しましま/人工知能学会全国大会2024
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* 人工知能学会第38回全国大会 [#m4f67d3c]
- このページはしましまが[[人工知能学会全国大会2024>人工知...
- ホームページ: http://ai-gakkai.or.jp/jsai2024/
- 日時:2024年5月28日(火)〜 5月31日(金)
- 会場:[[アクトシティ浜松>https://www.actcity.jp/]] + オ...
#contents
* 5月28日(火)1日目 [#w4fdadb4]
* プレナリーセッション:現場の問題から始めるAIシステム [#...
山口 高平
- 現場の問題にAI技術をどう適用するかを提案する「AIプロデ...
-- 生成AIを使うとか特定の技術を使うことありきではなく,い...
- 知識の分類
-- 外在化性:暗黙知⇔形式知
-- 表現形式:構造化かどうか,表現形式:手続き・判断・合理...
-- 領域固有性:常識と専門知識
- オントロジー=階層的な分け方 ⇒ もの・こと分析=固有表現...
- 知識ベース開発工程
-- 実際の体験談は専門家から聞けるが,ルールの形式では提供...
- 出張お助けくんAI
-- 会計規則の理由まで分かる人は少数で,他の人は手続きだけ...
-- 会計ルールに基づく自動化による効率化 → 雇用の減少の危...
- 交通システムのメンテナンス
-- マニュアルに記されていることはほとんどない,インタビュ...
-- 実作業をシステム管理者がして,それに対する熟練者の教示...
-- AIスマートグラス:作業に対する理由を提示
-- 研修センターでは使えたが,道路では音声認識の騒音対策な...
- ロボット飲食店
-- ペッパーが入店した顧客に近づく → 直線的に来ても接客に...
-- PRINTEPS:飲食店の業務フローの記述
-- 商品を運ぶロボ=顧客に受け渡し
-- ゴミ回収ロボ=呼ばれると回収にいくが,子どもに人気で寄...
-- トラブル対応の人員は必要で,それを回収できるかどうかは...
-- 実用上は限定されたタスクへの適用も考える
--- 配膳で人間の店員と交錯する問題があったが,下げ膳のみ...
- 教師ロボット連携
-- ロボットが授業に参加して,生徒と教師の媒介になる
* BIAS2024 [#z3e2ea07]
** Keynote: Diversity bias of AI applications in the labo...
Carlotta Rigotti (Leiden University)
- 雇用の実務家 → AIシステム:精度や公平性に貢献
-- 欠点:コストの押しつけ,実務家の減少,プライバシ,透明...
- Amazon の雇用ソフトウェアが差別的(※ これはプライバシを...
- 雇用市場での,BIASプロジェクトのバイアスを研究
-- NLPやCBR導入での変化
- 事例
-- substantive fairness:知識やスキルのみに基づく判定
-- procedual fairness:手続きが大丈夫なら公平
- data protection law (GDPR)
-- fairness + lawfulness + transparency:サンプリングを均...
-- anti-discrimnation law:直接差別と間接差別の両方
-- AI Act:差別の禁止
- 雇用者への質問調査,システムに聞かれたことや,そのこと...
-- 趣味とかを聞かれることがあったが,差別的と感じることあ...
-- 全般的にポジティブか中立の印象がおおい
** Governing AI in Hiring: An Effort to Eliminate Biased ...
Muhammad Jibril & Theresia Averina Florentina (Universita...
- AI audit law:第3者の監査
- GDPR:AI単独の決定の禁止
- California's Bill AB331:自動決定のアセスメントの義務
- EU AI Act:リスクの段階,雇用は high-risk で,可能な中...
- AAA 2023:アセスメントの義務
- MPC Guidance:効果やバイアスについてアセスメント
- 自動化とAIの差は,その必要性に応じて変更される
-- AI audit law=ほとんどの決定を自動化,GDPR=完全な自動...
- AIを使って人間が監視 ⇔ AIの干渉を最小化して人間
- compliance measures:第3者による監査,チーム内に倫理担当
* 生成AI時代のナレッジグラフ [#hc89d758]
黒川 茂莉(KDDI総合研究所)、古崎 晃司(大阪電気通信大学)
- ナレッジグラフ推論チャレンジ
-- 推理小説部門=既存のシャーロックホームズのKG以上のもの...
-- LLMを使って知識を抽出
- KGの一つ Wikidata の情報を正解として ChatGPT の回答を調...
-- 3.5 → 4 でだいぶ改善されている
- KG:データベース,ヘテロ(異質)な情報を構造化し統合,...
-- 個別的な知識の参照データとして
- 文書中のチャンク:似ているものではなく,関係したものを...
- 生成AIからKG生成
-- 生活空間のシミュレーターに生成したシナリオに対応する履...
- 生成AIを活用した知識処理(森田さん)
- KG:知識共有基盤,知識表現,信頼できる情報源
- LLMでエンティティ名を抽出し,関係も抽出
- GPTに基づく利用者の潜在的要求の推論
- ビジネス応用(広田 航)
-- 業務内容に合わせたニュース配信 → 事業領域のドメイン知...
-- 製品の特徴から,新たな販売分野の提案
- 生成AIとナレッジグラフの融合(黒川さん)
-- KG:連想の引き出し,ロングテールへの対応,生成AIの記憶...
-- 画像のシーン理解:ウェイトレスは食事を運んでくるといっ...
* 人間とAIが協調して学習するデジタル空間を活用した社会構...
オーガナイザ:西田 遼(産業技術総合研究所)、大滝 啓介(...
西田さん
- オンデマンド型乗合サービス:乗降スポットで呼ぶ乗合タク...
-- 実験は高コストなので,シミュレーションで検証
-- 車両数,走行距離,乗客数が増えれば乗降スポットありの乗...
-- 鉄道やバスとの連携 → 個人の交通手段が変わるのかをシミ...
- 群衆の誘導:案内などの介入によって,群衆の移動や混雑を...
- GHG排出量の削減 → 商用車のEV化
-- シミュレーションにより排出量を予測
はたらくを支援するデジタル空間
- 作業者の行動モデルを作り,シミュレーションを行う
- 物流倉庫作業
-- 実データと比較すると,シミュレーションは一斉に昼休みが...
-- ロボット導入の効果測定 → ロボットが運んで,棚への出し...
- 飲食店の接客スキル
-- 訓練の短時間化を,VR で作業をして,その履歴を指導者が...
- VR空間での,実作業者と仮想作業者の協調作業
吉村さん
- 都市中心部を歩行者空間にして再活性化
-- 歩道を広げたり,交差点などの車両の進入領域を歩行者に開放
- 歩行者と車の共存:問題点=バス停が駅から遠くなる,自転...
-- VR と実空間の一致検証,歩行者と軽車両の分離,混雑の不...
-- VRの利点:再現性,多様な状況,危険な実験,人の行動を計...
- 実空間だと横断歩道を渡りやすいということが,VR空間で再...
-- 人はVR空間が珍しくエキセントリックな行動をしやすいので...
-- VR空間でも,横断歩道が良く使われ,また周囲の安全確認の...
