人工知能学会第31回全国大会†
このページはしましまが人工知能学会全国大会2017に参加してとったメモです.私の主観や勘違いが含まれていたり,私が全く分かってなかったりしていますので,その点を注意してご覧ください.誤りがあれば,指摘してください.
5月23日 (火) 1日目†
基調講演:インタラクティブな人工知能を目指して ― HAIとIIS ―†
山田誠二氏(本学会会長,国立情報学研究所 教授,総合研究大学院大学 教授,東京工業大学 特定教授)
- 人工知能は世の中ではブームだが,学会的には冷静にみてます
- 全国大会の参加者数:研究者の活動を反映する発表件数は単調に増加,聴講参加は地方開催を始めてから増えだして,2012以降は指数的に増加
- 会員数:バブル崩壊後単調に減少,2013からV字回復,現在は 4407名で史上最高
- 全国大会スポンサー:今までは10社程度だが,今年は51社
- AI vs 人間
- 誤った言説:AIは人間の知的な処理のほとんど代行できる → 仕事を奪う
- AI は工学 → 人間が調整・制御して動かしているもの,擬人化されることがあるため誤解される
- 建設的なAIと人間の関係を築きたい
- 能力の比較
- AI・コンピュータ:高速・大規模,可視化,網羅的処理
- 人間:文脈依存な推論,バイアス・ヒューリスティック,目的の設定,日常的物理操作
- 人間 + AI OR AI→人間
- 自動化できるところは自動化
- 強いAIアプローチ → 何でもできるAIをつくろう
- 弱いAIアプローチ → 人間との協調 ← HAI / IIS はこちらのアプローチ
- AI利用の環境
- 屋内:家庭やオフィス,屋外:街中 → 人間の手助けを得られる環境 → 人間の助力を利用しよう
- 人間の知的能力を活用するインタラクティブな知能 interactive AI
- interactive AI に必要な要素技術
- ユーザの認知バイアスをモデル化し,利用したインターフェース
- 人間が理解・適応しやすいように
- most recently used:最後にユーザに受け入れられた結果を利用(かな漢字変換とか)→ 5回程度の対話で人間が理解できる
- 参加者実験による検証
- 世界的な動向
- interactive ML @MSR, complementary computing @ Horvitz, human computation, socially guided ML (SGML), human active learning @ Castro, 制約付き・メタクラスタリング
- 我々のプロジェクト
- HAI (human agent interaction) → エージェントと人間の対話の設計
- IIS (intelligent interactive system) → 人間とAIの協調問題解決
- HAI:人間,擬人化エージェント,ロボットの三つのエージェントの関係
- エージェント自体(外見,身体)→ どういうタスクではどんな外見がいいのか
- 表出(どの情報を出すか)→ 人間の表情をまねるのが主流
- 関係のデザイン(信頼関係の構築,リーダ=フォロワ関係の構築)
- IIS:人間・AIのフィードバックを密に行って,それぞれが単体で行うよりよいパフォーマンス
研究紹介
- 商品推薦エージェント PRVA
- 信頼関係を構築することによる購買意欲の向上
- 情動伝染:人間に受け入れられやすいエージェントの動作を採用
- リーダ=フォロワ 関係
- エアバス機の墜落:機械の操作と人間の操作が対立した
- AIにどういう性質があれば,その出力に人間が従うか
- エージェントと人間が協調したときに多くの点が入る協調ゲーム
- どの選択が一致するとより多くの報酬が入るかはエージェントのみが持つ情報で,これによりエージェントが優位に
- 知性より,強引さがあるときに従いやすい
- 最小フィードバックのクエリ拡張
1E1-OS-24a オーガナイズドセッション「OS-24 人工知能が誘発する問題の人工知能による解決を目指して」†
1E1-OS-24a-1 (OS招待講演)公平配慮型データマイニング技術の進展†
神嶌 敏弘(産業技術総合研究所)
1E1-OS-24a-2 人工知能倫理に関わる社会的次元/個人的次元の峻別と交差†
河島 茂生(青山学院女子短期大学現代教養学科,東京経済大学情報コミュニケーション研究所)
1E1-OS-24a-3 人工知能の製造物責任とリスクに関する試論 — トロッコ問題を例として†
吉岡 真治(北海道大学大学院情報科学研究科)
- AIの製造物責任:オープンな環境では難しい(自動運転など)
- テスラの事故 → 運転手に注意喚起をしていたのでテスラは免責に
- 自動運転のレベルでは,レベル3までは最終責任は人間にある → レベル4以降で機械が最終責任を負う場合はトロッコ問題のような倫理問題まで扱うことに
- → 議論のギャップが大きすぎて困る
- AIが対応できる方策は?
