネルを使い,どんな特徴量をカーネルに入れるか?
- MKL:複数のカーネルの凸結合を一つのカーネルのように扱う...
-- 2乗の正則化だと,個々のカーネルの一様重みでの重ね合わ...
- L1 と L2 の中間を考えよう
-- elasticnet:L1 と L2 の二つの正則化項を付ける.正則化...
-- Lpノルム:p を 1 と 2 の中間に設定する
-- 汎化誤差的には,この中間的なのが,実験的によい
elasticnetで中間的なスパースが良い理由
- 双対をとると,0の付近で0で,その先が2乗で増加するような...
-- 降下法で効率的な計算ができる
- 回帰問題で2乗の損失を考え,汎化誤差について解析
- 既存研究:普通の特徴選択 Op(d log(M) / n) d:真の非0特徴...
-- MKLでは,これにちょっと加算項がついた形式の上界が示せる
* 特別招待講演: Approximate inference for partly observab...
Manfred Opper (Department of Computer Science, TU Berlin)
部分観測連続時間マルコフ過程の例
- stochastic lotka volterra model:捕食・被捕食関係にある...
-- 増加・減少の割合が2種類の動物の数に比例して決まるモデル
-- 例:被捕食者は,α 被捕食者数 の割合で 1 増え,β 捕食者...
- 遺伝子の転写・タンパク質合成による mRNA や タンパク質数...
-- mRNA数が1増える割合は α(1 - αc Θ(タンパク質数 - θc) など
- motion in doubpe-well potential (ポテンシャルの底が二つ...
-- dX=f(x) dt + σ^2 dW
マルコフ過程
- 連続時間:X(X{t+dt)∈A|X{0:t})=X(X{t+dt)∈A|X_t)
- ジャンプ過程:Δt時間後にyに遷移する確率が,普通の遷移確...
- diffusion近似:dX = X f(Xt) Δt + D^{1/2}(Xt) dW
-- f は drift,D はdiffution行列,dWはウィナー過程
モンテカルロ,厳密と線形ノイズ近似
- 離散近似してMCMCする → Δt が小さいと局所解にはまりやすい
- 離散マルコフ同様のforward-backwardという方法も
* 11/5 (金) [#nf797198]
* 企画セッション 2: 多端子情報理論の最新事情 [#j2b7813e]
** 多端子情報源符号化の現状と課題 [#jd7d27f8]
葛岡成晃 (和歌山大学 システム工学部)
多端子情報理論
- 同じ対象を観測した複数の入力からまとめて対象を復号化す...
Slepian & Wolf 符号化問題
- 入力 X, Y,Φ1 と Φ2 で符号化,R1 と R2として伝送し,ψで...
- 同時分布 P_XY に従う (X,Y) の無限長の確率過程を考える
- XX^n → MM{1,n} を符号器,複合器 M{1,n}×M{2,n} → X, Y
- 誤り確率 e_n:X, Y と ^X, ^Y が一致しない確率
- 符号語の地域の大きさ (1/n) log|MM{k,n}|=r{k,n} を符号...
- (R1, R2)が達成可能 ⇔ n→∞で,それぞれの符号化率がR1とR2...
- 達成可能な範囲がここまでできる=順定理(内界),これよ...
-- これらの範囲をエントロピーのような計算可能な量で表す....
SW符号化の達成可能領域
R1≧H(X|Y)
R2≧H(Y|X)
R1 + R2 ≧ H(X,Y)
- 個別だと,R1≧H(X) R2≧H(Y) の領域だけ → 多端子にすると達...
- H(Y) と H(X|Y) の交点は,復号器だけがYを完全に知ってい...
一般の多端子情報理論
- 符号器への入力も複数,符号器の数も任意,復号器への入力...
解決された問題
- Csiszár & Körner 1980 の定理:SW問題を多数の変数に拡張...
-- k番目の符号器はk番目の信号を復号し,k番目の信号と繋が...
- ヘルパーがあると問題は未解決
- 歪みを許すと2対1の場合でも一般には未解決
-- ガウス情報源で,平均2乗誤差歪みという特殊な場合は解決
** 圧縮センシングの理論とその展開 [#q880985d]
和田山正 (名古屋工業大学 工学研究科)
圧縮センシング
- スパース信号の再現理論
- センシング行列:p×mの F --- センサ・復元器とも知っている
- S-スパースベクトル m次ベクトル e --- 非0要素がS個以内
- 圧縮系列 s=F e --- センサが計算,
- e → センサー → s → 復号器 → ^e
-- 普通は解が一意に定まらない不良設定だが,スパース性を使...