高野さん
- Web市場の拡大に伴う環境の複雑化 → メンタルヘルス
-- 実社会では見つからなかった人間関係を,オンラインで構築
- 人間の行動はアバターに影響される → ソーシャルサポートへ...
-- Avatar Identification=自己とアバターとの関係性
- プラットフォーム「ピグパーティでの調査」
-- 髪型などを変えても自己との関係性は変わらないが,輪郭や...
-- 静的マイノリティなどの社交不安があることと,アバターコ...
* 5月29日(水)2日目 [#fa7233cf]
* 楽器の街・浜松で考える《Music×AI》の未来 [#c15fcdae]
- 北原 鉄朗
-- 生成AI以降のAIの文化,音楽を楽しむ我々への影響
-- 曲の雰囲気を高低を表す単純な線で表し曲を自動生成,盛り...
- 中村 栄太
-- 演奏からの楽譜生成
-- 音楽文化の展開の背後にある原理を理解したい
-- CREEVO=AIによる創作スタイル:歌詞を入力するが,人は愚...
- 前澤 陽
-- ヤマハで自動伴奏などのチームマネジメント
-- 利用者の達成感を奪わない,できることとできないことの習...
-- 生成は意外な気付きを与えてくれる
-- 現状は大規模なデータから一定のマナリズムは獲得できている
- 德井 直正
-- Neutone Morpho=VAEを用いたリアルタイム音色変換プラグ...
-- 音楽からの背景動画生成,制作者が全部を制御できないとこ...
- 浜中 雅俊
-- 人文学的な視点から,AIの音楽文化への影響
-- 音楽著作権:著作権制度を音楽の創作性を社会的枠組みとし...
--- クラッシクの創造性は作曲に,ジャズだと演奏に創造性が...
-- 剽窃やパクリに文化的視点から
** AIは音楽や音楽を楽しむ我々をどう変えるか? [#gf5bbd6d]
- 新しい聴取・消費の方法を提供する
-- 多くの音楽の要素を混ぜ合わせて聴取する
- 音楽は,音響だけでなく,音響を生成する行為全体とすれば...
- アーティストが作者ではなくブランドになる
-- 音楽に仕上げるのにエンジニアリングも関係しているが作者...
-- 漫画や工房で創る絵画など,今までもそういうものはあった
-- 著作権を考えると,責任主体みたいなものがあるという社会...
-- 音を楽しみたい ⇔ アーティストに入れ込みたい
- 表現の枠そのものを拡張するような,変革的創造性は,今のA...
-- 事例としての新しさ,スタイルとしての新しさ
- 「創造性を人間が見いだせる」ことが重要
** AIは音楽を作りたいユーザのパートナーになれるか? [#vb0...
- 利用者の自己効力感=自分で動かして音を作り出す欲求を満...
-- DJ が出てきたときは音楽じゃないという他分野の音楽家が...
- パートナーになれるかどうかは,意外性や予測不可能性を人...
- パートナーになる必要性自体がない
- 演奏できなくても,ブライアン・イーノのようなプロデュー...
-- 創造のハードルは上がって,今までの内挿に留まるものしか...
* 進化する大規模言語モデル [#jf976c9e]
相澤 彰子1 (1. 国立情報学研究所)
- LLM後に自然言語処理の研究者がしていることの紹介
LLMの進化の系譜
- https://lifearchitect.ai/models/#summary-moels
- https://github.com/llm-jp/awesome-japanese-llm
- Hugging Face上の生成型言語モデル https://huggingface.co...
- モデルは,他のモデルをベースを生成されている
-- 進化系統樹 https://arxiv.org/abs/2304.13712 → 大きく三...
- LLMの黎明期
-- 分布仮説と文脈類似度 → 文脈が類似している文脈語のベク...
-- 〜数千万次元 → 数百〜数万の埋め込みに圧縮
- word2vec:一部の語を隠して,その語を予測するモデルを教...
-- アナロジータスク:概念間の推論が空間上の計算でできた
- タスク性能の飛躍的向上
-- 未知語:マルコフモデルは未知語の生成確率が0になってし...
--- 未知語トークンで代替していた
--- 2016〜 サブワードに分割して対応
-- 語義の曖昧性:多義語の問題
--- ロジスティック → RNN で語の順序を考えることで対処 htt...
--- transformer で文法・意味制約に対応できるように → BERT...
- 大規模化 2020〜
-- 文字列を生成する生成モデルの大規模化
-- エンコードしてデーコードして元のトークン列に戻す → デ...
-- タスクごとの特徴 → タスクごと損失関数 → プロンプト入力...
-- プロンプト → 自然言語なので,いろいろな人が利用できる...
-- 統一モデルは規模の競争に
- LLMの多様化
-- mixture of experts,多義語の選択理由も示せるように
LLM構築の現場レポート
- LLM-jp と NII LLMC https://llm-jp.nii.ac.jp/
- 構築:コーパス,モデル,チューニング
- コーパス整備
-- chinchilla scaling law:1パラメータ=20トークン が必要
-- 目的に合わせたコーパスの混合 https://arxiv.org/abs/230...
--- 分野(対話,論文)や,言語の比率
-- コーパスの質:有害情報,重複,文書の質の担保
-- 課題:現状 15兆トークンとなっている,token crisis=良...
- モデル構築
-- tokenizer=未知語をサブトークンに分解する,小さな辞書⇔...
--- トークン数で課金,入力長はトークン数で制限 → 言語によ...
--- 統計的アプローチの限界で,形態素は性能には関係しなさ...
-- モデルの訓練 → 高コスト
--- 少しでも効率的に最後まで計算するには,ノウハウの塊
- チューニング・評価
-- 固有表現抽出や含意関係認識など,個別のタスクにあわせた...
-- タスク自体も多様化:コード生成,社会的規範
-- 統合モデルは多様なタスクで評価する必要 → ベンチマーク...
--- データリーク:訓練と評価データを分けるのが難しい,直...
--- 同じ質問でも,選択肢の集合など聞き方で変わる → 問題自...
--- 「結婚してるの?」という質問に擬人化して答えてよいか...
- 透明性・安全性
-- LLMの構築にLLMが必要:軽量化,再利用,フィルタリング,...
-- データだけでなく,モデルから学んでいる → モデルのネッ...
雑感
- 正しい言語とは:誤記の delve という語が論文に増えている
-- 人の文書でも,LLM出力でもそれらを見ると,語の使用頻度...
- 新しいビッグサイエンスなった,経験則とトレードオフの嵐...
* 5月30日(木)3日目 [#j4105732]
* データセットとベンチマークの技術的・社会的な視点 [#b296...
オーガナイザ:鈴木 健二(ソニーグループ株式会社)、原 聡...
** (OS招待講演) EUにおけるAI・データ関連法制の状況 [#p365...
〇生貝 直人1 (1. 一橋大学)
- AI規制論の変化
-- 生成AI以前:EU以外はソフトロー,製品安全+プロファイリ...
-- 生成AI以後:EU以外もハードロー,誤情報と情報環境全般へ...
- GDPRとAI
-- 透明性・異議の申し立てる権利(22条)
-- データへの扱い.情報提供(12条)アクセス権(15条)消去...