- パレート最適解は出せる→そこから先は人が決めるべきこと
- リスクの完全回避はフレーム問題によって本質的に無理
- 許容できるリスクとできないリスク → デフォルトの設定が必要
1E1-OS-24a-4 人工知能技術の導入判断にかかる意思決定者のバイアスとその解決に向けて†
大岩 秀和(Recruit Institute of Technology)
数原 良彦(Recruit Institute of Technology)
淡島 英輝(Recruit Institute of Technology)
- AI技術の導入判断 → 人間がする
- 判断に必要なもの:技術の正確な評価,選択肢の正確かつ公平な判断,不可欠な情報を最小コストで収集できているか
- 判断に対するバイアス
- 先入観バイアス:多くのタスクで実際の能力よりもAI技術は低評価
- 失望バイアス:AIの失敗を人間による失敗より過大評価
- 解釈性バイアス:解釈性を過度に求めるバイアス
- 対策
- できるだけ機械的に:判断項目の設定 → 技術評価の標準化
- AIの出力結果の修正の機会を人間に与える
パネルディスカッション†
高橋健志,堀浩一,西田豊明,大澤幸生,中川裕志(司会)
- AIの発展に伴いいろいろな社会問題が顕在化
- アルゴリズム取引による大きな値動き
- AIが個人データから計算した結果に従わなくてよい権利 (EU)
- AIが引き起こす複雑な問題は,AIにしか対応でっきないだろう
- ミリ秒単位の金融クラッシュは機械にしか反応できない
サイバーセキュリティに関して @ 高橋健志
- サイバーセキュリティ:ランサムウェアの増加,Haxposure脅威,IoTのボットネット → 対応できる人材がいない → 自動化も重要
- 攻撃者も自動化しているので,防御側も自動化しないと対応できない
- 効果的なフィッシングメール,攻撃対象の特定,フィルタを回避する入力
- Cyber Grand Challenge:全自動での攻撃⇔防御のコンペ
- 多段の防御で,各防壁で自動化技術を活用すべき
AIの倫理に関わる難しさ @ 堀浩一
- 人間ような一つの個体としてスタンドアローンになったAIであるという古典的な見方ベースの議論が多い
- → AIはいろいろな所に埋め込まれたネットワークとして構成されるもの
- 人間と機械の役割の境界は曖昧で重なりが生じる → 責任の概念の再考や人間社会の再設計が必要に
- AIを制御,説明,修正するAI → スタンドアローンではないので問題はさらに複雑に
西田豊明
- AIの誘発する問題
- フランケンシュタインの作ったモンスター→制御可能性,AlphaGo/自動運転→スキル,真偽の判定→メディア,Alone Together「人よりスマホと関わるように」→他者,コンビニ人間「コンビニオペレーションを正確にこなす人間」→自分,わかりにくさ
- 解決できるとすればAIにしかできない
- 限界があるとしても人間を強化する → デジ友:ボスを守る,支援,和ませる,交渉,健康管理…
データ市場とオーダーメイドモデル @ 大澤幸生
- どのように人間がいるところに自動化技術を導入する
- ロジャーズのイノベーション:アーリーアダプタとアーリーマジョリティの間には崖があるとムーアが述べた
- → 苦労しているアーリーアタプタと,苦労なく盛り上がるだけのアーリーマジョリティの間にあるのでは?
- オープンデータ:無料とは限らない,有料なら払えば誰でも入手可能
- データジャケット:個々のデータではなく要約統計量などでもいろいろな有用性 → その市場
- データ分析が役立つというエビデンスがあると,データの提供機会が得られたりする
- 演繹的な知識を使ったドメインのモデリングには,ボキャブラリーギャップを超えるコミュニケーション能力が必要に
- データが出てくるまでに多くの人が関わっているが,そのどこかを自動化技術に変えると別のものになる
中川裕志(司会)
- トラストの問題ではないだろうか?
- 事業者:評判,実績,ちょっと説明 が正の要素で,被害の大きさとの相対的な関係で決まる
- MyData:自分のデータを自分で管理したい → 産業として成立させるにはou
- トラスト=(親密さ(intimacy)+信用)/ リスク
- 堀:トラストに透明性が入っているのは重要で,ブラックボックスなトラストはない
- 西:うかつに信用すると大きなリスクがある,トラストの構築は大変だが破壊は簡単 → トラストを中心に据えるのは危険がある
- 会場:AIを道具として定義すると,道具に責任を問うのは難しい
- 違う点は,銃は弾が出るという結果が使用者に分かるが,それが分からないことがある
- 人間を含んだエージェント群:入出力を明確にすれば決定論的な動作をするので問題に対処できるでは?
- トラストにトラストするのは危険だが,合理性をトラストするようにする
- 西:説明,理解とは何かということをまず議論すべきでは?
1B3-1 Tweetのreply対からの返答パターン獲得†
横野 光(株式会社富士通研究所)
- タスク型の対話システムはコールドスタート問題
- 係り受けの関係にある二つの節で構成されるテンプレートを獲得する
1B3-2 対話シナリオ構築におけるユーザ回答候補の推定†
大塚 淳史(NTTメディアインテリジェンス研究所)
片山 太一(NTTメディアインテリジェンス研究所)
杉山 弘晃(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
東中 竜一郎(日本電信電話株式会社,メディアインテリジェンス研究所)
松尾 義博(NTTメディアインテリジェンス研究所)
- シナリオ:夕食は何がいい → ステーキ → 焼き方は? … ルールベースで実現
- ルールベースはルールに当てはまらない回答が来るとよい反応ができない
1B3-3 Embodied Conversational Agent to Motivate Learners towards Communication in English†
AYEDOUN Emmanuel(大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科)
林 佑樹(大阪府立大学現代システム科学域知識情報システム学類)
瀬田 和久(大阪府立大学現代システム科学域)
- 文化的なコミュニケーションを促進するような長期目的の英会話学習
- 内面的な問題:自信,不安,やる気に対応
- grand father が分からないときに father's father などの応答を許す
- backchannels:うなずきや相づちなどで,聞いていることを確認させることで安心を促進
- 会話タスクを進行させる,レストランでの注文とか
1B3-4 議論における発言間の階層関係に基づく情報構造化とその応用†
三浦 寛也(公立はこだて未来大学システム情報科学研究科)