- s の長さ p と S のトレードオフを考える
O(S log(m/S))<p
を満たすなら,L1復元法で e=^e(完全再現)が可能
- L1復元法
min ‖d‖1 s.t. F d=s の d を ^e として得る
-- スパース解が求まり,また,線形計画法で解け,大域解が得...
完全再現条件の証明の成り立ち
- RIP: restricted isometry propserty
センシング行列にたいして決まるRIP定数 δS
-- δ{2S}≦√2 - 1 ならL1符号化で解ける
-- RIP定数の計算は難しいのでその辺の工夫
- 小さなδSをもつセンシング行列が望ましい
RIP:制約等長性
- F の任意の列をT個集めた行列 F_T について F_T c の2乗ノ...
-- このときの最小のδがRIP定数
-- いろいろな行列にたついて固有値を求める必要があるのでRI...
-- → ランダム行列の上界を利用してRIP定数の上界を計算
圧縮センシングの研究状況
- 復元アルゴリズムの改良,確定的センシング行列の構成法,...
- 復元法
-- Lp復元法:p を 1未満にしてもっと疎に,局所解の問題
-- matching pursuit:良いものをみつけて,残差を引いていく
-- 射影勾配型 GraDes:最急降下法型
- 独立じゃない複数の情報源があるとき
-- センサーも複数あり,復号器で複数の信号を復号するとき再...
- チュートリアル: 田中利幸「圧縮センシングの数理」~
http://w2.gakkai-web.net/gakkai/ieice/vol4no1pdf/vol4no1_...
- 論文集: http://dsp.rice.edu/
** 補助情報を用いた情報源符号化 [#f5bfc746]
松嶋敏泰 (早稲田大学 基幹理工学部)
統計的学習理論と情報理論
- 統計理論:データ小い,評価細かい → 存在定理 ⇒ アルゴリ...
- 情報理論:データ多い,評価細かい
- 学習理論:データ多い,評価粗い
補助情報をもちいた場合
- S&W の多端子で,Y は真の値が分かる場合
- 一つ前までの,x と y に加え,yt を観測したとき,xt を予...
- エントロピーへの収束のレートも気にするので,ベイズ符号...
- 補助情報がない:ブロック符号化と逐次符号化の符号長が一...
-- 補助情報があるときの議論もされている
事前分布への工夫
- context tree モデル:マルコフは符号パターンとは無関係に...
** 情報理論的セキュリティと秘密増幅定理 [#k7d27612]
松本隆太郎 (東京工業大学 理工学研究科)
- 情報理論的セキュリティ
-- 計算困難さに依存せずに,秘密情報と敵の所持する情報との...
-- Alice が S を X に変えて,Bob はYを受信して Sを復号.X...
-- I(S;Z)=0 ⇔ S と Z が統計的に独立 = 安全
two-universalハッシュ関数族
- FF:写像 S1→S2 の集合
- S1から異なる x1 と x2をえらんだとき,Pr[F(x1)=F(x2)]≦1...
- 線形関数の族全体 (?)
秘密増幅定理
- FFからランダムにFを選ぶ このとき,F(X) と Z の間の相互...
I(F(X); Z| F)|SS|^ρ [ E[P{X|Z}(X|Z)^ρ] ] / ρ
- S を送りたいときには,F(x)=S となるようなFから一様ラン...
-- I(X;Y) - I(X;Z) ぐらいの情報が秘密に送れる.通信路を劣...
* 企画セッション 3: 理論統計学の風景から [#o90748dd]
** ロバスト推測の基礎とダイバージェンス型メソッドへの発展...
藤澤洋徳(統計数理研究所)
- ロバスト統計・推定:一つだけおおきく外れた値があった場...
- 中央値:平均の代わり.一番汎用的にロバスト統計で用いら...
- MADN:標準偏差の代わり
重み付きスコアに基づいたロバスト推定
- 外れ値の典型的な性質は,その生起確率が低い
- 密度推定値で,各サンプルを加重して推定すれば,生起確率...