- EU AI Act
-- 2021年4月に提案,2024年5月22日成立
-- 4段階にリスクを分けたリスクベースアプローチ,汎用目的A...
-- AIの定義 3条-1,汎用目的AIモデル 3条-63
-- 許容できないリスク:サブリミナル技法,顔識別の無差別ス...
-- ハイリスクAI:入試,裁判,機械などの安全性
--- データの偏りがない,人間による監視などの整合規格
--- New legislative framework (NLF) が実質的なルール形成
-- 低リスクAI→本人への通知,生成AIのものはウォーターマー...
-- 最小リスク→制約なし
-- 汎用目的AI:学習データの公表,データ権利者のオプトアウト
--- 一定計算量以上の汎用目的AIモデルはシステミックリスク...
-- 生成AIのリスク:人間が作ったのと紛らわしい
-- 適用範囲は,生成された出力が域内で利用される場合
- アメリカ
-- 2023年の大統領令
-- dual-use基盤モデル:社会に大きな影響がある場合はハード...
- 欧州評議会「AI条約」
-- 2024年5月採択,主に公的部門に対する制約
- デジタルサービス法
-- EUの人口10%以上が利用するサービスに対するシステミック...
- データ法
-- データ契約の公正性などの定義
- 日本の状況
-- 文化審議会著作権分科会「AIと著作権に関する考え方」
--- オプトアウトの条件を変更
-- AI事業者ガイドライン
--- データの透明性確保,ソフトロー
--- ディープフェイク対応,「AIの進化と実装に関するプラッ...
** 不法行為判断予測データセット構築におけるELSI課題 [#s96...
〇山田 寛章1、小原 隆太郎2,3、角田 美穂子3 (1. 東京工業大...
- 不法行為データ集合:法的判断予測 → 定型的な紛争調停の省...
-- 海外には多くあるが,日本法向けのものがなかったので民法...
- タスク設計:争いのない事実,原告の主張,被告の主張 → 不...
-- 3477件を41名の法律専門家がアノテーション
- 裁判所でデジタル化・公開されている判決書が限定的 ← 全体...
-- 商用判例データベースはやや網羅的
- AIの司法における適切な用途
-- 信頼を高めるためのもので,判断者の責任者を解除する方向...
-- 誤予測があることを前提とした利用,納得性の確保,リスク...
- データの利用可能性と権利保護
-- 元データのステークホルダーの権利,データベースを作った...
** デンマークにおける公共部門によるデータセット公開とプラ...
〇内藤 識1 (1. 早稲田大学)
- EUの法令:GDPRによる規制と共に利用を促進するdirectiveも...
- DinGeo.dk:自治体などの1000以上の情報,不動産,洪水,学...
- スマートメーター:電力消費量に応じて価格を変動させて温...
- 日本では判例は一部しか公開されていないが,デンマークはA...
-- エストニア:判例データの公開を一部のみの公開にすること...
- オープンデータ:行政の透明性向上 ⇔ プライバシー保護,同...
* AIは『鉄腕アトム』の夢をみるか?~生成AIによるコンテン...
手塚 眞
- 1996年,富士通と共同でコンピュータエージェント「TEO フ...
-- 架空の動物とのインタラクション,視覚センサーとマイクを...
-- IJCAI1997での講演でマイクに反応せず.デモのときに,生...
-- 子どもが本当の動物だと思い込んで,嫌われたことに精神的...
-- 大声は嫌うように作っていたが,再学習気候によってそうで...
- 手塚治虫の新作を作るプロジェクト TEZUKA2020
-- 「ぱいどん」自動生成のシナリオを手塚さんが修正,キャラ...
- TEZUKA 2023:ブラックジャックの新作を作る
-- プロットはやはり人間が最終段階は修正
-- 画像の生成はうまくできたが,チューニングに使う手塚治虫...
-- タイトルは自動生成したものから選んだ,プロにも以外なタ...
- プログラムの反応によって,人間には生命があると思い込む...
AIに創造的な発想ができるか?
- クリエイティブ=抽象的な精神活動の表出,0から1は生み出...
- 「人間の最大の能力は抽象的思考である」
- 2万年ぐらい前から絵を描く → 動物を線画に抽象化している...
- 土偶・土器=人間とかけ離れた姿,火炎のような土器 → かな...
- クリエイティブな発想の要因
-- 外的要因:制作条件=締切がないと完成しない,時間・空間...
-- 内的要因=学習してきた内容,過去の記憶,いろいろな情報...
-- 超心理的要因=インスピレーション=突然思いつく,発見=...
- クリエーションは心が創る → この心をAIが持ちうるか?
- 創作のプロセス:発想 → 計画 → 実行 → 検証 → 発表
-- 発表=作ったものが観客に見られたときに作品は完成する
-- 現状は実行はできるが,検証・発表の段階が全くできない
- 現在のAIができること:模倣,シミュレーション,パターン...
-- アート作品,複雑な心理コンテンツ,心理と表現が複雑に絡...
- 漫画表現:ストーリ,ネーム(せりふ)コマ割り,キャラ,...
-- 絵がコマをまたぐコマ割り,コマがだんだん小さくなる演出...
- 創作パートナー・アシスタントとしてのAI:既存のアイデア...
- 今後のAIによる創作の可能性
-- 企画アイデアのシミュレーション=そのままは使えないがネ...
-- プロットからのシナリオ生成=短いプロットを長くする
-- 複雑なシミュレーション=肖像権をクリアするために,街の...
-- 複雑な手作業の工程の緩和=災害の状況など生成
-- 現実には行えない表現のサポート=病気などで途中で出演で...
-- 表現の調整=メーキャップの変更
- 生成AIを使ってゆくために
-- どこに使っていくか → 計画を立てる
-- 個人に合わせたカスタマイズ → 効率のよい生成を誘導
-- 生成プロセスの高度な制御 → 思ったことを表現できる
-- クオリティコントロールと評価 → 品質の担保を専門家が保証
- AIを使うには,つねに専門家を必要とする
-- プロのクリエータになるには,最初からAIに頼らず,ノウハ...
* 次世代AIモデルの研究開発へ [#wb61fca8]
** 福島 俊一(科学技術振興機構) [#r68a3226]
- CDRSの戦略提言:賢く見える理由,リスク対応技術,社会課...
- 次世代AIモデルの基本原理の研究:自然効率,実世界操作,...
-- 道具としてのAI,人間の知能に近づける,望ましいパートナー
-- 大規模モデルが賢く見える原理の解明,生物からのヒント,...
** 尾形 哲也(早稲田大学) [#naecb718]
- LLMを手がける企業が人間型ロボットに参入 → ロボット用の...
- 現在の大規模モデルは現実と虚実の区別がない → 人間に合わ...
- ピッキングなどの部分タスクはデータを集めればできそうだ...
** 谷口 忠大(京都大学/立命館大学) [#da6154e5]
- 記号創発システム
- 物理なり社会的なりの制約が必ずある
- 集合的予測符号化仮説:言語自体が世界を符号化しやすいよ...
- 三重過程=社会的規範・集合的知能が,システム1や2の他に...