竹川 佳成(公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科)
平田 圭二(公立はこだて未来大学 複雑系知能学科 知能システムコース)
- 非言語情報を含む議論を,観点に依存した要約をする
- 発言を木構造(議論タイムスパン木)に整理することで粒度の異なる要約を可能に,観点の違う木を発言の重みを変えることで作れる
1B3-5 機械学習を学ぶための対話型チュータリングシステムの開発†
荒木 雅弘(京都工芸繊維大学 大学院情報工学専攻)
- 機械学習の学習:学習項目が多いのでモチベーションの維持,必要な背景知識が多い
- 執筆した書籍の索引情報から,質問項目に対応する部分を取り出して応答とする
5月24日 (水) 2日目†
2H1 AI応用「AI応用-ゲーム」†
2H1-2in1 An Analysis on the Rush Strategies of the Real-Time Strategy Game StarCraft-II†
Budianto Teguh(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
Oh Hyunwoo(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
Ding Yi(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
Long Zi(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
宇津呂 武仁(筑波大学 システム情報系 知能機能工学域)
- 実時間戦略ゲームでの,初心者に向けた戦略の推薦
- 相手の防御が整う前の速攻型戦略についての分析
- 平均15分のゲームで7分以内に決着が着けられると速攻での勝率が高い陣営があり,その場合は速攻を選ぶべき
2H1-3in2 RTSゲームStarCraft-IIのゲームログにおけるRush戦略の同定†
Oh Hyunwoo(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
Budianto Teguh(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
Ding Yi(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
Long Zi(筑波大学大学院システム情報工学研究科 知能機能システム専攻宇津呂研究室)
宇津呂 武仁(筑波大学 システム情報系 知能機能工学域)
- 速攻を選択したときは,最初にユニットを生産したら,あとは他に資源を投入する
- 二つ目の基地を建設するタイミングに注目して分析
2H1-4 MM-NEATを用いた一人麻雀における多目的最適化†
伊原 滉也(名古屋工業大学 大学院工学研究科情報工学専攻)
加藤 昇平(名古屋工業大学 大学院工学研究科情報工学専攻/情報科学フロンティア研究院)
- MN-NEAT:進化計算を用いた麻雀プレイヤ,一人麻雀:取って捨てるだけでツモ上がりできるか
- 上がりの早さ,得点の高さの二つの目的について,パレート最適な戦略をしている麻雀プレイヤを考えたいが,点数の高さの評価が問題になった
2H1-5 ワンナイト人狼における投票行動の分析†
西崎 絵麻(日本大学大学院 総合基礎科学研究科)
坂口 早紀(日本大学大学院 総合基礎科学研究科)
尾崎 知伸(日本大学文理学部情報科学科)
- 1ターンの人狼で,被処刑者が人狼かどうかで勝敗が決まる簡潔な問題
- 被験者実験,ゲーム数によるスキル向上などの統計の報告
21世紀はどのような時代だろうか — 世界はアジア化する? —†
中津 良平 氏(京都大学 特命教授,NTアソシエイツ 取締役)
- AIで世界は変わる?:仕事がなくなる? → 歴史的には仕事は常に変わるもの:今は鍛冶屋,切符の改札 → 別にAIによって起こるわけではない
- AIで世界は変わるか → アメリカは半世紀前から変わっている?
- タイムズスクウェアに行ってみた印象は,ビルボードがサイネージに変わったものはあるが,以前として観光客がいて,お土産屋さんがある → 表向きは変わらない
- 大きく変わったもの → スマホをずっと見ている人が増えた,トランプ大統領・Brexit現象
- 多くの人が新たに現れたメディアを用い,生活様式が変わってきている
- スマホを使うという表面的な動きの背後にある本質は何?
本当に起こっていること?
- エンタテインメント
- エンタメに多くの人が時間を費やしている → 太古の時代からエンタメはあった
- 狭い飛行機では,食べる・寝る・遊ぶだけになる → エンタメは生活の本質的な部分
- 元々,エンタメは本質的なものであったが,仕事など他にすることが増えて二次的なものになった
- ITがエンタメを作り替えて,エンタメが本質に復権しているのではないか?
- ネットワーク社会は新しい世界といわれているが,本当か?
- ギリシャ社会では互いに知り合いで,直接民主制 → これは相互ネットワーク
- その後,階層ネットワークに変わったが,それが相互ネットワークにもどってる
- コミュニケーション
- 会議中にメールを見たり,観光地でだれもが写真を見ている → 公的な行為と私的な行為の混同が世界中で起きている
- 本音と建前:日本人はこれが別れてると言われてきたが,別に世界のどこでもあった → これを無意識に混同していたことが問題とされていた
- この混同が世界中にも生じて,政策にまで反映されるようになってきた
- プラトン:文字の出現でロゴス(理性)とパトス(本能・情熱)に分離→ロゴスと本能を尊重し,本能を抑えるべき → これが20世紀までの理想とされた
- アジアの哲学:論語「仁と礼」とプラトンの「国家」には共通点があるが,ロゴス・パトスの分離はなかった
- 荘子:心身一元論,井戸の水をくむのにハネつるべを使わないという農夫は,使うとハネつるべに依存してしまうからと
- 印刷術でロゴス・パトスの分離が促進 → 公的・私的の混同はロゴス・パトスの再融合
この動きを作り出したのは
- 現在の新しいメディアの出現 → その前に電話と映画が転機であったのでは
- 電話:遠隔地と感情を交えたコミュニケーション,職場と家庭(公と私)を繋ぐデバイス
- 映画:感情を表す映像をコミュニケーションの手段 → 行動・思考を感情的に
今後はどうなるのか?
- マーシャル・マクルーハンのグローバル・ビレッジができる? → no,アジア化もある
- グローバリゼーション:現在は欧米化と同義になっている
- グローバル・ビレッジは実は,実は世界全体が村社会になるということであって,その意味でが実現する → 人間の動物化?
- ロゴス・パトスが再融合した時代での新しい指導原理が必要に
- Twitterは短い文という点で和歌と似ている → 王朝文化のようなこうした文化的な生活はできるか?
