ファジィ (fuzzy)

ファジィ集合・ファジィ論理

確率と同様に『あいまいさ』を扱うための枠組み.

年齢などのuniversal集合を \(U\),「老い」などの性質を示すファジィ集合を \(F\) とする. \(U\) 中の要素が \(F\) の性質を持つ度合いを示す関数をメンバーシップ関数 \(\mu_F:U\rightarrow[0,1]\).

∪ や ∩ のような connective を \(\bigcirc\) で表すと,ファジィ集合 \(F\) や \(G\) について connective のメンバーシップ関数が \[\mu_{F\bigcirc G}(u)=S(\mu_F(u),\mu_G(u))\] のように,それぞれのメンバーシップの関数でかける. 関数 \(S(\cdot)\) としては \(\max(\mu_F(u),\mu_G(u))\) や,\(\mu_F(u)+\mu_G(u)-\mu_F(u)\mu_G(u)\) などが考えられる.

文献1にはファジィ集合と確率論の違いについてまとめられている.

  • 確率測度は,事象集合から得られる可測なボレル集合族について定義されている.一方,メンバーシップ関数は事象そのものの関数として定義されている.
  • 同時確率 \(\Pr[F\cup G]\) は,\(\Pr[F]\) と \(\Pr[G]\) だけでなく,\(\Pr[F\cap G]\) にも依存するが,メンバーシップ \(\mu_{F\cup G}(u)\) は \(\mu_F(u)\) と \(\mu_G(u)\) だけの関数として簡潔に書ける.
  • ファジィでは \(|F|=\sum_u \mu_F(u)\) を用いて \(F\subseteq G\) の度合い \(I(F,G)=|F\cap G| / |F|\) と定義.条件付確率は \(\Pr[B|A]=\Pr[A\cap B] / \Pr[B]\) となる.ファジィでは ∩ に min を使うと \(I(F,G)+I(F,\bar{G})\) は意味的には 1 になるとよさそうだが,実際には 1 以上になる.

可能性理論 (possibility theory)

可能性理論ファジィ集合の Zadeh が確率論に対する枠組みとして考案したもの.

ファジィ集合は事象に対してメンバーシップが定義されるが,可能性測度 (possibility measure) では \(U\) のベキ集合中の要素に対して定義される \(\Pi: 2^U \rightarrow [0,1]\) \(\pi(x=u | F)\) は,「x は F」という知識の不完全な状態を知ったとき,\(x=u\) である可能性を示すが,\(\mu_F(u)\) は,正確な情報 \(x=u\) と,「x は F」という文との整合性を示す.

また,\(\Pi(\emptyset)=0\) と \(\Pi(F\cup G)=\max(\Pi(A),\Pi(B))\) を満たす.正規化するときは \(\Pi(U)=1\).

確かさの度合いを \(N(A)=1 - \Pi(\bar{A})\) と書く. A を完全に無視する記述 \(\Pi(A\cap\bar{A}=0\) と \(N(A\cup\bar{A})=1\) を満たしつつ \(\Pi(A)=\Pi(\bar{A})=1\) としたりことが可能性理論では扱える.

-- しましま

関連項目

リンク集

関連文献

  • ファジィ集合の基本文献
    L.A.Zadeh "Fuzzy sets", Information and Control, vol.8, no.3, pp.338-353 (1965)
    GoogleScholarAll:Fuzzy sets
  • 可能性理論の基本文献
    L.A.Zadeh "Fuzzy Sets as the Basis for a Theory of Possibility", Fuzzy Sets and Systems, vol.1, pp.3-28 (1978)
    [Reprinted] Fuzzy Sets and Applications: Selected by L.A.Zadeh, R.R.Yager, S.Ovchinnikov, R.M.Tong, and H.T.Nguyen, eds., Wiey, pp.193-218 (1987)
    GoogleScholarAll:Fuzzy Sets as the Basis for a Theory of Possibility
  • 文献1
    D.Dubois and H.Prade "Fuzzy Sets and Probability: Misunderstandings, Bridges and Gaps" 2nd IEEE Int'l Conf. on Fuzzy Systems, pp.1059-1068 (1993)

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Last-modified: 2010-02-11 (木) 16:12:26 (2492d)