** 三宅 陽一郎 [#oc0c7787]
- AI学会の AI哲学マップ
-- https://doi.org/10.11517/jjsai.38.1_56
-- https://doi.org/10.11517/jjsai.38.2_245
-- https://doi.org/10.11517/jjsai.38.3_408
-- 哲学から人工知能への15の批判
- 環境ととの結びつきは身体がないので限定的
- その空間で拡大する植物型知能
** 牛久 祥孝(オムロンサイニックエックス) [#d14db4ed]
- データ駆動科学:AlphaFold,Matlantis
- 各分野に特化したAIを作るのは困難,専門データの収集は難...
- 汎用性=モデルに学術情報は少ない,外挿性=ドメイン外の...
** 山川 宏 [#w20fd5f5]
- Sleeper Agents:LLMにバックドア(ある時期になると変なこ...
- gatekeeper アプローチ:安全範囲内にモデル押さえ込む構想
- ポスト・シンギュラリティ共生学:超知能が存在する世界で...
** 討論 [#jf8c1561]
- 知識は自然言語ではなく,機械可読な形式で集積しては?
- 社会としての行動を維持するために,言語の意味の変化とい...
- 客観的概念というのは本当はなくあらゆるものは文脈依存だ...
- AIが何を考えているか教わる仕組みの必要性
- 分からないときに問いを作るのは難しい,何が報酬になるの...
* 5月31日(金)4日目 [#d7efe14c]
* スポーツデータとAI:スポーツをシステムとして捉えて楽し...
神武 直彦
- 事例紹介
-- フェンシング:高速カメラ画像から,動きの良し悪しの解析
-- アーティスティックスイミング:演技の技術点判定をレーザ...
-- ラグビー:リーダーシップ,フィジカル向上と怪我の回避
- ラグビー:2019年→2023年
-- 扱うデータは同じ:練習内容,食事,休息
-- 特定の選手のプレイの質や量を把握可能になった
--- 海外に外注 → BIツール・ChatGPTの利用で自己分析可能に
-- ChatGPTによってデータ処理やコーディングを行う
--- 目的は明確だが,実現方法は分からなかった → 映像の対比...
-- 睡眠データから拾う状態を把握 → 食事などの環境面の改善
-- 強豪国はデータやシステムにも強い
- スポーツの苦手意識の克服
-- 早生まれの人はスポーツから早期に離脱しやすい ← プロ選...
- 畜産:事業者の高齢化,室内から放牧へ
-- 位置情報 → 行動変化からの健康状態モニタリング
スポーツをシステムとして捉える
- 慶応の高校野球チームの強化 → エースがいないなかで,チー...
- アスリートの日常:競技機械,トレーニング,コーチング,...
- Daniel J. Simons:パスの回数を数えさせることに注目する...
-- 一部分を理解して全体と理解できない,自分と違う意見が間...
- システム思考:繋がりを理解して,介入の副次的な影響を考...
-- アポロ計画で言われるようになった
スポーツデータとAI
- スポーツ:クローズド(非対戦)⇔オープン(対戦)と 個人⇔...
- AI適用の難しい種目:団体オープン,攻守が変化,多人数・...
- スポーツの成績に影響する要素:心技体 → 医療とも関連する...
-- 技 → センサー:映像(ドローン,固定,iPad),GPS,加速...
-- 体 → センサー,自己申告
- スポーツへのAI活用:自動化,可能性・リスク予測,創造性...
- ラグビーの事例
-- フィジカル面が重要で,データ分析の知見がある
-- 試合中もGPSを付けている,日本近辺を重点化した衛生 みち...
- データ活用の例:怪我の予防,コミュニケーションの誘発,...
- 映像の利用:センサーでは敵チームのデータを取れない
-- 個人の識別が難しいのが課題
-- 画像処理で,タックルのタイミングなどのタグ付け自動化で...
- 全力度シート:練習中の活動量を選手にフィードバック
-- 5時間ぐらいかけていたが,自動化処理で練習終了時にすぐ...
コロナ禍の知見
- オンラインのラジオ体操,1000人ぐらいの参加
-- 実グラウンドだと遠くて見えなかったりするが,個々にカメ...
-- 雨で休みのときは返金があったが,オンラインだとそれがな...
まとめ
- 論理的・科学的なスポーツ意思決定需要の高まり
- テクノロジーの高度化と普及によるスポーツデータの普及
- 「だれのため」から「どのように」
- 意思決定インテリジェンス取得のためのAI活用
- スポーツ分野でのAI専門家の需要の高まり
* 信頼されない?AI #1 ~社会とAIの新しいつながりを考える~ ...
オーガナイザ:竹内 孝(京都大学)、谷中 瞳(東京大学)、...
** 丸山 隆一 [#p80aa94e]
- 信頼:対象真実性,内容真実性,対応可能性
-- truster → trustee
- 信頼が成立するタイプ(大屋 2024)判断の依頼の類型 →
-- 類型によって必要な要素:代理型=透明性,権威型=事前審...
** 菅原 朔 [#yf910942]
- 言語システムにおける信頼
-- 文書に摂動・削除を加えて予測 → これが解けているが,こ...
- データ収集の方法論,タスク設計,評価の理論的基盤
- 何を評価するのか,,評価指標,評価の再現性,意図した挙...
- 高度な理解,獲得の原理,妥当な評価
** 竹内 孝 [#d1cc7e97]
- データから将来を予測するAI → 人間のバイアスを継承してし...
- What-if分析:反実仮想,予測するとき一部明らかなものを予...
- 実際に作るときはプラグマティズム → 演繹的理解との兼ね合い
** 西田 知史 [#fc74ff3f]
- 客観的信頼性=指標で評価 & 主観的信頼性=人間が主観で
- AIへの信頼に関わる要件のアンケート:「陰ながら支えるAI...
- 機能における信頼と社会的関係における信頼
** 原 聡 [#fb7d3bb4]
- 説明可能AI:どんなに説明しても,気に食わないと信頼しな...
- 修正可能AI:干渉できるようなAI
** 藤井 慶輔 [#c5befcac]
- スポーツAI:データ収集は困難,反実仮想の推定,強化学習...
- 選手からファンまで関係者の信頼を得る
-- 選手(除く野球)→ 数値評価を信用しない
-- 指導者・監督 → 主観にあうかどうかで決まる
-- チーム経営者 → 親和的
** 松原 崇 [#k654e936]
- 物理の第一原理を信頼している人にはAIは受け容れられない
- 背後にある数理的関係性の知識のあるデータ駆動予測
** 谷中 瞳 [#g48b2e4f]
- モデルの信頼性:透明性と論理的意味
- 記号論理と機械学習の相補的な利用
** 岸田 昌子 [#ub7aa369]
- 制御理論,不確実性の動的システムへの影響
- AI自立的に意思決定を行う目的は制御と同じ ⇔ 制御の方が理...
- リスクを明示的に考慮することに注目している
** 討論 [#hda2c899]
- reliability=道具として→工学的に保証,trust=仲間として
- 親密さを獲得する意図をもったものは危険
- 性能評価の reliablity 向上がどう trust に繋がるか
- 説明・プロセスの実効性はあまり感じない
- 信頼の根拠となる trust anchor は人によって異なる
終了行:
* 人工知能学会第38回全国大会 [#m4f67d3c]
- このページはしましまが[[人工知能学会全国大会2024>人工知...