- ビッグデータ・深層学習 → 過去からの学習で,未知の部分に解を用意できるわけではない=過去への最適化
- 新たな事象を探索するという点において,トランプ大統領は先駆的かもしれない
- コミュニケーション:人はなぜコミュニケーションを欲するのか? → 人類は6万年前に出アフリカをした数100人のグループの末裔で本質的に繋がりたい?
2C2-1 未学習行動推定のためのZero-shot学習法における精度向上の試み†
松木 萌(九州工業大学大学院工学府先端機能システム工学専攻)
井上 創造(九州工業大学大学院工学研究院)
- 行動認識:センサー情報→行動のマッピング
- 教師データがない行動は認識できない,全ての行動データを全て事前に収集するのは難しい → zero-shot学習
- センサー→単語ベクトル→行動パターン というふうに中間表現を利用してzero-shotを実現
- 未知行動の予測精度が低い問題
- 中間表現へのマッピングを,kNN以外にいろいろな方法でも実験した
- 未知行動を当てるようにすると,既知行動の予測精度が下がる
2C2-2 隠れマルコフモデルによるMATLAB/Simulinkモデルのクローン検出†
中井 淳一(AZAPA株式会社オートモーティブ事業部)
- ソースコード中の同一処理を書いてしまいメンテナンス性が低下 → simulink モデルだとグラフで書くのでテキストベース以外に対応した重複の検出手法が必要
- 少しブロック構成が異なるもの,ブロック構成は全く異なるが機能は同じものを検出したい
- simulink:データのフローを記述したグラフ
- モデルを隠れマルコフで表す
- 遺伝アルゴリズムを用いてモデルをクラスタリングする
2C2-3 Laplacian-Constrained Tri-factorization for Feature Association Learning†
Zhai HongJie(IST, Hokkaido University)
Haraguchi Makoto(IST, Hokkaido University)
- association learning:0/1で記述したオブジェクトの対,対応関係が分かっている特徴から,同一のオブジェクトを認識,同一オブジェクトを手がかりに,その他の特徴の対応関係を見つける → これを繰り返して全ての特徴観の関係を見つける
- 特徴とオブジェクトをそれぞれまとめていく作業になる
- tri-factorization:NMFを三つの非負行列の行列式に分解する拡張
- 特徴の対応が明かな部分だけは類似するような類似度行列のグラフラプラシアンを導入した制約で,それらの特徴を近くに射影する潜在表現が獲得できる
2C2-4in2 リカレントニューラルネットワークによる材料構成則モデリングの試み†
鈴木 琢也(竹中工務店 技術研究所)
松岡 康友(竹中工務店 技術研究所)
- 構造解析:建物の安全性 → 要素に分解してその挙動をモデル化している → 自動化したい
- 詳細モデルで作ったものを教師情報として,それを表現するモデルをRNNで作りなおすことで計算の部品としたい
2E3-OS-36a オーガナイズドセッション「OS-36 農業とAI」†
2E3-OS-36a-1 農業ICTの生産現場展開に向けた情報流通基盤の構築†
吉田 智一((国)農業・食品産業技術総合研究機構農業技術革新工学研究センター)
- 農業生産現場:家族経営が主だが,企業も増えてきた
- 圃場整備(水路とか)は地理情報システムと親和的なのでよく使われている
- 農業関係のITサービスは50種程度は提供されているが
- 作業者・圃場などのデータをアクセスできるAPI → 情報流通基盤
- 田植え機やUAVはデータをガンガン収集している
2E3-OS-36a-2 農作業基本オントロジーを基盤とする水稲技術経営指標データの連携†
竹崎 あかね((国)農業・食品産業技術総合研究機構農業技術革新工学研究センター)
法隆 大輔(国立研究開発法人農研機構中央農業総合研究センター)
朱 成敏(国立情報学研究所)
武田 英明(国立情報学研究所)
吉田 智一((国)農業・食品産業技術総合研究機構農業技術革新工学研究センター)
- 水稲の規模拡大は10〜15haが限界,1台の機械で処理できる面積による制限
- 直播による省力化や,品種の組み合わせによる機械の稼働率の向上 → 経営支援が必要
- 営農場面の設定が必要になり,品種,区画,栽培体系,規模,地域などを記述する必要
- 県などで違ったりするので,農作業基本オントロジー (AAO) を作って,対応付けられるようにしたい
- 労働時間比較:現状で,各作業の語彙を統一して,各作業ごとの作業時間を比較可能に
2E3-OS-36a-3 マルチ分光センシングを用いたレタスの鮮度計測手法の開発†
亀岡 孝治(三重大学大学院生物資源学研究科)
伊藤 良栄(三重大学大学院生物資源学研究科)
亀岡 慎一(三重大学大学院生物資源学研究科)
橋本 篤(所属なし)
- 国際的には,圃場のIoTに加えて,加工・流通・販売に繋げるフードビジネスがあり,アメリカ・ヨーロッパでは事実上の標準化団体がある
- 流通させるために鮮度の基準が必要,非破壊な計測方法が必要
- 食品のばらつきがある状態で入ってきて,それを均質なグループにまとめないと流通させられないので,抜き取りとか,破壊検査とかは使えない
- 萎びるのが早いレタスを対象に手法を開発
- マルチ分光センシング(色彩画像解析,蛍光X線分析,色素蛍光分析)ハンディ端末で畑でも使える → k-meansで求めたクラスタをSVM・決定木で予測できるかの最低限の問題 → 今後は劣化度を示す回帰問題にしたい
- 新鮮なレタスを正確な収穫時間の情報とともに入手するのは大変だった
- レタスは劣化すると小さくなり,色も変化する,鮮度は芯を見ると簡単に分かるのだがスーパーでは切られてしまうので使えない
2E3-OS-36a-4 標準語彙に基づく農業データの連携と統計への活用†
朱 成敏(国立情報学研究所)
武田 英明(総合研究大学院大学,国立情報学研究所)