一般のモデル f(x;θ) のとき
- <モデル>^β × <重みスコア> - <不偏にするための補正項>
-- 対数をとって,負にしたのがβダイバージェンス
- 重みの総和を1にする補正をしたのがγダイバージェンス
混合モデルでの方法
- 目的分布と外れ値を出す汚染分布の混合分布からデータが出...
-- 汚染分布は目的分布の裾にあるとする仮定
-- EMとは別のアルゴリズムで推定する
** マルコフ基底と分割表解析への応用について [#v2ab0a2e]
原尚幸(東京大学 技術経営戦略学)
2元分割表のマルコフ基底と正確検定
- 2元分割表:x{+i} でi列和,x{i+}でi行和
- p_ij=p{i+} p{+j} の仮説を検定する → Pearson のχ2乗統計...
- ファイバー:十分統計量を共有する分割表の集合 → 正確分布...
- move:表の引き算で得られる
- マルコフ基底:move で,moveが非負の要素を保ちながら(?)...
-- マルコフ基底上のパス使ってたどることで,MCMCによりファ...
** 無限次元マルチンゲール中心極限定理の使用法 [#n2931d96]
西山陽一(統計数理研究所)
- 中心極限定理の iid→マルチゲール,有限次元→無限次元 への...
* 11/6 (土) [#q13a7f0d]
* 企画セッション 4: 量子情報理論の最先端 [#vde7eb50]
** 量子誤り訂正符号の基礎と量子秘密分散 [#jd774c58]
小川 朋宏 (電気通信大学 情報システム学研究科)
量子力学
- 確率法則:測定結果は系の状態と測定に依存して確率的にの...
- 系の状態変化:測定結果にいぞんして状態変化→測定順序で結...
- 内積が分かるHilbert空間を使う.行列による表現を利用
|ψ> ケットベクトル=縦ベクトル
<φ| ブラベクトルの共役横ベクトル
- 量子状態:長さが1のベクトル √{<ψ|ψ>}=1
- m個の測定結果の表現 E={E1...Em}=行列のあつまり
E*i=Ei, Ei Ej=δij (?) Σ^m Ei=I
- 測定:直交する単位ベクトルの量子力学的重ね合わせを指定.
- 振幅:αi=√<ψ|Ei|ψ> → 振幅の2乗は確率になる
- 密度行列:古典的確率も含んだ量子状態を記述
Σj qj |φj><φj|
-- これだけあれば,系の確率的な振る舞いが記述できる
-- 違うベクトルのアンサンブルに対しても,密度行列が同じに...
まだまだ続く…メモしきれない
** 量子暗号の基礎とその実用化に向けて [#zae88b1e]
鶴丸 豊広 (三菱電機)
- 現代暗号:現状の計算機やアルゴリズムでは解けないことが...
- 量子暗号:どんなに計算機が進歩しても解読できないが,速...
-- ここでは量子鍵配送で,BB84方式について
-- 量子暗号装置:Id Quantique社のClavris^2, MagiQ Technol...
- 量子計算とは違って,量子暗号はもう実用化実験まできてる
- 量子暗号の無条件安全性:光子に情報を載せて通信する.盗...
- 通信路ノイズには敏感→通信距離と安全性にトレードオフがある
- 量子:波と粒子の性質 → 一番制御しやすい光子を使う
- 偏向の縦と横で0と1で表す基底と.それとは斜め45度傾いた...
- 乱数を送信するが,お互いに基底はランダム選ぶ.あとで,...
- もし盗聴されると 1/2 の確率でしか乱数が合わないので,盗...
- 光パルスの到達確率が 1/1000 で,10万分の1で光が来てなく...
-- 起こったノイズは全て盗聴されたと悲観的に考える.
-- ノイズがある程度以下であれば,盗聴者に情報が漏洩する確...
量子誤り訂正符号を使った仮想的プロトコル
- Bell状態(EPR状態,最大もつれ合い状態)
|Ψ>=1/√2 [|0>A |0>B + |1>A |1>B]
- Alice と Bob で共有できれば,純粋状態なので盗聴が検出可...