- ホームページ: http://ai-gakkai.or.jp/jsai2024/
- 日時:2024年5月28日(火)〜 5月31日(金)
- 会場:[[アクトシティ浜松>https://www.actcity.jp/]] + オ...
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* 5月28日(火)1日目 [#w4fdadb4]
* プレナリーセッション:現場の問題から始めるAIシステム [#...
山口 高平
- 現場の問題にAI技術をどう適用するかを提案する「AIプロデ...
-- 生成AIを使うとか特定の技術を使うことありきではなく,い...
- 知識の分類
-- 外在化性:暗黙知⇔形式知
-- 表現形式:構造化かどうか,表現形式:手続き・判断・合理...
-- 領域固有性:常識と専門知識
- オントロジー=階層的な分け方 ⇒ もの・こと分析=固有表現...
- 知識ベース開発工程
-- 実際の体験談は専門家から聞けるが,ルールの形式では提供...
- 出張お助けくんAI
-- 会計規則の理由まで分かる人は少数で,他の人は手続きだけ...
-- 会計ルールに基づく自動化による効率化 → 雇用の減少の危...
- 交通システムのメンテナンス
-- マニュアルに記されていることはほとんどない,インタビュ...
-- 実作業をシステム管理者がして,それに対する熟練者の教示...
-- AIスマートグラス:作業に対する理由を提示
-- 研修センターでは使えたが,道路では音声認識の騒音対策な...
- ロボット飲食店
-- ペッパーが入店した顧客に近づく → 直線的に来ても接客に...
-- PRINTEPS:飲食店の業務フローの記述
-- 商品を運ぶロボ=顧客に受け渡し
-- ゴミ回収ロボ=呼ばれると回収にいくが,子どもに人気で寄...
-- トラブル対応の人員は必要で,それを回収できるかどうかは...
-- 実用上は限定されたタスクへの適用も考える
--- 配膳で人間の店員と交錯する問題があったが,下げ膳のみ...
- 教師ロボット連携
-- ロボットが授業に参加して,生徒と教師の媒介になる
* BIAS2024 [#z3e2ea07]
** Keynote: Diversity bias of AI applications in the labo...
Carlotta Rigotti (Leiden University)
- 雇用の実務家 → AIシステム:精度や公平性に貢献
-- 欠点:コストの押しつけ,実務家の減少,プライバシ,透明...
- Amazon の雇用ソフトウェアが差別的(※ これはプライバシを...
- 雇用市場での,BIASプロジェクトのバイアスを研究
-- NLPやCBR導入での変化
- 事例
-- substantive fairness:知識やスキルのみに基づく判定
-- procedual fairness:手続きが大丈夫なら公平
- data protection law (GDPR)
-- fairness + lawfulness + transparency:サンプリングを均...
-- anti-discrimnation law:直接差別と間接差別の両方
-- AI Act:差別の禁止
- 雇用者への質問調査,システムに聞かれたことや,そのこと...
-- 趣味とかを聞かれることがあったが,差別的と感じることあ...
-- 全般的にポジティブか中立の印象がおおい
** Governing AI in Hiring: An Effort to Eliminate Biased ...
Muhammad Jibril & Theresia Averina Florentina (Universita...
- AI audit law:第3者の監査
- GDPR:AI単独の決定の禁止
- California's Bill AB331:自動決定のアセスメントの義務
- EU AI Act:リスクの段階,雇用は high-risk で,可能な中...
- AAA 2023:アセスメントの義務
- MPC Guidance:効果やバイアスについてアセスメント
- 自動化とAIの差は,その必要性に応じて変更される
-- AI audit law=ほとんどの決定を自動化,GDPR=完全な自動...
- AIを使って人間が監視 ⇔ AIの干渉を最小化して人間
- compliance measures:第3者による監査,チーム内に倫理担当
* 生成AI時代のナレッジグラフ [#hc89d758]
黒川 茂莉(KDDI総合研究所)、古崎 晃司(大阪電気通信大学)
- ナレッジグラフ推論チャレンジ
-- 推理小説部門=既存のシャーロックホームズのKG以上のもの...
-- LLMを使って知識を抽出
- KGの一つ Wikidata の情報を正解として ChatGPT の回答を調...
-- 3.5 → 4 でだいぶ改善されている
- KG:データベース,ヘテロ(異質)な情報を構造化し統合,...
-- 個別的な知識の参照データとして
- 文書中のチャンク:似ているものではなく,関係したものを...
- 生成AIからKG生成
-- 生活空間のシミュレーターに生成したシナリオに対応する履...
- 生成AIを活用した知識処理(森田さん)
- KG:知識共有基盤,知識表現,信頼できる情報源
- LLMでエンティティ名を抽出し,関係も抽出
- GPTに基づく利用者の潜在的要求の推論
- ビジネス応用(広田 航)
-- 業務内容に合わせたニュース配信 → 事業領域のドメイン知...
-- 製品の特徴から,新たな販売分野の提案
- 生成AIとナレッジグラフの融合(黒川さん)
-- KG:連想の引き出し,ロングテールへの対応,生成AIの記憶...
-- 画像のシーン理解:ウェイトレスは食事を運んでくるといっ...
* 人間とAIが協調して学習するデジタル空間を活用した社会構...
オーガナイザ:西田 遼(産業技術総合研究所)、大滝 啓介(...
西田さん
- オンデマンド型乗合サービス:乗降スポットで呼ぶ乗合タク...
-- 実験は高コストなので,シミュレーションで検証
-- 車両数,走行距離,乗客数が増えれば乗降スポットありの乗...
-- 鉄道やバスとの連携 → 個人の交通手段が変わるのかをシミ...
- 群衆の誘導:案内などの介入によって,群衆の移動や混雑を...
- GHG排出量の削減 → 商用車のEV化
-- シミュレーションにより排出量を予測
はたらくを支援するデジタル空間
- 作業者の行動モデルを作り,シミュレーションを行う
- 物流倉庫作業
-- 実データと比較すると,シミュレーションは一斉に昼休みが...
-- ロボット導入の効果測定 → ロボットが運んで,棚への出し...
- 飲食店の接客スキル
-- 訓練の短時間化を,VR で作業をして,その履歴を指導者が...
- VR空間での,実作業者と仮想作業者の協調作業
吉村さん
- 都市中心部を歩行者空間にして再活性化
-- 歩道を広げたり,交差点などの車両の進入領域を歩行者に開放
- 歩行者と車の共存:問題点=バス停が駅から遠くなる,自転...
-- VR と実空間の一致検証,歩行者と軽車両の分離,混雑の不...
-- VRの利点:再現性,多様な状況,危険な実験,人の行動を計...
- 実空間だと横断歩道を渡りやすいということが,VR空間で再...
-- 人はVR空間が珍しくエキセントリックな行動をしやすいので...
-- VR空間でも,横断歩道が良く使われ,また周囲の安全確認の...