法隆 大輔(国立研究開発法人農研機構中央農業総合研究センター)
竹崎 あかね(国立研究開発法人農研機構中央農業総合研究センター)
吉田 智一(国立研究開発法人農研機構中央農業総合研究センター)
- 農家ごとに作業記録の語彙は違う(肥料やり,施肥,肥料とか),また入力の省力化を実現したい
- 同義語対応などを使って実際にデータを集計した事例報告
- 道具の名前から作業名を推定するなどで入力の省力化などができる可能性
2E3-OS-36a-5 大豆の生育情報を自動取得する画像センシング手法の開発†
八幡 壮(神戸大学工学研究科電気電子工学専攻)
小澤 誠一(神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
吉田 武史(青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
大川 剛直(神戸大学システム情報学研究科情報科学専攻)
村上 則幸(北海道農業研究センター)
辻 博之(北海道農業研究センター)
- ノウハウを明示的なデータとして再利用できるようにしたい
- ここでは大豆の花と子実の数を画像から計測したい
- 領域分割 → 色情報で花領域 → CNNで本当に花かどうかを分類
- 子実は緑なので膨らみの情報(Haar-like特徴量を利用)で領域を検出 → CNNで精査
- 対象株を背景にある株と分離する方法についても提案
2E4-OS-36b-1 判断事例蓄積・活用による栽培指導者育成支援システムの開発†
神谷 俊之(NECソリューションイノベータ株式会社)
久寿居 大(NECソリューションイノベータ)
沼野 なぎさ(NECソリューションイノベータ)
板倉 宏章(NECソリューションイノベータ)
- 農業法人ではノウハウを属人的ではなく共有したい
- 気づき事例:原因,事象,対処,結果 の四つ組みを入力してもらう,空欄あり
- 熟練していないと原因が推測できない → その事例を見ることで新人でも対処が可能に
- 事例データ,環境の計測データ,生育データを結び付けるシステム
- 温度の管理などで問題があるとアラートがだせる.いつも起きる問題からアラート候補を出力する機能 → 熟練者でもこういうアラートは便利なのでシステムを使ってもらう動機付けになる
2E4-OS-36b-2 イネの生育予測精度向上を目指した農業情報の利用†
近藤 拓也(名古屋大学大学院生命農学研究科)
西内 俊策(名古屋大学大学院生命農学研究科,JST さきがけ)
- イネは気温・日照が重要だが直接は制御できない → 施肥や田植えなど制御できる部分を日照の予測に合わせて変えるしか対処ができない
- 2000年前後の20年を比べると花が咲く日数は早くなっている → 気候変動+農家の工夫
- 作業支援をするのに,県や試験場ごとでデータを取っているが,県内でも平地と山間部では全くことなる
- 県などの地理情報ではなく,平地や山間部などの地形ごとの類似性があるデータを使って補正できるのでは?
- 栽培情報が足りてないので,クラスタを細かくして精度の高いモデルを作りたいができない
- 試験場が取ったデータは計測が正確でよい予測ができるが,農家のデータだとよい結果がえら得ない
2E4-OS-36b-3in1 Kinectを用いた鍬動作の初心者と熟練者の比較分析手法の試作†
一ノ瀬 修吾(名古屋工業大学 工学部)
白松 俊(名古屋工業大学 大学院工学研究科 情報工学専攻)
大森 友子(Agriturismo大森家)
- 熟練者と初心者の動作をKinectでとって,熟練者の平均動作と初心者との差から初心者にアドバイスをする
- 振り上げ・振り下ろし・引きというのと,振り上げ・引きの2種類の動作
- 変化の極値検出と基本周期による1回の周期の抽出 → まだ分割精度が十分ではなく,比較ができていない
2E4-OS-36b-4 農業アプリケーションの基盤となる階層的Web Serviceの開発†
本多 潔(中部大学 国際GISセンター)
Chinnachodteeranun Rassarin(Chubu University)
- センシング,基盤情報,Webとレイヤーを分けた基盤整備
- 施策を決めるのに不確実性があるが,シミュレーションと観測を組み合わせて不確実性を減らす
- 研究者が作った予測プログラムは今でもfortranなので,他との組み合わせなどで問題を生じたりする
2E4-OS-36b-5 農作業計画の最適化における候補選定†
小牧 真子(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科情報科学専攻)
鈴木 優(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
中村 哲(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
- 作業者の体力や天候などの不確定要素が多いので作業計画の立案が難しい
- 種まきと灌漑作業について,有限体力でのシミュレーション
5月25日 (木) 3日目†
招待講演:機械学習 − 技術&ビジネスのさらなる展開†
Preferred Networks Ai applications in real world†
岡野原大輔氏(株式会社Preferred Networks 取締役副社長)
- PFNの目標:デバイス(ロボット,自動車,ネット端末)が判断して協調動作する世界に向けて
- 社員 80 人ぐらいだが,毎年2倍のペース
- 資本提携:FANUC, Toyota, NTT
- 自動運転:必要なデータ (City scape) やハードが揃い,ソフトの開発が進んでいる
- 物体認識:人などが動く,オクルージョンがあり難しい → 数100のオブジェクトを検出できる
- 多数のオブジェクトがある中で,行動ををどう決定して,安全を確保するのかが難し
- 画像の領域分割:手持ちの地図と異なる部分(工事中など)を検出して道路の部分などを検出する必要
- 強化学習によるシミュレータ上で走行の制御.ノイズを含んだセンサー.多数の車で学習し経験を共有させることで効率的な学習.