- Calderbank-Shor-Steane符号 (CSS符号)
-- ビット誤りに加えて,位相誤りも補正する
-- C1⊂C1を満たし,C1,C⊥2 がよい符号
-- ビット・位相の誤りを検出するシンドロームというのを計算
-- シンドロームを基に,ビット・位相の誤りを訂正する
-- 訂正でビット数などは減るが,Bell状態が回復でき,秘密鍵...
-- 理想的には訂正でエントロピー分だけ減るが,実際にその何...
- Alice 乱数をランダムな基底で送信,Bobはランダムな基底で...
- 誤り訂正符号 C1 によるビット誤り訂正 → 訂正鍵
- 得られたC1と同値類のC2を作る → この組を古典CSS符号
Tokyo QKD network
- 量子暗号の実証実験
- 数100k bit,距離はファイバーを使えば数10キロ,ファイバ...
- NEC, 三菱,NTT,東芝欧州,Id Quantique(スイス), Allvien...
- 各社の量子暗号装置を連結して実証.複数のノードをまたい...
- テレビ会議を実施
- 中継にも量子中継というのはあるが,まだ実用的にはむり
- http://www.uqcc2010.org/
** 量子ネットワーク符号 [#d097e3ee]
西村 治道 (大阪府立大学 理学系研究科)
ネットワーク符号 (Ahlswede-Cai-Li-Yeung 2000)
- 主に1対1通信理論と,ネットワーク上の配送問題の融合分野
- バタフライネットワークでの液体フロー:液体だと同じ経路...
-- 情報では,共有が必要な経路ではXORなどをして利用できる
ネットワーク符号問題
- 有向非循環グラフ,各辺の容量,k種類の(commodity)を,そ...
-- multicast問題:ソースの情報を全てのシンクが必要
-- k-ペア通信問題(multiple unicast):k個の一対一通信.2対...
古典でできたら,量子では?
- 量子では情報はコピーできない.XORに対応する演算は?
-- コピーできないのでmulticast は扱わない.
- バタフライでも両方とも量子ではダメ
-- エンタングルメントや古典通信路を補助的リソースとして使う
-- 古典通信で可解なネットワーク符号問題は,古典通信路が使...
* 企画セッション 5: 計量経済と機械学習 [#u09db33b]
** Sequential Estimation of Structural Models with a Fixe...
下津克己(一橋大学 経済学研究科)
- 独占と完全競争の中間ぐらいが現在の市場 → 不完全競争
-- 企業間の戦略的相互作用:価格決定などは相手の反応を予測...
-- 経済学:市場の動きを調べる
- 構造的経済理論:パラメータを明示的に盛り込んだモデル
ゲーム理論的な話し
- 利得行列:両方とも参入 (1,1),両方とも不参入 (0,0),一...
- Nash均衡:相手の行動を知ったとき,お互いに自分の行動を...
- 均衡は一意には決まらない
私的情報があるときの場合
- 利得行列:両方参入(ε1-θ,ε2-θ),両方不参入 (0,0),一方...
- 主観的確率=信念(belief)を考える.参入確率 Pi とし,自...
-- ベイズ完全均衡 (Bayesian perfect Equibalium):両方とも...
- 参入確率の推定値から,θが計算できる.
- 実験行動経済学:実際モデルどおりに人は行動するか?→場合...
-- 公共財などの例では,大きくモデルからはずれる.
構造推定モデル:動的離散ゲーム
- 参入後の利潤 Π:他の参入状態,市場の状態,1期前の参入の...
-- 費用パラメータ θ を求める
- 状態遷移をマルコフ過程とすると,全体はマルコフ決定過程...
- 現在の信念から,次の信念への写像の不動点からBPEが求まる
不動点の求め方
- nested fixed point:いろいろなθで,不動点を求め,その不...
- constraint optimization approach:不動点の条件を拘束条...
- nested pseudo likelihood (NPL):Pの初期値と,θを交互に...
- 実際のデータを扱っているような経済研学者は:扱いやすく...
** Model Averaging without Non-negative Constraints [#l9c...
奥井亮 (京都大学 経済研究所)
モデル平均法 (model averaging)
- 計量経済学の中では機械学習に近い
-- 無限個の説明変数がある回帰
yi=μi + ei
μi=Σ{j=1}^∞ θj x_ji
ei|xi〜N[0,σ^2]
- 無限次元のモデル考えるのは難しいので,m種類の変数を選ん...