高野さん
- Web市場の拡大に伴う環境の複雑化 → メンタルヘルス
-- 実社会では見つからなかった人間関係を,オンラインで構築
- 人間の行動はアバターに影響される → ソーシャルサポートへ...
-- Avatar Identification=自己とアバターとの関係性
- プラットフォーム「ピグパーティでの調査」
-- 髪型などを変えても自己との関係性は変わらないが,輪郭や...
-- 静的マイノリティなどの社交不安があることと,アバターコ...
* 5月29日(水)2日目 [#fa7233cf]
* 楽器の街・浜松で考える《Music×AI》の未来 [#c15fcdae]
- 北原 鉄朗
-- 生成AI以降のAIの文化,音楽を楽しむ我々への影響
-- 曲の雰囲気を高低を表す単純な線で表し曲を自動生成,盛り...
- 中村 栄太
-- 演奏からの楽譜生成
-- 音楽文化の展開の背後にある原理を理解したい
-- CREEVO=AIによる創作スタイル:歌詞を入力するが,人は愚...
- 前澤 陽
-- ヤマハで自動伴奏などのチームマネジメント
-- 利用者の達成感を奪わない,できることとできないことの習...
-- 生成は意外な気付きを与えてくれる
-- 現状は大規模なデータから一定のマナリズムは獲得できている
- 德井 直正
-- Neutone Morpho=VAEを用いたリアルタイム音色変換プラグ...
-- 音楽からの背景動画生成,制作者が全部を制御できないとこ...
- 浜中 雅俊
-- 人文学的な視点から,AIの音楽文化への影響
-- 音楽著作権:著作権制度を音楽の創作性を社会的枠組みとし...
--- クラッシクの創造性は作曲に,ジャズだと演奏に創造性が...
-- 剽窃やパクリに文化的視点から
** AIは音楽や音楽を楽しむ我々をどう変えるか? [#gf5bbd6d]
- 新しい聴取・消費の方法を提供する
-- 多くの音楽の要素を混ぜ合わせて聴取する
- 音楽は,音響だけでなく,音響を生成する行為全体とすれば...
- アーティストが作者ではなくブランドになる
-- 音楽に仕上げるのにエンジニアリングも関係しているが作者...
-- 漫画や工房で創る絵画など,今までもそういうものはあった
-- 著作権を考えると,責任主体みたいなものがあるという社会...
-- 音を楽しみたい ⇔ アーティストに入れ込みたい
- 表現の枠そのものを拡張するような,変革的創造性は,今のA...
-- 事例としての新しさ,スタイルとしての新しさ
- 「創造性を人間が見いだせる」ことが重要
** AIは音楽を作りたいユーザのパートナーになれるか? [#vb0...
- 利用者の自己効力感=自分で動かして音を作り出す欲求を満...
-- DJ が出てきたときは音楽じゃないという他分野の音楽家が...
- パートナーになれるかどうかは,意外性や予測不可能性を人...
- パートナーになる必要性自体がない
- 演奏できなくても,ブライアン・イーノのようなプロデュー...
-- 創造のハードルは上がって,今までの内挿に留まるものしか...
* 進化する大規模言語モデル [#jf976c9e]
相澤 彰子1 (1. 国立情報学研究所)
- LLM後に自然言語処理の研究者がしていることの紹介
LLMの進化の系譜
- https://lifearchitect.ai/models/#summary-moels
- https://github.com/llm-jp/awesome-japanese-llm
- Hugging Face上の生成型言語モデル https://huggingface.co...
- モデルは,他のモデルをベースを生成されている
-- 進化系統樹 https://arxiv.org/abs/2304.13712 → 大きく三...
- LLMの黎明期
-- 分布仮説と文脈類似度 → 文脈が類似している文脈語のベク...
-- 〜数千万次元 → 数百〜数万の埋め込みに圧縮
- word2vec:一部の語を隠して,その語を予測するモデルを教...
-- アナロジータスク:概念間の推論が空間上の計算でできた
- タスク性能の飛躍的向上
-- 未知語:マルコフモデルは未知語の生成確率が0になってし...
--- 未知語トークンで代替していた
--- 2016〜 サブワードに分割して対応
-- 語義の曖昧性:多義語の問題
--- ロジスティック → RNN で語の順序を考えることで対処 htt...
--- transformer で文法・意味制約に対応できるように → BERT...
- 大規模化 2020〜
-- 文字列を生成する生成モデルの大規模化
-- エンコードしてデーコードして元のトークン列に戻す → デ...
-- タスクごとの特徴 → タスクごと損失関数 → プロンプト入力...
-- プロンプト → 自然言語なので,いろいろな人が利用できる...
-- 統一モデルは規模の競争に
- LLMの多様化
-- mixture of experts,多義語の選択理由も示せるように
LLM構築の現場レポート
- LLM-jp と NII LLMC https://llm-jp.nii.ac.jp/
- 構築:コーパス,モデル,チューニング
- コーパス整備
-- chinchilla scaling law:1パラメータ=20トークン が必要
-- 目的に合わせたコーパスの混合 https://arxiv.org/abs/230...
--- 分野(対話,論文)や,言語の比率
-- コーパスの質:有害情報,重複,文書の質の担保
-- 課題:現状 15兆トークンとなっている,token crisis=良...
- モデル構築
-- tokenizer=未知語をサブトークンに分解する,小さな辞書⇔...
--- トークン数で課金,入力長はトークン数で制限 → 言語によ...
--- 統計的アプローチの限界で,形態素は性能には関係しなさ...
-- モデルの訓練 → 高コスト
--- 少しでも効率的に最後まで計算するには,ノウハウの塊
- チューニング・評価
-- 固有表現抽出や含意関係認識など,個別のタスクにあわせた...
-- タスク自体も多様化:コード生成,社会的規範
-- 統合モデルは多様なタスクで評価する必要 → ベンチマーク...
--- データリーク:訓練と評価データを分けるのが難しい,直...
--- 同じ質問でも,選択肢の集合など聞き方で変わる → 問題自...
--- 「結婚してるの?」という質問に擬人化して答えてよいか...
- 透明性・安全性
-- LLMの構築にLLMが必要:軽量化,再利用,フィルタリング,...
-- データだけでなく,モデルから学んでいる → モデルのネッ...
雑感
- 正しい言語とは:誤記の delve という語が論文に増えている
-- 人の文書でも,LLM出力でもそれらを見ると,語の使用頻度...
- 新しいビッグサイエンスなった,経験則とトレードオフの嵐...
* 5月30日(木)3日目 [#j4105732]
* データセットとベンチマークの技術的・社会的な視点 [#b296...
オーガナイザ:鈴木 健二(ソニーグループ株式会社)、原 聡...
** (OS招待講演) EUにおけるAI・データ関連法制の状況 [#p365...
〇生貝 直人1 (1. 一橋大学)
- AI規制論の変化
-- 生成AI以前:EU以外はソフトロー,製品安全+プロファイリ...
-- 生成AI以後:EU以外もハードロー,誤情報と情報環境全般へ...
- GDPRとAI
-- 透明性・異議の申し立てる権利(22条)
-- データへの扱い.情報提供(12条)アクセス権(15条)消去...