- 模型の自動車による走行までできた.悪意を持ってぶつかってくる車にも対応できる.
- 産業用ロボット
- ピッキング:雑多に箱に入れられた物を取り出す.運搬など他の作業は機械ですでにできるが,これはまだできない → 人間による調整と同じ水準が強化学習で実現できる
- Amazon Picking Challenge 2016 で第2位の成績
- 領域分割 + レンジセンサー
- ドローン:制御信号と動き出すまでのタイムラグで結構難しい
- ライフサイエンス
- 乳がん検査:マンモグラフィ + 血液検査で80%を深層学習で99%まで挙げた
- アート
- PaintsChainer:GANによる線画の色塗り → pixiv で採用
- 現在はこうした個別の問題に順に取り組んでいる状態
機械学習 — 技術&ビジネスのさらなる展開†
藤巻遼平氏(NEC データサイエンス研究所 主席研究員)
- 行動分析・データサイエンス:企業の成長に欠かせなくなってきた → グローバル企業は1企業で数100人のデータサイエンティストを雇用するように
- 機械学習のモデルはだれでも作れるようになった → 個別のモデルの調整より早くつくってうまくビジネスに投入できるかが重要に
- 処方分析:何がおこったのか?なぜ?何が?何をすべき? を機械にさせる
- 予測は単に情報なので,その情報を使って業務を改善する
- 需要の予測(予測)→ 価格や品揃えはどうすれbあ(意思決定)
- 水の需要(予測)→ 造水・配水計画(意思決定)
- 予測:機械学習 + 意思決定:ORや強化学習
- 店舗全体の売上最適化:予測モデル(商品間の関係:ワインを値下げするとチーズも売れる)→ 離散最適化を適用
- 従来の予測分析プロセス:目標設定→前処理→モデル作成:ここまで数ヶ月→スケールしない
- 目標を設定すれば全体を自動化してスケールするように
- モデルを作るだけでなく,それを運用管理するところに課題
- 世界と戦うために:何を解くのか,答えは顧客がもっている,敵を知る,大事なのは人,何でも解ける=何も解けない,不確実性の許容と促進
深層学習の問題:データの準備,説明可能性,調整の難しさ → 苦労している人に向けて何か
- 岡:説明には,砂崩のように本質的に難しいものと,そうでないもの
- 藤:アプリサイトが何を要求しているかに依存:キャンペーンの効果だと利益の量だけでよかったりする.一方でモデリングと利用する部門が異なると説明がないと使ってくれない.既存の施策の改良でない,あらたなキャンペーンをするときには予測器はできない.法務的な問題.
- ホワイト・ブラックボックスの対立ではなく,ケースバイケース
- 藤:深層学習で説明力を求められるシーンは?
- 岡:沢山の要素が関連している複雑なすなくずしのような場合はどうかみ砕けばいいか?説明がなくても確実性の認識など制御可能性で代替する場合
- 藤:画像などのパターンは特徴が不明瞭なので説明は求められないが,キャンペーンなどは特徴が明確なのでよく説明を要求される
- 岡:現在の深層学習が活躍している部分はなんで犬と分かるか説明できない問題.生体のダイナミクスとかが仮に説明できても,人間の今の知識を超えるので説明となりうるかどうか分からない.
- 藤:長期的にはホワイトボックスが求められるシーンは限定されてゆくのでは?モデルが多数になると全部を人間がチェックするのは無理に,チェックの自動化や事後のリスクヘッジ戦略を設定
- 会場中川:説明は聞く側が誰かが重要.どう説明しても細かいところはどうしても無理なので,そのときにトラストしてもらうアイデアはあるか?
- 岡:言語化や画像化でだいたい分かってくれるという.単純な規則を提示すると分かってくれる.ただ,機械学習では人間の直観が合わない高次元データを扱うので本質的に難しい
- 岡:トラストの構築には,互いに問題が共有できていることの認識であるコミュニケーションが重要
- 藤:モデルを使うビジネスユーザは擬相関といった概念を知らないので,現状では説明について解がない.
- 藤:トラストの構築に重要なのは実績.そこに至るまでの段階は難しい.何らかの公的証明などはできるか?エビデンスと,形式的モデルの説明との対応を積み上げが必要に
- 会場:ネコの認識と違ってビジネス課題に説明が求められるのはなぜ?
- 藤:クリティカルな決定にどれだけ近いかが重要
- 岡:ネコ認識は実際には大量の処理をしているが,人間が無意識にやっているかどうか
- 会場鷲尾:機械学習は内挿やってるだけだが,ビジネスでは外挿に使わせられる場面がある
- 岡:あらゆる問題を内挿にするように,データを揃える,強化学習で環境を尽くす.現象の物理法則を見つけるなどという方向は今の深層学習の先にはないだろう.