-- 打ち切った残りの変数に関連した項の和が近似誤差
-- 変数選択は情報量規準を使う
変数の重み付け
- パラメータの事後確率を使う,情報量規準の大きさを使う
- ここでは平均2乗誤差の最小化
** ノンパラメトリック操作変数推定における変数選択規準 [#w...
末石直也 (京都大学 経済学研究科)
内生性:E[xi ei]≠0 ノイズと説明変数に相関があるとき
- 内生性が生じる原因:-- 無視したり,観測されない変数(om...
操作変数
- 説明変数 xi とは相関があるが,誤差項 ei とはそうかんが...
- 2段階最小二乗法
yi=xi^T β + ei
xi=Γ^T zi + ui
vi=ei + ui^T β とすると,vi と zi の相関はなくせる
- 教育期間 には相関があるが,個人の能力には相関のない値と...
この2段階最小二乗法をノンパラで
- 無限個の操作変数が必要になってしまう
* 企画セッション 6: 理論生物学と学習・統計との新たな接点 ...
** 成長する上皮組織の力学過程 [#re3545d5]
石原秀至 (東京大学 総合文化研究科) 代理の杉村さん
- 形態形成過程:胚が発生するとき,細胞の上皮のMyosin収縮...
-- 侵襲的だと,張力の大きさは測れる → 力を推定する方法を...
-- ハエの羽について,そのパターン形成過程について
張力の推定
- 細胞の頂点の位置のデータから,細胞の圧力・張力を推定する
- モデル
<力のバランス> + μ <理想状態を示す正則化項>
- 侵襲的な方法で,予測の正しさを検証 → なかなか良い
ショウジョウバエの羽の応力
- 羽の長い方を横と呼ぶ
- さなぎの状態でも,横向きに大きなテンションがかかってい...
-- 侵襲的な検証や,Myosin の分布も推定を支持
- 最大応力方向は横方向と応力のバランスを調べる
-- 横方向に引っ張ると,その方向にMyosinが濃縮される → 細...
- 成長にともなって,六角形の安定した形の細胞が増える
- 張力の偏りが多いほど,六角の細胞が多い → 張力がより安定...
- ところが,横に引っ張ると六角の細胞は増えるが,縦だと増...
- 六角形が増えるのは,異方的な張力がかかると,六角形の向...
** 1分子計測データに対するパラメータ推定 [#x5c27a63]
宮崎牧人 (京都大学 理学研究科)
1分子実験
- 固定した蛋白質に大きなプローブを結合させて,それを観測...
-- プローブは,解像度が良くて,操作も可能
-- 観測したプローブから,蛋白の動きやパラメータを推定する...
- 二つの軌道が一致する事後確率を推定するアプローチ
-- パス経路積分:物理での,軌道が一致する確率を扱う手法
-- 対象とプローブを繋ぐリンカを幾つか変えてデータをとる
** 統計モデルによる計算論的認知科学 [#o3f6b8d5]
佐藤好幸 (電気通信大学 情報システム学研究科)
- 人の知覚がベイズ推定でよく推定できることが最近分かって...
-- 脳はあるがままを知覚している訳ではない:錯覚など
-- フィルターがかかっているように見える場合は,それを補正...
-- でっぱり・ひっこみのパターン:光が上から当たってるとい...
時間順序判断タスク
- 音と光を出す.どっちが先にでたかどうかを被験者に答えて...
- psychometric function:どっちが先か,その時間差と,音が...
- 真の時間差にノイズが加わって知覚されるとモデル化
適応現象
- 人間は周りの環境に合わせて,知覚や運動を追随させている
- 同じ時間差の刺激を繰り返し提示すると,時間差がなくなっ...
-- psychometric関数の移動に相当=lag adaptation
- 触覚刺激で,左右の腕のどっちが先か?という問題だと,逆...
-- 知覚のベイズモデルで説明してみよう
モデル
- 入力 x,入力タイムラグ μp, P(x - μp)〜N(0,σp^2)
- 観測値 y,タイムラグ μl P(y - x - μl)〜N(0, σl^2)
- 入力と出力の時間間隔:ηpとηl
-- このモデルの時間的な遷移を考える
- 次の量の符号が,従来・BC適応のどちらに適応を決める
[ηl^2 / σl^2] - [ηp^2 / σp^2]
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