- EU AI Act
-- 2021年4月に提案,2024年5月22日成立
-- 4段階にリスクを分けたリスクベースアプローチ,汎用目的A...
-- AIの定義 3条-1,汎用目的AIモデル 3条-63
-- 許容できないリスク:サブリミナル技法,顔識別の無差別ス...
-- ハイリスクAI:入試,裁判,機械などの安全性
--- データの偏りがない,人間による監視などの整合規格
--- New legislative framework (NLF) が実質的なルール形成
-- 低リスクAI→本人への通知,生成AIのものはウォーターマー...
-- 最小リスク→制約なし
-- 汎用目的AI:学習データの公表,データ権利者のオプトアウト
--- 一定計算量以上の汎用目的AIモデルはシステミックリスク...
-- 生成AIのリスク:人間が作ったのと紛らわしい
-- 適用範囲は,生成された出力が域内で利用される場合
- アメリカ
-- 2023年の大統領令
-- dual-use基盤モデル:社会に大きな影響がある場合はハード...
- 欧州評議会「AI条約」
-- 2024年5月採択,主に公的部門に対する制約
- デジタルサービス法
-- EUの人口10%以上が利用するサービスに対するシステミック...
- データ法
-- データ契約の公正性などの定義
- 日本の状況
-- 文化審議会著作権分科会「AIと著作権に関する考え方」
--- オプトアウトの条件を変更
-- AI事業者ガイドライン
--- データの透明性確保,ソフトロー
--- ディープフェイク対応,「AIの進化と実装に関するプラッ...
** 不法行為判断予測データセット構築におけるELSI課題 [#s96...
〇山田 寛章1、小原 隆太郎2,3、角田 美穂子3 (1. 東京工業大...
- 不法行為データ集合:法的判断予測 → 定型的な紛争調停の省...
-- 海外には多くあるが,日本法向けのものがなかったので民法...
- タスク設計:争いのない事実,原告の主張,被告の主張 → 不...
-- 3477件を41名の法律専門家がアノテーション
- 裁判所でデジタル化・公開されている判決書が限定的 ← 全体...
-- 商用判例データベースはやや網羅的
- AIの司法における適切な用途
-- 信頼を高めるためのもので,判断者の責任者を解除する方向...
-- 誤予測があることを前提とした利用,納得性の確保,リスク...
- データの利用可能性と権利保護
-- 元データのステークホルダーの権利,データベースを作った...
** デンマークにおける公共部門によるデータセット公開とプラ...
〇内藤 識1 (1. 早稲田大学)
- EUの法令:GDPRによる規制と共に利用を促進するdirectiveも...
- DinGeo.dk:自治体などの1000以上の情報,不動産,洪水,学...
- スマートメーター:電力消費量に応じて価格を変動させて温...
- 日本では判例は一部しか公開されていないが,デンマークはA...
-- エストニア:判例データの公開を一部のみの公開にすること...
- オープンデータ:行政の透明性向上 ⇔ プライバシー保護,同...
* AIは『鉄腕アトム』の夢をみるか?~生成AIによるコンテン...
手塚 眞
- 1996年,富士通と共同でコンピュータエージェント「TEO フ...
-- 架空の動物とのインタラクション,視覚センサーとマイクを...
-- IJCAI1997での講演でマイクに反応せず.デモのときに,生...
-- 子どもが本当の動物だと思い込んで,嫌われたことに精神的...
-- 大声は嫌うように作っていたが,再学習気候によってそうで...
- 手塚治虫の新作を作るプロジェクト TEZUKA2020
-- 「ぱいどん」自動生成のシナリオを手塚さんが修正,キャラ...
- TEZUKA 2023:ブラックジャックの新作を作る
-- プロットはやはり人間が最終段階は修正
-- 画像の生成はうまくできたが,チューニングに使う手塚治虫...
-- タイトルは自動生成したものから選んだ,プロにも以外なタ...
- プログラムの反応によって,人間には生命があると思い込む...
AIに創造的な発想ができるか?
- クリエイティブ=抽象的な精神活動の表出,0から1は生み出...
- 「人間の最大の能力は抽象的思考である」
- 2万年ぐらい前から絵を描く → 動物を線画に抽象化している...
- 土偶・土器=人間とかけ離れた姿,火炎のような土器 → かな...
- クリエイティブな発想の要因
-- 外的要因:制作条件=締切がないと完成しない,時間・空間...
-- 内的要因=学習してきた内容,過去の記憶,いろいろな情報...
-- 超心理的要因=インスピレーション=突然思いつく,発見=...
- クリエーションは心が創る → この心をAIが持ちうるか?
- 創作のプロセス:発想 → 計画 → 実行 → 検証 → 発表
-- 発表=作ったものが観客に見られたときに作品は完成する
-- 現状は実行はできるが,検証・発表の段階が全くできない
- 現在のAIができること:模倣,シミュレーション,パターン...
-- アート作品,複雑な心理コンテンツ,心理と表現が複雑に絡...
- 漫画表現:ストーリ,ネーム(せりふ)コマ割り,キャラ,...
-- 絵がコマをまたぐコマ割り,コマがだんだん小さくなる演出...
- 創作パートナー・アシスタントとしてのAI:既存のアイデア...
- 今後のAIによる創作の可能性
-- 企画アイデアのシミュレーション=そのままは使えないがネ...
-- プロットからのシナリオ生成=短いプロットを長くする
-- 複雑なシミュレーション=肖像権をクリアするために,街の...
-- 複雑な手作業の工程の緩和=災害の状況など生成
-- 現実には行えない表現のサポート=病気などで途中で出演で...
-- 表現の調整=メーキャップの変更
- 生成AIを使ってゆくために
-- どこに使っていくか → 計画を立てる
-- 個人に合わせたカスタマイズ → 効率のよい生成を誘導
-- 生成プロセスの高度な制御 → 思ったことを表現できる
-- クオリティコントロールと評価 → 品質の担保を専門家が保証
- AIを使うには,つねに専門家を必要とする
-- プロのクリエータになるには,最初からAIに頼らず,ノウハ...
* 次世代AIモデルの研究開発へ [#wb61fca8]
** 福島 俊一(科学技術振興機構) [#r68a3226]
- CDRSの戦略提言:賢く見える理由,リスク対応技術,社会課...
- 次世代AIモデルの基本原理の研究:自然効率,実世界操作,...
-- 道具としてのAI,人間の知能に近づける,望ましいパートナー
-- 大規模モデルが賢く見える原理の解明,生物からのヒント,...
** 尾形 哲也(早稲田大学) [#naecb718]
- LLMを手がける企業が人間型ロボットに参入 → ロボット用の...
- 現在の大規模モデルは現実と虚実の区別がない → 人間に合わ...
- ピッキングなどの部分タスクはデータを集めればできそうだ...
** 谷口 忠大(京都大学/立命館大学) [#da6154e5]
- 記号創発システム
- 物理なり社会的なりの制約が必ずある
- 集合的予測符号化仮説:言語自体が世界を符号化しやすいよ...
- 三重過程=社会的規範・集合的知能が,システム1や2の他に...