- 藤:コカコーラとペプシを同時に安売りは実際にはしないが機械はするという.使う人は内挿・外挿の区別がついていないので,リスクも込みで機械学習にさせる
- 会場:データについて
- 藤:データが重要なのは確か.あるデータから始めるビジネスは失敗する,目的から始めるのが吉
3C1-1 RDFデータベース構築によるユーザの気分に応じた観光スポット推薦システムの提案†
坂元 陽亮(首都大学東京大学院システムデザイン研究科)
高間 康史(首都大学東京大学院システムデザイン研究科)
- 人気のない観光スポットはレビューがなくて推薦されなくなる
- スポット感想文から,感情語辞書を使って,各種の感情値のベクトルを生成
- こころを落ち着けたいといった気分に対応する関連感情を見つけ,吸おっとの感情ベクトルと対応付ける
3C1-2 価値観に基づく行列演算ベース情報推薦システムの提案†
白石 雄也(首都大学東京大学院システムデザイン研究科)
高間 康史(首都大学東京大学院システムデザイン研究科)
- アイテム属性への好感度を考慮にいれて最終スコアを計算する
3C1-3 商品レビューからの自己符号化器を用いた情報補完による評価値推定精度の向上†
林 知範(明治大学 大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻)
高木 友博(明治大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻)
- アイテムのコールドスタート問題を,カテゴリごとのレビュー文から抽出した特徴ベクトルを行列分解と併用して対処
3C1-4 行動経済学的な知見を用いた消費者の情報探索行動の予測とレコメンデーション法の開発†
高畑 圭祐(慶應義塾大学大学院経済学研究科)
星野 崇宏(慶應義塾大学経済学部)
柳 博俊(慶應義塾大学経済学部)
渋谷 友磯子(プロトコーポレーション)
- 中古車販売サイトのコンバージョン率が低い → 購入の意思のある人は閲覧者の中でも一部であり,購入する人でもリンク先で見積もりをとらない人もいる
- コンバージョンは訪問回数の少ないときに生じている.CVする人は最初から実際に買う価格のページを見ている.CVする人の方が閲覧時間は長い.
- 市場の寡占状態を示す係数ハーフィンダール・ハーシュマン・インデックスを使って閲覧した価格帯の集中度などの情報併用することで,CV率予測が向上
3C1-5 情報量に注目した推薦のための商品間関係性の分類法†
園田 隆志(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
出雲 英剛(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
佐藤 政寛(富士ゼロックス株式会社 研究技術開発本部)
- 購入する商品の置き換えになるでは推薦による売上向上にならない
- 商品の関係として,同時性,代替性(同時には買われない),相補性(一方が買われるか同時に買われるか),独立性(無関係)に分けてみる
- 時間的な相関や相互情報量を用いた分類
3H2-OS-04b オーガナイズドセッション「OS-4 コミック工学とAI(2)」†
3H2-OS-04b-1 機械学習によるシーン抽出のためのマンガのメタデータ提供システム†
久行 智恵(筑波大学情報学群情報メディア創成学類)
三原 鉄也(筑波大学図書館情報メディア系)
永森 光晴(筑波大学図書館情報メディア系)
杉本 重雄(筑波大学図書館情報メディア系)
- IIIF:人文科学系のデジタルアーカイブ,画像を公開して共有するための国際的なフレームワークで,部分領域の参照やコメントの情報を付与可能
- このフレームワークを用いて,マンガの情報を管理するシステムを構築
3H2-OS-04b-2 進化計算を用いた人間の感性理解のための遺伝子解析法†
野村 俊太(千葉大学大学院 工学研究科都市環境システムコース)
荒井 幸代(千葉大学 大学院工学研究科都市環境システムコース)
- 4コママンガの自動生成をできるようにするために,ランダムに生成した4コママンガと評価値との対を作って,予測器を作る
- この予測器を適合度とした進化計算で,よいマンガの特徴を見つける
3H2-OS-04b-3 コミック読者のネタバレ遭遇タイミングによる興味度合い変化†
著者 牧 良樹(明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科)
中村 聡史(明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科)
- 単行本で読む人は先行する雑誌によるネタばれの危険がある
- ネタバレが面白さが増すという研究もあるが,それはそれほど重要なネタではなかった
- 事前調査:ネタバレページとして選んだページは,サスペンスでは違うページに,バトル・スポーツの結果は一致しやすい
- 実験:ネタバレなし,ネタバレ序盤・中盤・終盤でマンガを読んでもらい面白さがどうなるかを被験者検証
- ネタバレ直後では一様に面白さが一時低下する
- ネタバレが面白くなくなる作品とそうでない作品があり,面白くなる作品ではタイミングが後になるほど低下は大きい,面白くなる作品ではネタバレなしの評価が低めである
3H2-OS-04b-4 (OS招待講演)機械学習で、eBookJapanを加速できるか? ―電子書籍データの作成から、AI活用による新しいサービスの可能性まで―†
村上 聡(イーブックイニシアティブジャパン)
- 画像分野のAI応用に関心,eBookJapan:電子書籍の製造販売,54.7万
- 電子書籍の製造過程
- 電子書籍:画像方式,テキストでもつリフロー方式
- 紙をスキャン,デジタル画像入手,epubで入手 とがある
- 紙のときは,乱丁や裏移りのチェックなど手作業が多い
- 見開きを繋ぐのは難しい,スクリーントーンがつぶれないように調整など
- クラウド書庫:本の実体はクラウドにある,スマホで見るにはよい
- AIを利用した低解像度→超解像拡大
- 作家に配慮して,マンガはコマ画像ではなく,ページ画像で配信する方針
- 端末の高解像度化で単純補間ではどうしてもボケてしまう
- SRCNN:3層畳み込みのCNN → VDSR:20層になり,層数が増えると性能が向上する
- 永富一也(waifu2xの作者)と共同開発で,マンガ用の超解像度システムを作った
- 画像のジャンルごとにモデルを訓練することで精度は向上
- 吹き出し領域の抽出
- まとめ
- アノテーションの質は重要
- ちょっとした結果は出るが,実用レベルまで精錬するのは大変
5月26日 (金) 4日目†
4O1-OS-17a オーガナイズドセッション「OS-17 ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング」†
4O1-OS-17a-1 (OS招待講演)クラウドソーシングサービスにおける課題改善への取組みと今後の展望†
弓山 彬(株式会社クラウドワークス)
福島 明(株式会社クラウドワークス)
沢田 正(株式会社クラウドワークス)
塚本 鋭(株式会社クラウドワークス)
クラウドワークス社
- 2011〜,資本金約17億
- 仕事のマッチングサービス,コンペ・タスク(単純依頼)・プロジェクト(相談しながら進める)
- クライアントとクラウドワーカーの両者が揃って成立するサービス
スパム投稿問題
- 例:アフィリエイトなどの投稿,ランキング操作依頼などの不正な作業,雇用を前提とするなどサービスを理解していない投稿
- 対策:ルールの整備,ユーザからのフィードバック(少ない),違反案件の検出(キーワードチェック)
- 正規表現によるキーワードフィルタ:単純マッチとキーワード更新の手間があった
- ユーザフィードバックによる内容・価格の適切性を判断 → 導線を増やした
- 違反案件検出
- ベイジアンスパムフィルタの性能が良かった
- 特定の品詞を抽出して適用,適合率9.13,再現率0.807
- 自動判定で一度非公開にしてから,人力チェックをする
- 学習は毎日1度やらないと,スパマーも学習するので対応できない
- 投稿のチェックは掲載停止処理を1時間に一度ほど実施
- トータルで人力チェックコストを下げることができた,予測精度の定量評価をするようになった
今後の展望
- データ活用の推進:スパム排除,マッチング経営指標と行動指標の関係性の深掘り
- マッチング:よいマッチングは変化しうる
- 経営・行動の関係:施策の有効性予測,過去の数値変動,季節要因,外的要因を含めたモデル化
4O1-OS-17a-2in2 クラウドソーシングのみによる因果関係発見の試み†
米良 俊輝(筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科)
若宮 翔子(奈良先端科学技術大学院大学)
荒牧 英治(奈良先端科学技術大学院大学)
森嶋 厚行(筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター)
- 因果関係の発見:仮説の形成と検証のループ → 仮説形成をクラウドを使うものがあったが,検証を今回は行った
- 「日中に運動する」を試して下さいという実験をワーカに依頼
- 自分の状態を報告するのと,介入後の状態を報告するのと二つのタスクをワーカに依頼
4O1-OS-17a-3 AdaFlock: 予測モデリングのためのクラウドソーシングによる適応的特徴生成法†
高濱 隆輔(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻,JST ERATO 河原林巨大グラフプロジェクト)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
清水 伸幸(ヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN研究所)
藤田 澄男(ヤフー株式会社 Yahoo!JAPAN 研究所)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
- Boostingの弱学習器生成にクラウドを利用
- データの重みに比例した確率で訓練データを選択
- 選択データの正例・負例を示して分類に有用な特徴をワーカに選ばせる
- 特徴の値をワーカに選択
- AdaBoostingの弱学習器追加ステージを普通に行う
4O1-OS-17a-4 経路推薦サービス Route Market におけるトレーダの挙動のシミュレーション†
別府 桂介(青山学院大学理工学部経営システム工学科)
水山 元(青山学院大学)
野中 朋美(青山学院大学)
- 経路選択:適切な経路というのは人によって異なる → 予測市場を使って選択
- 進化計算を使ったトレーダによるシミュレーションで計算
4O2-OS-17b-1 モバイルクラウドソーシングにおけるワーカコンテキストの影響性評価†
池田 和史(KDDI総合研究所)
帆足 啓一郎(KDDI総合研究所)
- モバイルクラウドソーシング:地図情報の更新などは地元の人には容易が,調査に行くのは大変
- モバイルだと作業環境がより多様になるので,ワーカの状況がどう結果に影響するか調べる
- 忙しさ:ワーカが忙しいときは機会費用の損失が高くなる,疲労度:疲れてると実施率低下,同行者:いると実施率低下
- スマホの通信品質モニタリングタスク:依頼ごとに報酬をランダムに変えて,報酬への反応も見る
- タスクを実施しなかった場合の状況を別にとることで,タスクを引き受けなかったときのデータも取って比較
- 多忙と同行者は実施率が悪くなるが,疲労は無関係
4O2-OS-17b-2 多基準評価値に基づく協調フィルタリングと評価値統合†
森瀬 寛己(北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科)
小山 聡(北海道大学大学院情報科学研究科情報理工学専攻)
栗原 正仁(北海道大学大学院情報科学研究科複合情報学専攻)
4O2-OS-17b-3in2 感性評価に基づく最適化に対するクラウドソーシングの適用†
遠藤 ルッカス良(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
馬場 雪乃(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
鹿島 久嗣(京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻)
- デザインの良し悪しなどの感性評価を繰り返しながら,製品を改良したりしようとすると,評価を多くの回数行う必要 → ベイズ最適化で評価回数を減らす
- 関数値に応じてランダムに打ったドットを見た感じで個数を数え,関数値の最大値を求める
- 縦横の格子模様の色の組み合わせの良さ → だんだん同系色の色の組み合わせがテストされるように
4O2-OS-17b-4 Human Computation Game for Enhancing Movie Box Office Prediction Model†
たんたうぃちえん じょんぽっと(青山学院大学)
水山 元(青山学院大学)
野中 朋美(青山学院大学)
- 映画の興業収入の予測,評価がいい映画が興行収入もよいとは限らない
- 映画のメタデータとWikipediaのページビューから予測モデルを構築
- ゲーム化したクラウドによる予測と比較
4O2-OS-17b-5 クラウドワーカを利用したメカニズム設計のための一考察†
櫻井 祐子(産業技術総合研究所 人工知能研究センター)
松田 昌史(日本電信電話(株) NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
小山 聡(北海道大学大学院情報科学研究科情報理工学専攻)
- メカニズム設計で形式的に公平でも,複雑すぎると参加者には公平感がない → ワーカーにメカニズムを考えてもらうのと,各種の価値観との関係を調べる
- 価値思考尺度:理論,経済,社会の観点と,正当世界尺度の四つの軸と,報酬方法(低額,成果,従量)の関係