** 三宅 陽一郎 [#oc0c7787]
- AI学会の AI哲学マップ
-- https://doi.org/10.11517/jjsai.38.1_56
-- https://doi.org/10.11517/jjsai.38.2_245
-- https://doi.org/10.11517/jjsai.38.3_408
-- 哲学から人工知能への15の批判
- 環境ととの結びつきは身体がないので限定的
- その空間で拡大する植物型知能
** 牛久 祥孝(オムロンサイニックエックス) [#d14db4ed]
- データ駆動科学:AlphaFold,Matlantis
- 各分野に特化したAIを作るのは困難,専門データの収集は難...
- 汎用性=モデルに学術情報は少ない,外挿性=ドメイン外の...
** 山川 宏 [#w20fd5f5]
- Sleeper Agents:LLMにバックドア(ある時期になると変なこ...
- gatekeeper アプローチ:安全範囲内にモデル押さえ込む構想
- ポスト・シンギュラリティ共生学:超知能が存在する世界で...
** 討論 [#jf8c1561]
- 知識は自然言語ではなく,機械可読な形式で集積しては?
- 社会としての行動を維持するために,言語の意味の変化とい...
- 客観的概念というのは本当はなくあらゆるものは文脈依存だ...
- AIが何を考えているか教わる仕組みの必要性
- 分からないときに問いを作るのは難しい,何が報酬になるの...
* 5月31日(金)4日目 [#d7efe14c]
* スポーツデータとAI:スポーツをシステムとして捉えて楽し...
神武 直彦
- 事例紹介
-- フェンシング:高速カメラ画像から,動きの良し悪しの解析
-- アーティスティックスイミング:演技の技術点判定をレーザ...
-- ラグビー:リーダーシップ,フィジカル向上と怪我の回避
- ラグビー:2019年→2023年
-- 扱うデータは同じ:練習内容,食事,休息
-- 特定の選手のプレイの質や量を把握可能になった
--- 海外に外注 → BIツール・ChatGPTの利用で自己分析可能に
-- ChatGPTによってデータ処理やコーディングを行う
--- 目的は明確だが,実現方法は分からなかった → 映像の対比...
-- 睡眠データから拾う状態を把握 → 食事などの環境面の改善
-- 強豪国はデータやシステムにも強い
- スポーツの苦手意識の克服
-- 早生まれの人はスポーツから早期に離脱しやすい ← プロ選...
- 畜産:事業者の高齢化,室内から放牧へ
-- 位置情報 → 行動変化からの健康状態モニタリング
スポーツをシステムとして捉える
- 慶応の高校野球チームの強化 → エースがいないなかで,チー...
- アスリートの日常:競技機械,トレーニング,コーチング,...
- Daniel J. Simons:パスの回数を数えさせることに注目する...
-- 一部分を理解して全体と理解できない,自分と違う意見が間...
- システム思考:繋がりを理解して,介入の副次的な影響を考...
-- アポロ計画で言われるようになった
スポーツデータとAI
- スポーツ:クローズド(非対戦)⇔オープン(対戦)と 個人⇔...
- AI適用の難しい種目:団体オープン,攻守が変化,多人数・...
- スポーツの成績に影響する要素:心技体 → 医療とも関連する...
-- 技 → センサー:映像(ドローン,固定,iPad),GPS,加速...
-- 体 → センサー,自己申告
- スポーツへのAI活用:自動化,可能性・リスク予測,創造性...
- ラグビーの事例
-- フィジカル面が重要で,データ分析の知見がある
-- 試合中もGPSを付けている,日本近辺を重点化した衛生 みち...
- データ活用の例:怪我の予防,コミュニケーションの誘発,...
- 映像の利用:センサーでは敵チームのデータを取れない
-- 個人の識別が難しいのが課題
-- 画像処理で,タックルのタイミングなどのタグ付け自動化で...
- 全力度シート:練習中の活動量を選手にフィードバック
-- 5時間ぐらいかけていたが,自動化処理で練習終了時にすぐ...
コロナ禍の知見
- オンラインのラジオ体操,1000人ぐらいの参加
-- 実グラウンドだと遠くて見えなかったりするが,個々にカメ...
-- 雨で休みのときは返金があったが,オンラインだとそれがな...
まとめ
- 論理的・科学的なスポーツ意思決定需要の高まり
- テクノロジーの高度化と普及によるスポーツデータの普及
- 「だれのため」から「どのように」
- 意思決定インテリジェンス取得のためのAI活用
- スポーツ分野でのAI専門家の需要の高まり
* 信頼されない?AI #1 ~社会とAIの新しいつながりを考える~ ...
オーガナイザ:竹内 孝(京都大学)、谷中 瞳(東京大学)、...
** 丸山 隆一 [#p80aa94e]
- 信頼:対象真実性,内容真実性,対応可能性
-- truster → trustee
- 信頼が成立するタイプ(大屋 2024)判断の依頼の類型 →
-- 類型によって必要な要素:代理型=透明性,権威型=事前審...
** 菅原 朔 [#yf910942]
- 言語システムにおける信頼
-- 文書に摂動・削除を加えて予測 → これが解けているが,こ...
- データ収集の方法論,タスク設計,評価の理論的基盤
- 何を評価するのか,,評価指標,評価の再現性,意図した挙...
- 高度な理解,獲得の原理,妥当な評価
** 竹内 孝 [#d1cc7e97]
- データから将来を予測するAI → 人間のバイアスを継承してし...
- What-if分析:反実仮想,予測するとき一部明らかなものを予...
- 実際に作るときはプラグマティズム → 演繹的理解との兼ね合い
** 西田 知史 [#fc74ff3f]
- 客観的信頼性=指標で評価 & 主観的信頼性=人間が主観で
- AIへの信頼に関わる要件のアンケート:「陰ながら支えるAI...
- 機能における信頼と社会的関係における信頼
** 原 聡 [#fb7d3bb4]
- 説明可能AI:どんなに説明しても,気に食わないと信頼しな...
- 修正可能AI:干渉できるようなAI
** 藤井 慶輔 [#c5befcac]
- スポーツAI:データ収集は困難,反実仮想の推定,強化学習...
- 選手からファンまで関係者の信頼を得る
-- 選手(除く野球)→ 数値評価を信用しない
-- 指導者・監督 → 主観にあうかどうかで決まる
-- チーム経営者 → 親和的
** 松原 崇 [#k654e936]
- 物理の第一原理を信頼している人にはAIは受け容れられない
- 背後にある数理的関係性の知識のあるデータ駆動予測
** 谷中 瞳 [#g48b2e4f]
- モデルの信頼性:透明性と論理的意味
- 記号論理と機械学習の相補的な利用
** 岸田 昌子 [#ub7aa369]
- 制御理論,不確実性の動的システムへの影響
- AI自立的に意思決定を行う目的は制御と同じ ⇔ 制御の方が理...
- リスクを明示的に考慮することに注目している
** 討論 [#hda2c899]
- reliability=道具として→工学的に保証,trust=仲間として
- 親密さを獲得する意図をもったものは危険
- 性能評価の reliablity 向上がどう trust に繋がるか
- 説明・プロセスの実効性はあまり感じない
- 信頼の根拠となる trust anchor は人によって異なる
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